【入試ルポ】関西圏 試験開始直前の教室から…洛星

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 関西2府4県の私立中学入試が1月19日に始まった。京都の難関男子校、洛星中学・高等学校(京都市)も、この日の午前中に入試を行った。緊張の朝を迎えた受験生と保護者らの表情や、同校の許可で特別に入室した試験直前の教室の様子をリポートする。また、阿南孝也校長に今年の入試についての話を聞いた。

開門前に講堂で塾ごとの最終チェック

開門前に控室の講堂へと向かう受験生と保護者たち
開門前に控室の講堂へと向かう受験生と保護者たち

 開門30分前の午前7時、京都市北区の洛星中学・高等学校前には多くの受験生と保護者が集まってきていた。塾関係者が旗を持って並び、教え子を見つけては激励の言葉をかける。

 この日の最低気温は0・7度と冬の京都らしい冷え込みだ。開門時間などの時間設定が他校より30分から1時間早めなので、防寒対策は気になるところだが、同校は試験会場の校舎と道路を挟んで立つ「ヴィアトール講堂」を、午前6時半から控室として開放している。暖房も利いているので、受験生たちは寒い路上で待たなくて済む。

 受験生たちと一緒に講堂内に入ると、既にかなりの数の受験生たちが待機していた。この控室は塾関係者にも開放されていて、塾ごとに掲げた旗の周りに受験生たちが集まっている。講師たちは受験票の確認など最終チェックに忙しげだ。中には教え子を集めての直前アドバイスをしたりして、ミニ講座と呼べそうな姿もあった。

試験直前、激励の放送と細かな注意事項説明

 開門時間が近づき、受験生のグループが塾ごとに列を作って整然と講堂から校舎へと向かった。予定時刻の7時30分に試験会場がある校舎東側にある正門が開く。校舎前まで進み、入場時間の7時40分にドアが開くのを待って一緒に中へ。出迎えに立った阿南孝也校長が、受験生一人一人の顔を見てあいさつしている。ちなみに本来、受験生以外は校舎内に立ち入れないのだが、今回は取材のため特別に許可を得ている。

講堂では教え子を集めて、直前アドバイスを行う風景も
講堂では教え子を集めて、直前アドバイスを行う風景も
試験教室で注意事項を聞き、開始を待つ受験生たち
試験教室で注意事項を聞き、開始を待つ受験生たち

 教室集合の8時少し前に、試験監督の先生による説明が始まった。試験番号札を洋服の胸に貼る、本人確認が済むまでマスクを外す、スマートフォンや携帯電話は電源をオフにする、時計のアラームは切っておくなどの説明を聞きながら、受験生たちは上着を脱いだり、持ち物を確かめたりしていた。

 8時5分に校内放送が入り、阿南校長から激励の言葉が贈られた。「明日は大寒と言って一番寒い日です。昨日から教室を準備し、朝から教室を暖かくしておきました。みなさんが本校に受験にきてくれてうれしい。みなさんが持っている力を十分に生かせるよう神様にお祈りしました」

 8時10分に放送が終わると、試験監督の先生が、「分からんことあった?」と念を押した。すると受験生から「試験用紙を持ち上げてはいけないのはなぜですか」という質問があり、先生は「後ろの人に見せることができるからです。やましいことがなくても試験中にポケットに手を入れたら、何が入っているのか先生は聞きます。不正行為と思われるようなことはしないように」と言葉を足した。意外なほどに説明が細かいのも、受験生たちに無用な疑念や不安を抱かせないための配慮だろう。

 8時30分。試験開始の合図とともに受験生たちはいっせいに答案用紙に鉛筆を走らせ始めた。

校長に聞く、今年度の受験と合格後のこと

 試験が始まった教室を離れ、校長室で阿南校長に話を聞いた。

――今年度の受験について、何か特徴的なことはありますか。

入り口で受験生を迎える阿南孝也校長
入り口で受験生を迎える阿南孝也校長

 出願者数、倍率に大きな変化はありませんでした。ただ、昨年度の関西の入試解禁日の日程が13日だったのに対して今年は19日ですから、学校にとって入試までの準備に余裕があり、良かったように思います。受験生にとっても日程的な余裕があってよかったでしょう。

 今日は雪が降らず、学校の前の道路も凍結しなかったので一安心しました。体調不良やインフルエンザを理由に別室で受験する生徒もいなかったと聞いています。受験生が力を出し切れるよう願っています。

 

――入り口で受験生を出迎え、放送で語りかけましたが、毎年のことですか。

 校長になってから毎年、同じように入り口で受験生を迎えています。見学会では校内のチャペルで私が説明をします。40席ほどですので一人一人の顔を見てお話しできます。今朝も、見覚えのある受験生がたくさんいました。学校見学会やオープンスクールなど学校行事へ参加した方の話から、みなさん学校への理解を深めた上で受験していただいていると理解しています。

 

――新入生の保護者と個別に面談をしているのですか。

 明後日の合格発表では、入学手続きの書類を私が手渡しします。その後、入学までに保護者との面談も行っていきます。1月の終わりから2月にかけ1週間くらいかけて、全新入生の保護者と個別にお話しする時間を持っています。

 本校は、カトリック精神に基づく全人教育を目標に掲げる学校です。神様は一人一人を愛してくださいます。私たちの学校も、生徒一人一人を見守る学校として、その思いを形にしています。

 校長室を出たのは8時40分。受験生たちの試験はまだ始まったばかりだ。控室の講堂に足を運ぶと、保護者たちは椅子に座り、本を読んだり、スマホを見たりして皆静かに試験終了を待っていた。

 その中で、自身は公立中学で学んだという受験生の父親は、息子の学校選びのため洛星を見学し、教育環境や教育方針を聞く中で、「ぜひ息子を洛星で学ばせたい」と思いを固め、親子で頑張ってきたという。

 小さな受験生たちがみな希望の学校に合格できるように、祈りながら同校を後にした。

 (文・写真:水崎真智子)

 洛星中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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416375 0 洛星中学・高等学校 2019/01/31 16:41:00 2019/01/31 16:41:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190131-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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