独自のeラーニングシステムで生徒の学習意欲向上と海外大志向を後押し…八雲学園

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 八雲学園中学校高等学校(東京都目黒区)は、今年度から独自のeラーニングシステム「YES」を導入し、さらなる英語力の強化を図る。同様に今年度に加盟した「海外協定大学推薦制度(UPAA)」による海外大学の推薦入試にも、「YES」を使ったe-ポートフォリオなどの情報で出願が容易になるという。同校を訪ねて「YES」を使った英語の授業を取材し、導入の狙いや成果について英語科主任の近藤隆平先生に聞いた。

一人一人のレベルに対応できる総合英語学習システム

「YES」のメリットと「UPAA」について説明する英語科主任の近藤先生
「YES」のメリットと「UPAA」について説明する英語科主任の近藤先生

 グローバル教育に力を入れる同校は、卒業時までに、語学力の国際標準規格「CEFR」のC1レベル(熟達した言語使用者)に到達することを目標に、生徒の英語力を磨いてきた。

 そのために、レシテーションコンテストや「英語祭」などの学内行事を始め、アメリカのサンタバーバラにある学校の研修施設「八雲レジデンス」を拠点とした海外研修や留学プログラム、国際私立学校連盟「ラウンドスクエア」の国際会議など、さまざまな機会を充実させてきたが、これらを補足してさらに効果的なものとする学習法を検討してきた。

 「個々の生徒の能力に合わせて個別に対応できる総合的なシステムがあれば、一人一人の力をさらに伸ばすことができるのではないかと考え、本校独自のeラーニングシステム『YES』を導入したのです」と近藤先生は背景を話す。

 「YES」の名称は、「Yakumo English:Gateway to Success(八雲の英語 成功への道)」の頭文字から取っている。生徒全員が所有しているタブレットPCやスマートフォンなどを利用し、割り当てられた自分のアカウントで「YES」にアクセスする。システム内には、中1から高3までに学習する英語の練習問題やテストなどのコンテンツが収められており、授業で活用したり、自宅での宿題あるいは自主学習に使ったりすることができる。

 「YES」にはまた、学校の英語教材だけでなく、実用英語技能検定やTOEIC、TOEFL、IELTSといった英語資格試験の対策問題も収められており、受検前にオンライン上で模擬試験を受けることが可能だ。

 「学習の進度や成績はリアルタイムで記録され、教師は誰がどこまで進んでいて、どれくらい正解しているか、一覧表で確認することができます。進度が遅い生徒には、随時声がけして励ますといったことが可能なのです」と、近藤先生はメリットを話す。

 「YES」のアカウントは保護者にも割り当てられていて、子供の学習状況を確認することができるため、家庭での学習指導や保護者面談などでも共通の認識に立って話し合うことができるという。

繰り返し学習で単語を完璧に覚える

「YES」を活用した中1の授業
「YES」を活用した中1の授業

 八雲学園の英語の授業は中1で週9時間、中2以上は週に10時間あり、「A(文法の基礎を学ぶ)」「B(タブレットPCを活用し、4技能を習得)」「C(ネイティブの教師によるオールイングリッシュの授業)」「D(読解力向上)」という4タイプに分かれている。

 6月30日に取材した「YES」による中1の英語の授業は、タブレットPCを利用した「B」の授業に当たる。同校では全員がキーボード付きのタブレットPCを持ち、学校や自宅で活用している。近藤先生は「タイピングに慣れてもらうために、やはりキーボードが必要であると考えました」と話す。

 中1はまだ英語の読み書きを始めて日が浅いこともあり、この日は単語のつづりや意味の確認、簡単な応答文の作成などを行っていた。同校では毎日「Today’s Words(今日の単語)」としてその日に覚えるべき単語を決めている。週に1回確認のための朝テストがあり、中3までに1800語覚えることを目標としているそうだ。

 この日の「Today’s Words」は「India」「China」「Thailand」といった国名だった。生徒たちはタブレットPCで「YES」を開き、「New Zealand」「Australia」など、さまざまな国名のつづりを完成させていく。答えを入力すると「YES」が自動的に採点し、次へ進む仕組みだ。

 一人一人の生徒の進め具合を、近藤先生は手元のパソコン画面で確認している。途中で止まってしまっている生徒がいればすぐに分かるので、その場で生徒の疑問を解消してやれる。「不正解だった問題は保存され、また後から挑戦することができます。正解できるまで何度でも同じ語にチャレンジすることで、重要な単語を確実に増やしていきます」

 「YES」を使った授業を体験している中3の春日(りく)君と細井ゆらさんに感想を聞いた。春日君は、英語が得意というわけではなかったが、「同じ単語を『YES』で何度も練習するうちに、完璧に覚えられるようになってきました」という。「勉強すればするほど、マイレージがたまっていく仕組みになっているんです。それが楽しみで、家でもやるようにしています」

 細井さんは、英語でアトラクションや展示を行う「英語祭」で、英語に興味を持つようになったという。「今は英検準2級合格を目標として、『YES』で過去問を解いています。いつも身近なところにあって、気軽に利用できるところがいいですね」

 春日君は理数系の志望だが、大学受験に向けて「YES」で英語資格試験の準備を進めたいと考えている。細井さんは、将来英語を使った仕事に就くという目標があり、海外大学進学にも興味があるそうだ。

海外協定大学推薦制度で海外大進学を容易に

海外研修や留学プログラムも充実している
海外研修や留学プログラムも充実している

 同校は「YES」の導入と同時に、「海外協定大学推薦制度(UPAA=University Partnerships for Alternative Admissions)」に加盟した。生徒は、「YES」に記録される高校時代の成績や英語資格試験のスコア、さらにe-ポートフォリオの情報などによって、海外の協定大学の推薦入試を受けることができる。自分で書類をそろえて海外の大学に願書を送る手間がかからず、海外大学に進学しやすい環境となった。

 現在、イギリスのマンチェスター大学、ニューカッスル大学、アメリカのコロラド州立大学、オレゴン州立大学など20校の海外大学が協定校となっており、日本国内の大学と併願し、3月の合格発表を待ってから、日本と海外どちらの大学に進むか決めることも可能だ。

 「『ラウンドスクエア国際会議』で他国の高校生と意見交換をするうちに、日本だけでなく海外を拠点として学ぶというビジョンを持つ生徒が増えてきました」と近藤先生は語る。「UPAAは、そういった生徒たちの希望をかなえやすくする制度です。将来グローバルに活躍するための機会を、より一層広げていきたいと考えています」

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:八雲学園中学校高等学校)

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1384389 0 八雲学園中学校高等学校 2020/08/04 05:21:00 2020/08/04 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200803-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

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