心をつなぐ国際交流で他者への貢献を考える…立教女学院

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 立教女学院中学校・高等学校(東京都杉並区)は、五つの海外姉妹校との交換留学制度を始めとして、さまざまな国際理解プログラムを展開している。その目標は「世界で起きていることを自分の問題としてとらえ、その解決のためにどのように貢献することができるかを考える」ことにあるという。アメリカからの交換留学生と、「ホストシスター」を務めた3人の生徒が行ったオンラインの会話の様子から、同校の国際理解教育を紹介する。

手作りで広げてきた姉妹校との交換留学制度

国際教育主任の藤井先生(左)と国際交流主任の山本先生
国際教育主任の藤井先生(左)と国際交流主任の山本先生

 立教女学院にはアメリカ、ニュージーランド、フィリピンに合わせて5校の姉妹校があり、長期・短期の交換留学が行われている。「まず、フィリピンの高校との交流が1990年に始まりました。その後生徒たちのニーズの高まりに応えて姉妹校を増やし、現在は中高の教室の中に留学生がいるのが日常的な光景となっています」と、国際交流主任の山本純先生は話す。

 立教女学院の英語名は、11世紀にスコットランドの王妃となった聖マーガレットに由来する「St. Margaret’s Junior & Senior High School」だ。同校は、同じく聖マーガレットの名前を持つ海外の学校と率直に意見交換できる関係を築いて国際交流を発展させてきた。「新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校期間には、本校に留学中だったアメリカからの生徒の受け入れを継続するかどうか、先方の学校と緊密に連絡を取り合って両校で考えました。今回、無事に所定の受け入れ期間を終えることができたのは、交流先の学校との信頼関係があったからこそだと考えています」

アメリカの交換留学生と生徒3人が「Zoom」で交流

体育祭などの学校行事に積極的に参加するソフィアさん(中央)
体育祭などの学校行事に積極的に参加するソフィアさん(中央)

 アメリカ・テキサス州のオースティンにある姉妹校「St. Stephen’s Episcopal School」に通うソフィア・ホーソーンさんは交換留学生として来日し、昨年8月から今年6月まで立教女学院高校の生徒として過ごした。ホームステイの受け入れ先として「ホストシスター」となった、いずれも高2の猪野(いの)桃子(ももこ)さん、本間(ほんま)夢果(ゆめか)さん、秋山(あきやま)凛咲(りさ)さんの3人が8月6日、自宅からビデオ会議システム「Zoom」で、帰国したソフィアさんと日本での思い出を語り合った(以下、敬称略)。

 ソフィア:日本はいろいろ決まりに厳しい国だと聞いていたのですが、ホストファミリーの人がみんなやさしくて、楽しく過ごせました。

 猪野:中学3年次にフィリピンの姉妹校からの留学生を受け入れたことがあり、アメリカの文化についても理解したいと思ってホストファミリーに立候補しました。ソフィー(ソフィアの愛称)は日本に来てから本格的に日本語の勉強を始めたのですが、どんどんうまくなっていって、私も英語の勉強を頑張らないと、と思いました。

 本間:ソフィーとはバドミントン部でも一緒でした。部活の生徒たちでごはんを食べに行ったり、最後に写真アルバムを作って送ってあげたり、楽しい思い出がたくさんあります。

 秋山:ソフィーとアメリカの政治や文化について話す機会がありました。猪野さん、本間さんのあと、うちに来た頃にはソフィーの日本語はとても上手になっていましたが、私のために英語で話す時間を作ってくれました。

ソフィアさんとのZoomお別れ会で、教職員やホストファミリーが集まって別れを惜しんだ
ソフィアさんとのZoomお別れ会で、教職員やホストファミリーが集まって別れを惜しんだ

 ソフィア:日本人がお箸を使うのは知っていましたが、料理する時にも長いお箸を使うのには驚きました。

 猪野:ソフィーはすごくお料理が上手で、アメリカの感謝祭の日には、うちでアップルパイを作ってくれました。

 本間:うちでは、ソフィーが一人でおみそ汁を作っていましたね。お正月には家族みんなで初詣に行って、一緒におせち料理も食べました。

 秋山:うちではタコスを作ってくれました。アメリカ人の食べる本格的なタコスがどんなものか分かりました。

 ソフィア:日本語は間違えることもたくさんあったけれど、間違えないと上達しません。やりたいと思ったことは、怖がらず、まずやってみることが大事なんだと思いました。

 猪野:私も勇気を出してホストファミリーをやってよかったです。外国人と話す時は、ポジティブに考えて行動するのが大事なんだと分かりました。

 本間:違う文化に接することの大切さに気付きました。将来は留学して、国際関係について学んでみたいと思っています。

 秋山:大学に進学しても英語の勉強を続けたいと思います。ソフィーと話をして、ぜひアメリカに留学してみたいと思うようにもなりました。

世界で起きていることを自分の問題としてとらえる

 国際教育主任の藤井香代先生によると、海外姉妹校との交換留学制度を始めとする同校の国際理解教育の目標は、「世界で起きていることを自分のこととしてとらえ、平和な社会を作るのに貢献する意識・態度・力を身に付ける」ことだといい、学校説明会などでも紹介している。キリスト教学校である同校では、国際理解教育もまたキリスト教の精神に基づく人間教育と位置付けられている。「単に英語力を伸ばす、海外事情を知るといったことではなく、平和な社会を作るためにどのように貢献することができるかを考える機会としています」

 国際理解の基本となる英語の授業は、中高6年間を通して少人数制の習熟度別授業が行われ、抵抗なく英語で発信する姿勢を養っている。そのうえで、交換留学以外にも英語学習・国際理解の場となるさまざまなプログラムが用意されている。

 中1、中2では希望者を対象に、学校で夏休み中の4日間、「サマーイングリッシュプログラム」を開いている。外国人講師の指導で英語のリスニング、スピーキングをトレーニングし、英語を使うことの楽しさを発見する。

中3~高2が夏休みに実施するエンパワーメントプログラム
中3~高2が夏休みに実施するエンパワーメントプログラム

 中3、高1、高2は夏休みの5日間、海外から来日する大学生や留学生とともにディスカッションやミニプロジェクトを行う「エンパワーメントプログラム」に参加する機会がある。「SDGs(持続可能な開発目標)」について学んだ際は、「文化祭をサステナブル(持続可能)なものにするにはどうすればいいか」や「ジェンダーの平等を達成するために自分たちにできることは何か」といったテーマでディスカッションしたという。

 このほか、アメリカのカリフォルニア大学デービス校で学ぶ短期留学で、さまざまな人種や宗教の価値観に触れ、日本の日常生活ではあまり意識することのない「多様性」について理解を深めたり、ユネスコスクール加盟校として、国際支援の現場を見る「高校生カンボジアスタディツアー」に参加したりする機会もあるという。「自分たちが学んだことを、他者のためにどう生かすかを考える意識が、確実に育っていると感じています」

 この日、「Zoom」で交流した本間さんと秋山さんは「サマーイングリッシュプログラム」の参加者だ。ともにソフィアさんのホストシスターを務めたことで「学んだことをさらに発展させることができた」と言う。猪野さんはどちらかというと人見知りな性格だったそうだが、「今回、挑戦することの大切さに気付きました」と話した。

 4人のオンラインでの会話に立ち会った山本先生は、「コロナ感染拡大の影響もあったなか、自分の体験をポジティブに語れる皆を誇りに思います。4人がこれからも交流を続け、日本とアメリカをつなぐ懸け橋となってほしいと願っています」と話す。藤井先生も、「これからも、平和な社会を作るために共に歩む仲間として、心と心の交流を深めていってほしいと思います」とし、ともに交流の持続と深まりに期待を込めた。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:立教女学院中学校・高等学校)

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1509285 0 立教女学院中学校・高等学校 2020/09/30 05:01:00 2020/09/30 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200929-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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