プログラミング力で世界への扉を開ける…大妻嵐山

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 大妻嵐山中学校・高等学校(埼玉県嵐山町)は7月13日、小学生を対象にワークショップ「プログラミング女子になろう」を開催した。「世界につながる科学する心、表現する力」をキャッチフレーズとする同校は、文系理系を問わず、プログラミング教育に力を入れている。当日のワークショップの様子と、今春のプログラミング入試で入学した生徒の声を併せて紹介する。

親子で楽しめるプログラミング講座

ワークショップでキャラクターをデザインする小学生
ワークショップでキャラクターをデザインする小学生

 同校は、小学生を対象に年間のべ16回、「わくわくワークショップ」と名付けた講座を開催している。内容はイングリッシュ、サイエンス、クッキングなどさまざまで、昨年は計500人を超す小学生が参加している。

 なかでも人気を集めているのは「プログラミング女子になろう」という講座だ。米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発した子供向けの「スクラッチ・ジュニア」というソフトを使い、タブレットやパソコンを使ってプログラミングを体験する内容だ。

 講座が開かれた7月13日、教室には16組の小学生と保護者が集まっていた。

「今日初めてプログラミングをする人は、手を挙げてください。ほとんどですね。みなさん、一つずつ説明しますから、安心してください。そして、遠慮なく失敗してください。失敗するのも大事なのです。では、始めましょう」

 情報科の竹之内優作教諭の合図で、参加者が一人一人に配られたタブレットを起動すると、画面にネコのキャラクターが現れた。このキャラクターをどう動かすか、プログラミングしていくのがこの日の課題だ。

 画面上には、「動き」「音」などを表す命令のブロックが並んでいて、例えば、「右に動かす」のブロックを二つ選んで、ネコの動きを指令するところに並べると、ネコが右に2歩動くといった具合だ。さまざまな命令を表すブロックを組み合わせていくと、ネコが動いたり、踊ったり、しゃべったりする。ネコ以外にもたくさんのキャラクターが用意されており、追加していくと、たくさんのキャラクターが一斉に動き出す。

 母「動かして、動かして」

 子「わははは、ちょっとおかしい」

 父「ここに声入れよう、『酒、うめ~』」

 子「キャハハハ、もう、パパのせいで変なふうになったー」

 あちこちで親子の笑いが起こり、すっかりプログラミングを楽しんでいる様子だ。

 なかには、タブレットを操作しているうちに教えていない機能まで使い始める小学生もいて、「さすが、デジタルネイティブといわれる世代ですね。自分でキャラクターをデザインしている人もいますね」と竹之内教諭も感心していた。

 参加した小5の女の子は「楽しかった。もっとプログラミングをやってみたいので、この学校に入りたい」と話し、父親も「この学校の、先を見据えたカリキュラムは、将来役に立つと感じています」と、すっかり気に入った様子だった。

プログラミングの完成度とプレゼンの表現力を問う入試

参加した小学生に優しくプログラミングを教える小林愛実さん(右)
参加した小学生に優しくプログラミングを教える小林愛実さん(右)

 この日、ワークショップの手伝いをしていた中1の小林愛実さんは、昨年この講座に参加した一人だ。「あの時は、普段使っていないソフトなどを使えてうれしかったことを覚えています」

 小林さんは今春、同校の「みらい力表現型入試」の一つ、「プログラミング入試」で受験した。この入試では、プログラムの完成度に加えて、それを表現するプレゼンテーション力も重視される。小林さんは「〇×クイズ」をプログラミングし、プレゼンテーションして見事合格したという。

 「この学校は、プログラミングや英語など、みんながそれぞれ得意なことを持っていて、お互いに高め合っています。とても充実した学校生活です」と小林さんは話す。

 竹之内教諭は、「2020年度入試でプログラミング入試は3回目になります。これまでに、片手ずつ弾くピアノの練習用プログラムや、料理の手順を示してくれるプログラムを作成し、プレゼンテーションした受験生たちが合格しました。ユニークだったり、かわいらしかったりして、小学生がこれを作ったのかと毎回驚かされ、高い可能性を感じています」と話す。

 「このワークショップを通して、小学生のみなさんに本校のプログラミング入試がどんなものか知ってもらい、ぜひ受験してほしいですね」

プログラミングと英語が生徒たちの将来を広げ

「プログミングでは失敗することも大事」と話す竹之内教諭
「プログミングでは失敗することも大事」と話す竹之内教諭

 同校が教育手法としてプログラミングを重視する理由を、竹之内教諭はこう説明する。

 「プログラミングで大事なことは、失敗を経験することです。社会に出たとき、人は誰でも失敗します。そのとき、自分で考えて立て直していけるかどうか。プログラミングはその基礎的な考え方に結び付く力になるのです」

 このため、プログラミング教育は、文系理系を問わず重視されている。中1、中2の情報の授業では、人型ロボットのペッパーが活躍する。中1では、先ほどの「スクラッチ・ジュニア」より高機能な「スクラッチ」を使って、ペッパーに会話させるプログラムを製作する。中2ではより複雑な会話ができるようにし、動作にも挑戦する。

 「ある生徒は、『先生、呼んだらペッパーが自分のところまで来るようにしたい』と言うので、やらせてみたら本当にそれを実現させました。距離を計算し、方向を考えて、自分の目の前まで動かす。最初は冗談のつもりだったかもしれませんが、必死でやり遂げました。自分のアイデアを形にすることの面白さを感じてくれたようです」

 中3では簡単なゲームを作成し、高1ではプログラミングの基本言語であるJavascriptを学ぶなど、だんだん高度な内容に進む。

 さらに、プログラミング技術を一層高める機会を設けるため、外部から講師を呼んで「人工知能、機械学習と未来のテクノロジー」などのタイトルで講演してもらったり、夏休みに希望者を対象に「Python・人工知能アプリプログラミング体験」と名付けた講座を実施したりしている。

 「タブレットやパソコンは、すでに生徒たちの生活の一部になっています。私たち教員の想像を超えて、びっくりするような成長を見せる生徒もいます」

プログラミング入試で合格した生徒の作品
プログラミング入試で合格した生徒の作品

 昨年の第15回埼玉工業大学CGコンテストでは、同校の生徒がパソコンで作ったCGが優良賞を受賞している。また、昨年、日本で初開催されたスクラッチに関する会議「Scratch 2018 Tokyo」に同校の生徒が参加し、開発者でMIT教授のミッチェル・レズニック教授と堂々と質疑応答したという。

 先ほどの小林さんも「定期テスト対策に、ランダムに問題が出てくるプログラムを作って、友達に配信し、喜んでもらえました」という。ぐんぐん成長しているようだ。

 「本校はプログラミング教育と同時に英語教育にも力を入れています。これらの力を付ければ、世界につながっていく可能性が全生徒にあるのです。パソコンは単に決められたことができるだけでなく、もっといろいろなことを変えていける道具になります。そして、その知識は必ず将来の生徒たちの選択肢を大きく広げてくれます。新しいプログラムを開発して世界中の人とどんどんつながっていくことも当たり前になるのです」と、竹之内教諭は熱く語った。

 同校は、国(ちょう)オオムラサキが飛び交う緑豊かな環境にある。プログラミングや英語の力は、ここからストレートに世界へとつながる扉を開く。

 (文・写真:小山美香)

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782297 0 大妻嵐山中学校・高等学校 2019/09/10 05:21:00 2019/09/11 12:56:43 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190906-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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