「一国の良心」として世界に役立つ人を…同志社国際

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 同志社国際中学校・高等学校(京都府京田辺市)は、全校生徒の3分の2以上を帰国生が占める国際色豊かな学校だ。世界中から多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まり、互いの価値観や文化を理解し、尊重し合う環境で、将来のグローバル・リーダー育成を目指している。同志社の創立者・新島襄の精神を継承した教育理念やカリキュラム、将来の展望などについて川井国孝校長に聞いた。

帰国生も一般生も混合クラスで体験を共有し合う

 ――世界45か国からの帰国生を迎えているそうですね。

「一人一人を気にかけて丁寧に見ている」と話す川井校長
「一人一人を気にかけて丁寧に見ている」と話す川井校長

 本校は「全校生徒の3分の2は海外からの帰国生を受け入れる」という条件で1980年に、国の補助を受けて設立されました。同志社大学系列ですから教育理念であるキリスト教主義のもと、創立者である新島襄の建学の精神「良心教育」を受け継いでいます。生徒一人一人の個性の伸長を大切にし、異なる文化や考え方を持つ人々と互いに認め合い、尊重できる「良心」を持った人物の育成を教育目標にしています。

 

 ――帰国生の家庭はどういうものですか。

 外交官のご家庭もありますが少数です。大学関係の教員をされているご家庭もありますが、ほとんどは国内企業にお勤めのサラリーマン家庭です。平均して4~5年の海外転勤生活を経て帰国されます。欧米を中心に最近ではアジア諸国からの帰国生が多いです。

 

 ――帰国生と一般生でクラス分けはしているのですか。

 創立以来、生徒たちは中学から帰国生も一般生も混合した「ホームルームクラス」で過ごし、毎日の生活や学校行事を通してさまざまな体験を共有します。その中で多様な価値観が存在することを知り、互いを認め合い、尊重し合うことを学び、日々成長していくのです。高校ではさらに活発にディスカッションやプレゼンテーションを行う場を設け、主体性や自主性を育てます。実際のところ、日々現場で指導に当たっている教員は「帰国生」や「一般生」といった区別を意識せず、「その子はその子」として、一人一人の生徒に接しています。「一人一人を気にかけて丁寧に見る」。これは教育の原点です。そして、その子に最も合ったものを与えるのがこの学校の使命なのです。

 

 ――帰国生と一般生では、英語の実力差が大きいのではありませんか。

図書館、コンピューター教室、視聴覚教室などの機能を融合したコミュニケーション・センター
図書館、コンピューター教室、視聴覚教室などの機能を融合したコミュニケーション・センター

 生徒の習熟度に応じて、中学では6段階、高校では4段階のクラス編成を採用しています。編成の際は英語の総合力を見極めるために、中学1年と高校1年の時にオンラインテストを行います。さまざまな仲間や教員と交流できるオープンな学びの場であり、本校の象徴とも言える「コミュニケーション・センター」内にある200台のパソコンで一斉に実施します。その時期以外のクラス変更は、学期ごとに生徒本人の意欲や担当教員の判断で行います。本格的な英語にまだ触れていないうちは日本の教科書に準拠した授業を行いますが、習熟度の高い生徒は担当教員が独自に作成した教材を使用し、すべて英語で授業を進めます。

日常的に本場の英語に触れ、グローバルな人材へ

 ――入学前に親から寄せられる質問ではどういうものが多いですか。

コミュニケーション・センターの新着図書には洋書も多数取りそろえられる
コミュニケーション・センターの新着図書には洋書も多数取りそろえられる

 「仲間に入っていけるか」「学習についていけるか」。この2点に尽きますね。学校生活に順応できるか不安に思う親御さんも少なくありませんが、本校にはさまざまなバックグラウンドを持って、他者を広く受け入れる生徒が多いので、個性の強い生徒さんでも集団にうまくなじむことができるように思います。学習については先述の通り、習熟度別にきめ細やかな指導を行っていますので問題はないと思います。特に英語については、英語教員の半数以上がネイティブですので、本場の英語に日常的に触れることでナチュラルにコミュニケーションできるようになるでしょう。

 

 ――帰国生入試の選考方法はどのようなものですか。

 帰国生徒の選考方式はさまざまな選択肢を用意しています。専願者は英語力の資格と面接、書類審査です。併願者は、外国語での作文と面接、書類審査です。教科試験による選考もあります。教科試験は日本語で受験していただきますが、作文は日本語以外のどの言語でも受験できるのが特徴と言えるでしょうね。英語や中国語、ドイツ語、フランス語などメジャーな言語の場合は当校の教員で対応し、その他の言語については学外の専門家に依頼して内容を精査しています。

 

 ――進路状況について教えてください。卒業生はどんな分野で活躍していますか。

 系列の同志社大学に進学する生徒が多いですが、国公立大学や海外大学への進学も手厚くサポートしています。卒業生は国際公務員や外資系企業で働く人が比較的多いですね。一般生徒も中学・高校時代を本校で過ごしたことから海外に出ることへの抵抗感が少なく、国際的に活躍している人が多いようです。 

色々な価値観を知り、互いに認め合って意見交換できる人

 ――国際社会で活躍するグローバル・リーダーとして必要な資質をどう考えますか。

 優れた語学力やコミュニケーション力、海外文化に触れることで身に付けた国際感覚を備えていることは確かに強みです。しかし、それ以上に大切なのは世の中には色々な価値観が存在するということを知っていることです。そのうえで、相手を認めて意見交換ができる。そんな人が多様性に富んだ社会に貢献できるのではないでしょうか。

 

 ――グローバル化の時代に、同志社国際への期待もますます高まると思われます。将来展望はどうですか。

コミュニケーション・センターに飾られた美術部制作のモビール
コミュニケーション・センターに飾られた美術部制作のモビール

 一人一人の生徒に向き合い、その可能性を信じて個性を伸ばしていく姿勢は教育の原点であり、本来あるべき姿です。特に本校のようにさまざまなバックグラウンドを持ち、個性豊かな生徒が集まっている学校において、それは使命であり、開校以来守り続けた伝統です。自分の利益を追求するだけでなく、社会のために貢献できる「一国の良心」とも言える人物を育て、培った「良心」を世界のために役立てるグローバル・リーダーを数多く輩出することを目指しています。

(文・写真:櫨本恭子) 

 同志社国際中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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426428 0 同志社国際中学校・高等学校 2019/02/07 05:20:00 2019/02/07 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190205-OYT8I50031-T.jpg?type=thumbnail

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