「国内留学」で英語に親しみ、海外へステップアップ…跡見

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 跡見学園中学校高等学校(東京都文京区)は今年の夏休み、新たな国際教育の試みとして、山梨県の河口湖畔で英語合宿「Achieve English Camp」を実施した。実用英語技能検定の対策に重点を置いた内容だが、国内にいながら留学を疑似体験してもらうことが最大の狙いだ。この「国内留学」の意義や、その先の国際教育の取り組みについて聞いた。

日本語禁止で英語に慣れる「国内留学」

海外留学を疑似体験できる「国内留学」について説明する秋元副校長
海外留学を疑似体験できる「国内留学」について説明する秋元副校長

 「Achieve English Camp」は、中学生と高校生の希望者を対象に、河口湖にある東洋大学のセミナーハウスで行う短期英語学習プログラムだ。フィリピン、カナダ、オーストラリアの3か国に語学学校を運営する企業と提携し、同校独自の英検対策プランで、3級から準1級まで、生徒それぞれの目標やレベルに合わせた学習を行った。

 このプログラムを実施した背景を、秋元世史子副校長は「英語だけで生活することで、英語に慣れてもらうのが一番の目的です。留学はしてみたいけど、いきなり海外ではちょっと心配という人や、経済的に厳しいという人も少なくありません。河口湖は東京から近いですし、安心して気軽に参加できるのがメリットだと思います」と説明する。

 初めてとなる今年度は、7月21日からの13泊14日、7月29日からの2泊3日、8月1日からの2泊3日という三つの日程で募集し、中2から高2の、のべ51人が参加した。

 参加者はまずテストを受け、目標とする級別のクラスに振り分けられる。英語指導の資格を持つフィリピン人講師が指導にあたり、1日約10時間の授業で、普段の学習ではなかなか伸ばしにくいスピーキング力やライティング力を強化する。

 食事中や自由時間も、すべて日本語は禁止だ。期間中は教員の引率はなく、海外の学生寮と同じような環境の中で、生徒たちは英語漬けの毎日を過ごす。フレンドリーな外国人講師たちと親しく接しながら、実践的な生きた英語や、学校の授業にも応用できる英語力を身に付けていく。

「国内留学」で、外国人講師と親しく接しながら実践的な英語を身に付ける
「国内留学」で、外国人講師と親しく接しながら実践的な英語を身に付ける

 週末にはサイクリングやテニスをしたり、近くの美術館に出かけたりもする。自然の中で思いきりレジャーを楽しめるのも河口湖という場所ならではの魅力だろう。

 「1週間たった頃に様子を見に行きましたが、生徒たちが皆楽しんでいて、生き生きと英語を話していたのが驚きでした」と秋元副校長は笑顔を見せた。

 2週間のプログラムに参加した中2の生徒は、「文法が分からなくて授業についていけなくなり、英語に苦手意識を持っていましたが、なんとか克服したいと思い、母にも勧められて」と参加の動機を話す。

 「最初はまったく英語が聞き取れなかったのですが、私が伝えようとしていることを外国人の先生が()み取り、英語でどう言うのか丁寧に教えてくれました。先生たちと授業以外でも卓球をしたり、ペットや恋愛のことなどを話したりするうちに、どんどん自分から積極的に話せるようになったんです。『英語をもっと勉強したい』と母に話したら、『変わったね』と喜んでくれました」と目を輝かせた。現在は英検3級合格に向けて猛勉強中だ。

 参加した生徒たちの変化を、秋元副校長は、「英語で話すことが怖くなくなり、自信がついたようです。学校の活動にも積極的になりましたね。また、海外留学への興味関心も高まっていると感じます。海外で困ったことがあっても、何とかできる精神力やコミュニケーションの力を在学中に身に付けてほしいですね」と語った。

英語学習の意欲を高める多彩な海外研修

「ニュージーランド体験留学は、豊かな自然に触れながら異文化体験できる」と話す和田教諭
「ニュージーランド体験留学は、豊かな自然に触れながら異文化体験できる」と話す和田教諭

 同校には、国内留学などで身に付けた英語力や自主性を海外で試せる多くの機会がある。希望者を対象に、ニュージーランドをはじめ、姉妹校のあるオーストラリアやアメリカ、イギリスへの海外研修や留学制度が用意されている。

 最初のステップとなるのが、中1・2生を対象としたニュージーランド体験留学だ。春休みの7日間、ニュージーランド北島のオークランド近郊で実施される。日程のうち4日間は、4人程度のグループごとに農家でファームステイする。農作業の手伝いをしたり、ホストファミリーと交流を深めたりしながら、海外での生活を体験し、異文化に触れる。また、現地の学校で生徒たちとの交流する場も用意されている。国際交流主任の和田俊彦教諭は、「ファームステイにこだわった理由は、豊かな自然に触れながら異文化体験できるということ。ある生徒は、この間まで牧場で飼育していた牛をステーキにして食べたという話もしていましたね。自分が食べているものが、どこからどのようにくるのかということも実感できたようです」と話す。

 高校では、三つの海外研修・留学が用意されている。一つは、高1・2生を対象とした16日間の「夏期海外語学研修」。オーストラリア・ブリスベンにある名門校「St.Rita’s College」との姉妹校交流プログラムだ。英語力だけでなく、学習意欲も選考の基準となる。現地ではホームステイし、ステイ先の生徒と一緒に受ける現地の学校の通常授業や、跡見生だけで行う語学の授業があり、日本語の授業に参加して現地の学生に日本語を教える機会も用意されている。

オーストラリアの姉妹校の生徒たちとの交流プログラム
オーストラリアの姉妹校の生徒たちとの交流プログラム

 もう一つは、高1・2生を対象に、7月末~9月の約10週間で実施する「ターム留学」。2015年に始まったこのプログラムは、より長期にわたって現地での生活を体験し、飛躍的な英語力の向上を目指すのが目的だ。オーストラリア、ニュージーランド、アメリカの3か国にある提携校4校から留学先を選択できる。今年は7人が参加した。

 最後は、跡見学園女子大が提携する英国国立スターリング大学での「海外語学研修」。夏休みの24日間と春休みの15日間、大学で寮生活を送りながら、高校生向けの学習プログラムで英語力を養う。スコットランドの自然に囲まれた美しいキャンパスで、異文化に触れ、留学の醍醐(だいご)味を味わえるのもこのプログラムの魅力だ。

英語力より意欲重視、海外進学へ推薦入試制度

 このほか今年から、中高での海外体験を海外進学にも生かせるよう、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの40校の協定大学に推薦する「協定校推薦入試制度」を導入した。各大学が設ける一定の成績基準はあるが、生徒の向学心や学習意欲がより重視される。返済不要の奨学金制度もあり、コーディネーターによる学校選択の相談から複雑な渡航手続きの代行、留学中のアフターケアまで、手厚いサポートが受けられるのもメリットだ。

 「説明会への参加者も多く、留学への関心は高いと感じました。昨今、日本の留学生はアジアのどの国と比べても少ない。語学力はもちろんですが、もっと海外に出ていろんな文化を知ってもらいたいです」と秋元副校長は期待を寄せる。

 グローバル社会と言われる今日、海外に出て異文化に触れた経験や身に付けた力は、必ず大きな武器になる。秋元副校長は、「これらのプログラムを通して、英語だけでなく、自ら考え行動する主体性を備えてほしい。学校として、その後押しをしていきたいと思います」と力を込めた。

 (文・石井りえ 一部写真提供:跡見学園中学校高等学校)

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971484 0 跡見学園中学校高等学校 2019/12/26 05:21:00 2019/12/26 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/12/20191225-OYT8I50042-T.jpg?type=thumbnail

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