【入試ルポ】首都圏の先陣切って埼玉でスタート…狭山ヶ丘

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 首都圏の他都県に先駆け、埼玉県で1月10日、私立中学受験がスタートした。同県入間市の狭山ヶ丘高等学校付属中学校でも第1回目の入試が行われ、40人の募集人員に対して118人が出願した。初陣に臨む受験生と保護者、応援にかけつけた塾講師らの緊張の一日をリポートする。

塾講師の顔を見て、顔がパッと明るくなる

狭山ヶ丘は単願で志す受験生も少なくない人気の進学校
狭山ヶ丘は単願で志す受験生も少なくない人気の進学校

 午前8時前、一番乗りの受験生がやってきた。集合時間は午前8時40分だから、十分なゆとりだ。校門をくぐった瞬間、「あれ?」といった表情が浮かび、周囲を見回した。校門の内側には、教え子に声をかけるために方々から集まった十数人の塾講師たちがずらり。その視線を一斉に浴びたからだろう。

 「何校か複数受験する生徒が多いのですが、たいていの子にとって、今日が初めての試験日。一人でも知っている顔があると、ほっとするはずです。少しでも気持ちをほぐしてあげることができればと思い、やってきました」と、大手塾「四谷大塚」の所沢校舎で教える安井洋裕先生は話す。教え子の女子生徒と保護者がやってきた。安井先生を見つけると、顔がパッと明るくなる。安井先生は教え子と握手をしながら、「落ち着いて。ケアレスミスにさえ気を付ければ合格できる」と声をかけた。

 狭山ヶ丘高等学校は毎年、50人以上を国公立大学に送り出す進学校だ。校地は入間市の住宅街の中にあり、隣接する川越市や狭山市などの各所から無料スクールバスが出ている。アクセスの良さもあり、「ぜひこの学校に入りたい」と、単願で志す受験生も少なくないそうだ。

 地元、狭山市で学習塾「進学教室helm」を開く坂泰之先生は、狭山ヶ丘を第1志望とする生徒の応援にやってきた。「狭山ヶ丘の中学の指導には定評があります。今日の試験では、普段、教室で学んだことを、そのまま生かしてくれれば、と願っています」。この日のために用意してきたお菓子やマスコット人形を詰めた手製のお守りを手渡されると、教え子の顔がパッとほころんだ。

 狭山ヶ丘は2019年度募集で、1月10、12、16日、2月6日の計4回、中学受験日を設けている。この日の第1回は、40人の募集人員に対して118人が出願した。

 試験科目は「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科で、面接は行わない。2回以上受験すると受験料の割引があるため、2~4回分の受験料をまとめて支払う受験者も多いという。「1回目が駄目でも2回目があると思えば、気持ちにゆとりが生まれます」と坂先生は話す。「子供たちにとって、今日は人生で初めての受験でしょうが、肩の力を抜いて取り組んでほしいと思います」。

中学受験は、保護者と子供の二人三脚

「保護者の熱意に敬意を表したい」と語る山﨑教頭
「保護者の熱意に敬意を表したい」と語る山﨑教頭

 狭山ヶ丘の山崎正和教頭は、この日、早くから校門に立って受験生たちの到着を見守っていた。「本校の試験は、基礎・基本を重視した、バランスの取れた問題になっています。事前の説明会で入試の傾向をじっくり説明しているので、それを聞いて来てくれた受験生にとっては、決して難しいものではありません」

 2020年から始まる大学入学共通テストで記述式の問題が導入される。同校の入試問題もこれに備えて、単純な知識を問う問題から思考力を問う問題に移行しつつあるという。「記述式問題については、45字程度の比較的長い答えを求める問題を増やしており、この傾向は今後も変わりません」と山崎教頭は話す。

 こうした傾向は普段の授業でも取り入れられ、グループごとに話し合い、意見をまとめ、発表する、あるいは教材について生徒同士で構想を練り、授業を作るといった生徒の主体性を重視する内容になっている。また、定期考査でも長い論述問題を増やす傾向にあるそうだ。

校門の内側で、激励に駆けつけた塾講師らが教え子の到着を待つ
校門の内側で、激励に駆けつけた塾講師らが教え子の到着を待つ

 なお、同校は「自学自習」を主要な教育方針とし、生徒たちが夜まで利用することができる自習室・図書室を設け、休日も開放している。「勉強したいという意欲がある子供にとっては、非常によい学習環境が整っています。合格した暁には、ぜひ自分の将来を自分で切り開くという目標を持ってほしいと思います」。

 山崎教頭自身、中学受験を志す子供がいる。「試験本番を迎えたこの日は、保護者にとって感無量ではないでしょうか。中学受験は、保護者と子供の二人三脚で成り立つものです。塾への送り迎え、正月中の受験勉強など、これまで本当に大変だったと思います。受験せずに公立へ進むという選択肢もある中、子供を教育環境の整った私立に進学させたいという保護者の方の熱意に心から敬意を表します。今日までの努力が、必ずお子さんの将来によき成果となって表れるでしょう」

 付き添いの保護者が同行できるのは、受験会場の教室の入り口までだ。会場にいた山崎教頭によると、受験生たちは、幼さの残る顔立ちながら落ち着いた様子で試験に臨んでいたそうだ。

(文・写真:足立恵子)

 狭山ヶ丘中学高等学校・狭山ヶ丘高等学校付属中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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432922 0 狭山ヶ丘高等学校・狭山ヶ丘高等学校付属中学校 2019/02/06 17:31:00 2019/02/06 17:31:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190206-OYT8I50048-T.jpg?type=thumbnail

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