【入試ルポ】「文武両道」のアピールで3.8倍…鎌倉学園

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 東京・神奈川の私立中学受験が2月1日、解禁され、鎌倉学園中学校・高等学校(神奈川県鎌倉市)でもこの日、1次入試と算数選抜入試が行われた。「文武両道」の教育を追求する同校を慕う受験生たちが集まり、1次入試の志願倍率は3.8となった。その手応えや受験生への期待を竹内博之校長に聞くとともに、試験前の風景をリポートする。

建長寺の外門を横目に試験場へ向かう

通学路添いに列を作り、受験生を激励する塾関係者たち
通学路添いに列を作り、受験生を激励する塾関係者たち

 午前7時過ぎ、受験生と保護者が続々とやって来始めた。鎌倉学園は、「鎌倉五山第一位」の建長寺境内に隣接している。普段の週末なら拝観者の人通りでにぎわう同寺の外門(そともん)をすぐ右手に見ながら、受験生たちが緊張の面持ちで正門をくぐっていく。

 正門前付近の通学路沿いには、中学受験塾の講師たちが塾名の入った小旗や、教え子に手渡す使いきりカイロを手に列を作っていた。講師たちは教え子を見つけては「気合だよ!」「いい顔をしているね、大丈夫!」などと激励していく。

 地元鎌倉で地域密着型の指導を展開する「すばる進学セミナー」の学習指導部長・田村紘邦さんは「試験の傾向が見えてくるまで、たくさん過去問を解いてきたので、いつも通りにできるよう、緊張をほぐす言葉をかけました」と話し、数人の教え子を見送った。

 「しっかり見直しをすること、いいね」と最後のアドバイスを伝える姿も見られる。啓進塾の専任講師・渡邉元気さんは「鎌倉学園は今回、国語の問題の形式が少し変わったので、資料の読み取りなど時間配分に注意するように言いました」と話す。「鎌倉学園は1次、2次、3次と3回受験した場合、繰り上げ合格を出す際に、各教科の一番良い点数に入れ替えて合計点を算出してくれます。入学意欲が高い生徒にとってはありがたい配慮です」

 CG啓明館の事業部長・渋田隆之さんは「2017年に1次試験を2月1日に変更したことで、第1志望の生徒が増えています。新校舎になったことに加え、野球部が昨年夏の神奈川大会でベスト8になったことや、弁論部の中3生が高校生の大会に出場して全国ベスト16になったことなど、鎌倉学園の『文武両道』に対する評価は高いので、倍率も高値安定しています。高校募集があるというのも、神奈川の男子進学校には少ない特徴なので、それをプラスに考えるご家庭も多いと感じています」と話した。

受験生や保護者にさまざまな配慮

試験前の緊張に包まれた教室
試験前の緊張に包まれた教室
読書やパソコン作業などをして試験終了を待つ保護者たち
読書やパソコン作業などをして試験終了を待つ保護者たち

 受験生と保護者らは、校舎に入ると正面の階段を上り、当日の入試案内を受け取って2階と3階に割り振られた試験場へと向かう。保護者はここから先へは入れない。教室へと向かう子供の肩をポンポンとたたいたりして励ました後、控室などへ向かった。

 この日の試験は国語・算数・理科・社会の4科目。国語と算数の試験時間は各50分で配点は各100点。理科と社会は各30分で、各60点だ。

 受験生たちは午前8時30分までに8教室の試験場に集合すると、点呼を受けてアンケートを記入。8時50分に開始のチャイムが鳴り、1科目目の国語の試験が始まった。科目の間に15分ずつの休憩を挟みながら午後12時15分まで挑戦が続く。

 この間、保護者たちの多くは、控室にあてられた5階のホールや、理科系の3教室で、読書やパソコン作業などをして静かに時を過ごしていた。

 この日は、午後から「算数選抜」の入試も行われた。午前の1次入試に続けて受験する子供たちが、間の時間も勉強できるように自習室を用意し、カフェテリアを午前10時30分から午後4時30分まで営業して校内で食事ができるようにするなど、学校のきめ細かな配慮がうかがえた。

 また、同校は、発熱や体調不良を訴える受験生のために、保健室をはじめ別室の試験場を3か所用意。保健室には養護教諭と看護師も待機していたが、幸いこの日、訪れた受験生はいなかったという。

「人間力を高めたい生徒にぜひ入学してほしい」

控室を訪れて保護者たちに言葉をかける竹内校長
控室を訪れて保護者たちに言葉をかける竹内校長

 2科目目の算数の試験が始まるころ、竹内校長と松下伸広副校長が、1次入試の受験者数などを伝えるため、保護者の控室を訪れた。竹内校長は保護者たちに「2月1日に、本校を受験してくださってありがとうございます」とお礼を言い、さらに「今、お子さんたちは一生懸命試験と向き合っています。普段と変わらぬ表情に見えても、目に見えない重圧と闘っているはずです。試験が終わったら思い切りほめてあげてください。1次入試の結果は本日の19時に発表します。万一にも間違いのないように3回見直しをして合否判定をしておりますからご安心ください」と言葉をかけた。

 この日の1次入試は、60人の募集に対して230人が応募し、志願倍率は3.8倍、実質倍率は2.7倍だった。

 竹内校長に受験生への思いを聞くと「人間力を高めたい生徒にぜひ入学してほしいと思っています。中高の6年間は、心身ともに大きく成長する大事な時期です。だからこそ勉強だけでなく、好きなこと、得意なことを磨いてほしいですね。私たちはそれを全力で応援します」と子供たちの成長へ期待を込めた。

 (文:山口俊成 写真:中学受験サポート)

 鎌倉学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1042698 0 鎌倉学園中学校・高等学校 2020/02/10 05:21:00 2020/02/10 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200207-OYT8I50057-T.jpg?type=thumbnail

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