将来の希望かなえる伝統の英語教育…城西川越

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 城西川越中学校・城西大学付属川越高等学校(埼玉県川越市)は、中3生全員を対象とするオーストラリアへの短期留学を行っている。このプログラムは、2017年に理事長に就任した新藤洋子氏が自らの体験から立案し、推進してきた留学制度をベースとして作られた。22年に中学校創立30周年、高校創立50周年を迎える同校の英語指導と今後の教育展開について、新藤理事長と田部井勇二校長に話を聞いた。

中学生のうちに、全員が海外を体験する

英語科の大内先生、新藤理事長、ジミー先生、ダニエル先生、田部井校長(左から)
英語科の大内先生、新藤理事長、ジミー先生、ダニエル先生、田部井校長(左から)

 「中学3年次に、『特別選抜クラス』の生徒は35日間、『総合一貫クラス』の生徒は10日間のオーストラリア留学に参加します。全員が、中学生のうちに海外に出る体験をするのです。現地の家庭に滞在し、語学研修だけでなくオーストラリアの文化に触れる機会を持ち、異文化理解やコミュニケーションの力を高めます」と田部井校長は話す。

 同校が力を入れている留学制度は、約35年前に始まったもので、アメリカの高校に正規留学をした新藤理事長が、自らの経験をもとに高校での米国留学制度を創設した。オーストラリア短期留学は、この米国留学を基に同校国際部の先生たちが中学版に進化させたものだ。

 「『本当の使える英語を身に付けるためには、やはり海外に出る必要がある』というのが、かつての理事長である私の祖父の代からの考えでした。私自身、アメリカ・オレゴン州の高校で学び、大自然の中で現地の方々と交流する貴重な機会を得ました。ぜひこの体験を、城西川越の生徒たちに伝えたいと考えるようになったのです」

 帰国して国内の大学に進んだ後、学校運営に携わるようになった新藤理事長は、自身がアメリカで培ったネットワークを基に、現地校と直接やりとりをする「手作りの留学」に取り組み始めた。「大都会ではなく、オレゴン州にあるような地方都市の素朴な生活を見てほしかったのです。滞在はホームステイ、学校に通って語学研修を行い、乗馬や水遊び、キャンプなどで現地の学生や住民と交流を図るという留学スタイルを、その頃に確立しました。留学で異文化に触れた生徒たちの表情は、本当に生き生きとしています」

 現在は、高校生の希望者を対象に、カナダに2週間ホームステイをする海外研修や、1年間の高校交換留学の制度も実施している。「留学前に行動計画を立て、帰国後に留学中の経験を文章にまとめて発表するという学習スタイルを、本校では伝統的に行ってきました。現在、自ら問題を発見し、解決する力を伸ばす教育が大切であるとされていますが、これはまさに、私たちが以前から推し進めてきたことと同一であると感じています」と田部井校長は強調する。

「トレンド(新風)よりもトラスト(信頼)」

 同校の英語教育の伝統の一つに、毎朝20分間の「英語リスニング」がある。田部井校長は、「集中力が高い朝の時間帯に、毎日継続して英語を聴くことで、聴く力を確実に養います。リスニング力が伸びると、話すときの発音が良くなると同時に、英語をいったん日本語に直すことなく、そのまま英語で理解する力が付きます」と説明する。

毎年開催している英語スピーチコンテスト
毎年開催している英語スピーチコンテスト

 英語の授業では、インターネットのテレビ電話システムSkypeを利用してオーストラリアの学校の生徒たちと会話するなど、国内にいても英語を話す機会をふんだんに設けている。同校ではアメリカ人のジミー・テトゥアヌイ先生、カナダ人のダニエル・ウェルエンド先生というネイティブの教師2人が指導にあたっている。2人は、中学生向けに『LEAG』(Learning English through Acting and Games)という同校オリジナルの英語テキストを作成し、アクティビティーを中心とした英語授業を展開しているという。また、全学年を対象に「スピーチコンテスト」を毎年開催していて、生徒たちは日頃鍛えたスピーキング力を競い合っている。

 「日本語を英語に訳すのではなく、生徒たちは最初から英語でスピーチ原稿を書きます。ネイティブの教師の指導を受けながら、英語ならではの言葉の選び方、構成の仕方などを学んでいるのです」と田部井校長は話す。

 もちろん、スピーキングやリスニングだけに特化した英語教育を行っているわけではなく、「文法」と「読解」にも十分力を入れている。将来、海外の大学に留学したり、仕事で英語を使うようになったりした場合、やはり正確な英語で論理的に読み書きする能力が問われてくるからだという。

オーストラリア研修旅行で現地の生徒たちと交流する
オーストラリア研修旅行で現地の生徒たちと交流する

 このほかにも、中学では国内でネイティブのキャンプリーダーとともに2泊3日の英語漬け生活を送る「アメリカン・サマー・キャンプ」、校外学習の際に外国人に英語でインタビューを行う「外国人インタビュー」など、英語に触れるさまざまな体験が用意されている。

 「本校は2022年に中学30周年、高校50周年を迎えます。これを節目として現在、生徒一人一人の意欲を育てる『意欲応援プロジェクト』を計画しているところです。英語教育のみならず、生徒が将来の希望をかなえるための多様な機会を提供したいと考えています」と新藤理事長は語る。

 田部井校長も「地元川越と一体で培ってきた歴史を大切にしながら、『トレンド(新風)よりもトラスト(信頼)』を指針として、強い子もシャイな子も、生きていくうえでの自信を作っていく場をたくさん与えたい」と、22年に向けた学校の充実に意欲を見せた。

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:城西川越中学校・城西大学付属川越高等学校)

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621978 0 城西川越中学校・城西大学付属川越高等学校 2019/06/07 05:21:00 2019/06/07 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190605-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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