英語の成績を飛躍的に伸ばした新しい英語プログラム…江戸川女子

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 江戸川女子中学校・高等学校(東京都江戸川区)は、2020年度の新しい大学入試を最初に経験する高2生を中心に、多様で新しい英語教育プログラムを取り入れてきた。その成果は、飛躍的に向上した実用英語技能検定(英検)やGTECの成績に表れているという。大学入試改革を先取りする新プログラムの内容を、菊池今次(きくちいまじ)校長と英語科主任の熊川美帆子(くまかわみほこ)先生に聞いた。

英語4技能を伸ばす試みを早期から開始

 「開校から89年の歴史の中で本校は、教育課程の変遷に対応しつつ、1コマ65分授業・週6日・2期制というシステムを早期に取り入れるなど、独自の改革を進めてきました。私どもの改革にタブーはありません。現場の声を生かしながら、社会の中で必要とされる表現力・発信力を積極的に育てていきたいと考えています」。今年4月に就任した江戸川女子中学校・高等学校の菊池今次校長はこう語る。菊池校長は43年前に教師として同校に赴任し、国公立・名門私立大学への合格者を輩出する進学校へと躍進する同校の成長を見守ってきた。

中学1~3年で実施する「English Speak out Program」
中学1~3年で実施する「English Speak out Program」

 同校の特長は、早くから英語教育に力を入れてきたことだ。高校では1986年に従来の普通科に加えて英語科を新設し、91年からは普通科を対象としてカナダ修学旅行を実施するなどしてきた。新しい大学新入試を最初に経験する現在の高校2年生が中学校に入学した2015年に、英語科主任の熊川美帆子先生は、「4技能を総合的に鍛える教育を今から始めておきたい」と、新しいプログラムの導入を進めたという。

 まず、中1~中3では「English Speak out Program」という校内研修を開始した。12人程度のグループにネイティブの講師1人がつき、3日間かけて集中的に英語スピーチやプレゼンテーションを練習する。中1で「自分のことについて話す」、中2で「日本と外国を比較する」、中3で「日本の魅力を海外の人に伝える」と、テーマは次第に高度になっていく。

 「最初は英語を話すことに抵抗があるような生徒もいましたが、そのうち外国人と話をすることの楽しさが分かり、相手の言うことをきちんと聞こう、限られた時間の中で自分の言いたいことをもっと話そう、という気持ちが育っていきました」と、熊川先生は話す。

フィリピンの英語講師とマンツーマンで会話を行うオンライン英会話
フィリピンの英語講師とマンツーマンで会話を行うオンライン英会話

 次に高1と高2では、フィリピンの英語講師とマンツーマンで会話を行う「オンライン英会話」を導入した。英語の授業で週1回、生徒一人一人がタブレットPCを手に、特定のテーマに基づいて会話を練習する。導入に当たってはプログラム内容を吟味し、簡単な日常会話から自分の意見を述べるに至るまで、着実に自己発信力をステップアップでき、フィードバックも確実なシステムを採用したという。

 また、修学旅行についても、普通科生徒は、高2で9日間のカナダ修学旅行を行ってきたが、一昨年から、カナダの代わりにフィリピンでの9日間語学研修を選択することもできるようになった。「カナダでは、大自然に触れる観光や班ごとの自主研修のほか、ホームステイで異文化体験をし、現地の大学生とテーマ別にディスカッションを行います。一方、フィリピンでは、語学学校で集中的に会話と異文化理解のレッスンを受け、ボランティア活動に参加します。研修のまとめとしてプレゼンテーションも行います。成長するアジアの国の経済・文化に触れるよい機会であると考えています」と、菊池校長はその狙いを語る。

高1で普通科の90%、英語科の100%が英検準2級

新しい取り組みを実践してきた英語科の熊川先生
新しい取り組みを実践してきた英語科の熊川先生

 これらの新プログラムの成果は、同校で毎年全員受検させている英検とGTECの成績に顕著に表れてきたという。現在の普通科高2生の高1の時点での英検準2級保有率を見ると、前年の64%に対し、90%に達している。GTECのスピーキングテストでも、高2生のスコアは129.3点で、前年度より24.3点高い。この成果に熊川先生も「成果が表れてきたので、今後は全員が中3で英検準2級合格、高2で2級合格を目指したいと思います」と張り切っている。

 英語を重点的に学ぶ英語科では昨年度、高1生の英検準2級保有率が100%に達した。英語科は普段の英語授業を充実させているほか、多彩な海外研修の機会があり、全員がイギリス・アメリカ・フィリピンいずれかで8週間程度の語学研修に参加する。ニュージーランドの高校で1学期間学ぶターム留学、オーストラリアかニュージーランドの高校で授業を受ける1年留学も盛んで、1年留学には毎年3~7人の参加者があるそうだ。来年はこれに、経済成長著しいベトナムでの研修も加える予定だという。

 普通科・英語科両科の高1、2生を対象とする英文ライティング講座も放課後に実施しており、エッセーライティングを専門とするネイティブの講師が指導している。海外大学進学を志す生徒も出てきたため、この講座が進学対策として役に立っている。

今年4月に就任し、改革を進める菊池校長
今年4月に就任し、改革を進める菊池校長

 「ネイティブがライティングを指導する放課後の講座は、英語での表現力を養うために7、8年前から少しずつ実践してきました。結果的に海外大学進学や新大学入試に役立つものとなっていますが、本校が目指しているのはそれだけではありません。中高6年間のうちに人生の基礎となるべき素養を身に付け、変化の激しいこれからの社会に対応することができる自立した女性を育てることです。改革を進める中でも、その基本的な姿勢に変わりはないのです」と、菊池校長は語る。

 伝統的に文系に強い学校ではあるが、昨年度は卒業生の33%が理系に進学した。医薬系への進学者も多く含まれている。同校は開学90周年の節目を前に、生徒たちがいっそう自由に進路を選択できるよう改革を進めていく構えだ。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:江戸川女子中学校・高等学校)

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883989 0 江戸川女子中学校・高等学校 2019/11/11 05:21:00 2019/11/11 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191106-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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