姉妹校のインターナショナルスクールと合同授業…横浜雙葉

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 横浜雙葉中学高等学校(横浜市)は、設立母体を等しくする隣接のサンモールインターナショナルスクールとの合同授業を行っている。藤原恵美校長の呼びかけで始まったこの授業はネイティブの会話スピードで進められ、生徒にとっては同世代の本物の英語に触れるだけでなく、多様性を学ぶ格好の機会となっている。授業の様子を取材し、参加した子供たちの声を聞いた。

明治以来の姉妹校として多様性を学び合う

サンモールとの合同授業について話す藤原校長
サンモールとの合同授業について話す藤原校長

 サンモールインターナショナルスクールは、明治政府のキリスト教解禁に先立つ1872年に、フランスのサンモール修道会(現・幼きイエス会)が創設した学校だ。日本最古のインターナショナルスクールと言われ、現在はさまざまな国籍、信仰を持つ2歳から18歳までの子供たちが学んでいる。

 横浜雙葉中学高等学校は、同じ修道会を母体として1900年に設立されており、両校は姉妹校の関係だ。距離も徒歩1、2分の近さにあるが、サンモールは、正門を一歩入るとまるで外国という雰囲気が漂っている。

 両校の合同授業が始まったのは藤原恵美校長が就任した2018年で、英語科の主任だった藤原校長は以前から、多様性を学ぶ機会としてサンモールに注目し、さまざまな形で交流を模索してきたという。

 サンモール側でも多様性を学ぶ機会を欲していたことから、最初は器楽部の合同コンサートや、茶道部による日本文化の紹介など、文化面での交流から開始し、次いで教育場面にも交流を広げることに考えが一致して、合同授業が実現した。当初の参加者は数人だったが、先輩から後輩へ合同授業の面白さが伝えられ、今では例年十数人が参加するようになった。

ネイティブの会話スピードで進む合同授業

ネイティブの会話スピードで進む授業
ネイティブの会話スピードで進む授業
訪日外国人向けの日帰り旅行プランを作成する生徒たち
訪日外国人向けの日帰り旅行プランを作成する生徒たち

 取材に訪れた昨年12月4日、サンモールで今年度3回目の授業が行われ、サンモールの生徒6人と、横浜雙葉の中高生12人が参加した。

 この日の授業は「Going a Day Trip」というテーマで、訪日外国人向けの日帰り旅行プランを作成するものだ。生徒たちは3人1組のグループを作り、浅草、お台場、鎌倉、原宿など、行く先を調べ、スケジュールを立て、どこで、どんな観光体験をするか、互いに意見を出し合って決めていく作業に取り組んでいた。

 授業は、指導するサンモールの教員も含め、すべてネイティブのスピードの英語で行われる。横浜雙葉の生徒にとってハードルは低くないが、それでも次第に会話がかみ合ってくると、笑顔がこぼれるようになってきた。話し合いが進むにつれて、寿司(すし)やそばを食べ、タピオカドリンクを飲み、相撲を観戦したり、温泉に入ったり、というプランも決まり、模造紙の上に次々と書き込まれていった。

 この日は各グループでプランの検討に熱が入ったため、時間がオーバーしてしまい、予定されていたプレゼンテーションは次回に持ち越された。

 横浜雙葉で英語を担当する浅川真知子教諭は、「両校の学事暦が異なるため、合同授業のスケジュール調整は難しいのですが、もっと交流を盛んにしたいという思いは同じです」と話す。この日の授業についても「サンモールから参加している生徒は多文化交流に関心が高く、とても積極的な姿勢で臨んでくれます。本校の生徒もネイティブの会話に徐々に耳が慣れ、より課題の内容に意識が向くようになったと思います」と評価していた。

同世代のネイティブの考えに触れ、英語力を高める

 授業後、横浜雙葉の生徒2人に話を聞いた。

 酒井友希乃さん(高2)は「ネイティブの英語に触れるチャンスを生かしたいと思い、参加しました。合同授業は、少人数なので英語で話さざるを得ない環境にあり、力が付くと思います。学校の英会話の授業では話せても、サンモールの生徒とはうまく話せなかったので、自分の考えを伝えるには、習慣や価値観の違いを理解することが必要だと感じました。将来は国際的な仕事に就きたいので、英語は不可欠。積極的に参加して、もっと英語力を高めたいと思っています」と話した。

 松元沙彩さん(高2)は「せっかくすぐ隣にインターナショナルスクールがあるのに、関わることなく卒業するのはもったいないと思い、合同授業に参加しました。普段、英会話の授業で先生たちと話すことはあっても、多様なバックグラウンドを持つ同世代の人たちと英語で話す機会はなかなかありません。サンモール生同士の会話は聞き取るだけでも大変ですし、雙葉生も海外で生活していた経験があるなど、英語力が高い人が多いので、とても刺激を受けています」と話した。

 浅川教諭によると、若い世代が使う日常的な会話表現に触れる機会は少なく、その点、この合同授業は、同世代のネイティブがどんな言葉遣いをするか、自然な言い回しとはどんなものかを知る貴重な場になっているという。

生徒たちが記事を書く「YOKOFUTA GAZETTE」
生徒たちが記事を書く「YOKOFUTA GAZETTE」

 横浜雙葉は、このほかにも英語力を高める機会を豊富に用意している。海外研修ではシンガポールやマレーシアの姉妹校との交流ツアーや中3のオーストラリア研修、米国スミスカレッジの夏期英語研修プログラムなどを行っており、校内では、生徒が取材し、英語で記事を執筆する「YOKOFUTA GAZETTE」という英字新聞を発行している。また、専門的な論文を英語で読めるようアカデミックイングリッシュの指導にも積極的に取り組んでいる。

 こうしたさまざまな機会に挑戦する中で、生徒たちは自分の興味に気付いたり、日本に関する知識のなさを痛感したり、進路として海外の大学を意識するなど、自らの道を歩き始めるという。近年は進学先で研究に取り組む際、英語の論文が読めることが大いに役立っているとの卒業生の声を聞くこともあるそうだ。

 横浜雙葉の正門をくぐると、十月桜、エドヒガン桜、ソメイヨシノ、八重桜など、咲く時期が異なるさまざまな桜が並んでいるのが見える。これには花開く時期はそれぞれ違っていい、というメッセージが込められているという。

 「私たちの仕事は種をまくことです。いつどんな花が咲くか、在学中には分からないとしても、それぞれの時に開花する力を養っている自信はあります」と藤原校長は笑顔で話した。

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:横浜雙葉中学高等学校)

 横浜雙葉中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1077778 0 横浜雙葉中学高等学校 2020/03/02 05:21:00 2020/03/02 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200228-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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