英・数・理を英語で学ぶ「インターナショナルコース」…聖ドミニコ

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 聖ドミニコ学園中学高等学校(東京都世田谷区)は今年度、「インターナショナルコース」と「アカデミックコース」の2コース制を開始した。いずれも生徒の創造性を育む「21世紀型教育」を目指しているが、「インターナショナルコース」は英語・数学・理科をオールイングリッシュで教えるというユニークな教育体制を取っている。石川一郎カリキュラムマネージャーとインターナショナルコース担任の平橋美紀教諭に、このコースの特長や生徒の受け止め方を取材した。

PBL型教育を重視した2コース制を開始

新しいコース制の狙いについて話す石川一郎カリキュラムマネージャー
新しいコース制の狙いについて話す石川一郎カリキュラムマネージャー

 聖ドミニコ学園は2019年度から「21世紀型教育」を開始し、新時代に活躍する生徒を育てるため「インターナショナルコース」と「アカデミックコース」の2コースを設置した。

 カリキュラムマネージャーの石川氏は、その狙いをこう話す。「新しいコース制の土台にあるのは、『Sustainability(持続可能性)』『Design(デザインする)』『Connect(つながる)』の三つの精神です。長期的な視野に立ったサステナブルなものの見方、ひらめきや思考を表現できるデザイン力、対話によって物事を解決するつながる力とその基礎になる語学力。この三つを育てることが目標です」

 石川氏によると「インターナショナルコース」は英語、数学、理科の3教科でイマージョン授業を行い、「アカデミックコース」は世界標準の学びを実現するという。どちらのコースも、「PBL(問題解決)型」の教育を中心に据え、対話を通して課題の解決を目指す自発的な学習で創造性を育むという点では共通している。

 2019年度のインターナショナルコース生は17人だ。授業は英語が週6時間、理科と数学がそれぞれ週4時間、計14時間の授業をすべて英語で行っている。授業を担当するのは、インターナショナルスクールなどで豊富な指導経験を持つネイティブの教員2人だ。1人が英語と数学を担当、もう1人が理科を担当し、従来の日本的な学習スタイルとは異なる視点・発想で高い創造性を養うという。

 ネイティブの教員2人と日本人の教員が毎週2回、カリキュラム作りを行う。ネイティブの教員からの提案は、どれも思考力・判断力・表現力を育てるアイデアにあふれていて、日本人の教員も新たな刺激を受けているという。

科学的思考を重視し、思考力・判断力・表現力を養う

インターナショナルコース担任の平橋美紀教諭
インターナショナルコース担任の平橋美紀教諭

 インターナショナルコースの授業は、英語イマージョン教育という以外にも特徴がある。科学的な思考プロセスである「Observation(観察)」「Inference(推論)」「Prediction(予測)」の3段階を重視していることだ。

 「理科授業の導入では、泣いている赤ちゃんの写真を見て、どうして泣いているのか、なぜ泣いているのか、この後どうなるのか、をグループワークで考えました。事象を観察し、原因・理由を考え、その後どう変化するかを考えて、予測し、発表する。それが論理的、科学的な思考を促し、答えのない世界で未知の状況に対応する力を育てると考えています」とインターナショナルコース担任の平橋美紀教諭は説明する。

 実験のリポートでも、例えば植物を観察する際、色・形・匂いはどうか、触った感触はどうかなど、五官で感じたことを英語で表現することによって、英語力とともに、思考力・判断力・表現力も養う。

 各科目では、ユニットごとに単語リストが渡され、意味と例文を英語で予習できる。授業では帯活動で例文をディクテーション(書き取り)し、授業で使う英語に戸惑わない工夫がされている。また、英語の授業でも、語幹を分解してイメージさせたり、動画を見て質問に答えたり、単語の復習をする時間を設けて学習をサポートしている。

五官で感じたことを英語で表現した植物観察のリポート
五官で感じたことを英語で表現した植物観察のリポート

 ある生徒は「入学前はついていけるか不安もありましたが、困ったらすぐに質問できますし、分かりたい、分かるようになりたいと思って授業に参加していれば、理解できるようになると今は実感しています」と話す。

 ただ、英語で学び続けることは簡単ではない。1学期初めには、保護者から、子供が毎晩遅くまで机に向かっていて心配だという声も聞かれたそうだ。

 「宿題は確かに多い。生徒たちはとても努力していると思います。ですが、知らないワードがあると授業の流れに乗れないと分かっているので、生徒たちは授業で楽しく学ぶための準備として宿題に取り組んでいるようです」と平橋教諭は見る。

 生徒も「理科などは専門用語が多いので、自分でしっかり調べるようにしています。日々の宿題は英語でやるものが多いので、どのようにやったかなどクラスメートとおしゃべりしたり、教え合ったりする朝やお昼の時間がとても楽しいです」と話す。

二つのコースを交流させ、進路もグローバルにサポート

世界の花について作成したポスター
世界の花について作成したポスター

 平橋教諭は「PBL型の授業が増えて、生徒の発表も洗練されてきました。グループワークがベースとなっており、教室ではいつも活発なディスカッションが交わされています」と話す。

 夏のオープンスクールでは、来場者に向け、生徒が2人1組で世界の花についてプレゼンテーションした。また、プレゼンテーション後には、ブースで来場者の質問に答える時間も設けていた。内容を決め、構成や展開を練るだけでなく、質問された時のために想定問答も用意して臨んだ。

 平橋教諭は「生徒たちは大きな達成感を得ていたようです。1学期の中でも自信になった授業の一つでした」と話す。当日のプレゼンテーション資料が廊下に展示されていたが、どれも生徒たちの創意工夫に満ちていた。

 今後の展望について石川氏は「二つのコースの横の交流も促しながら、未来を創造する力を得てもらいたいと思っています。進路も国内に限らずグローバルな活躍をサポートしたい」と話す。

 「ミッションスクールの長所として、与えられた生命を世の中のために使いなさいという教えが浸透しています。そのマインドを生かすためにも、対話を通して語学力と思考力・判断力・表現力を磨いてほしいと願っています」

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:聖ドミニコ学園中学高等学校)

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