毎朝のテストと「放課後進学講座」で学力アップ…履正社

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 履正社学園豊中中学校(大阪府豊中市)は、平日と土曜日に朝の小テストと100分間の「放課後進学講座」を実施している。小テストで弱点を見つけ、それを放課後講座でフォローすることにより、生徒たちはめきめき実力を付けるという。放課後講座の様子を紹介するとともに、中学部進路指導部長の湯川浩次教諭に同校の「3ヵ年独立コース」「6ヵ年特進コース」の学力・進学状況などを聞いた。

毎朝の小テストと放課後講座が学力を下支え

基礎学力の定着を図る放課後進学講座
基礎学力の定着を図る放課後進学講座

 履正社学園豊中中学校の一日は、朝の15分間小テストに始まる。漢字や英単語、計算問題などに10分間取り組み、5分間で採点をする。その繰り返しで、分かっているところと分かっていないところを、毎日把握する。

 平日の授業は6時限、土曜日の授業は5時限まであり、その後、平日・土曜とも希望者を対象に100分間の「放課後進学講座」を実施している。学力の定着を主な目的とした復習型の講座であり、ほとんどの生徒が参加しているという。

 放課後進学講座のクラスは原則的にグレード別の小規模編成としており、授業の進度は同じだが、グレードによって教えるレベルを変えている。習熟度に応じて頻繁にクラス替えが行われるので、どの生徒も自分の習熟度に合った学習が可能だ。なお、通常期の講座費用は授業料に含まれており、追加の費用は必要としない。

 授業はもちろんのことだが、教師たちが熱意をもって取り組む、この毎朝の小テストと放課後進学講座の組み合わせが同校の学力を下支えしている。進路指導部長の湯川教諭は、「生徒の中には1回聞いて分かる子と、2、3回聞いて分かる子がいます。どんな子にも熱意を持って分かるまで教えます」と、その指導方針を熱く語る。

自分から学び伸ばす力を養う「6ヵ年特進コース」

100分間かけられるので時間のかかる実験も可能に
100分間かけられるので時間のかかる実験も可能に

 同校には、希望する難関高校への合格を目指す「3ヵ年独立コース」と、6年かけて難関大学に現役合格する学力を養う、中高一貫型の「6ヵ年特進コース」がある。

 教育・生活事業の「ベネッセ」による学力推移調査では、2018年に中3だった「6ヵ年特進コース」の生徒たちは、中学1年時に大阪府内の私立中学52校中22位、中学2年時に同51校中11位、中学3年時に同48校中6位と、目覚ましく順位を上げている。

 湯川教諭は、この学力アップを可能にしたのが、毎朝の小テストと放課後進学講座だと指摘する。「『6ヵ年特進コース』では、小テストの結果が悪い、宿題をやっていないことがあれば、2、3日の間にすぐさま対応します。放課後進学講座は原則、希望制ですが、こうした場合の補習も兼ねているのです」

 小テストと放課後進学講座は、こうした基礎学力の定着と応用力の養成に役立つだけではない。「足りなければ補う、好きなところはもっと伸ばす。『6ヵ年特進コース』の生徒は、自分で考え対応する力をしっかり身に付けるよう指導しています。小テストでここが弱いと分かったら、放課後の進学講座ですぐさま補強、対応できる。そういう体制も取っています」

希望の高校合格を目指し 切磋琢磨(せっさたくま) する「3ヵ年独立コース」

 「3ヵ年独立コース」は、希望の学校に中学受験では合格できなかったが、高校で挑戦したいとリベンジを誓う生徒や、中学受験では準備が間に合わなかったが、高校受験で花を咲かせたいと挑戦する生徒が多いという。目標を持って勉強に取り組む生徒が多く、仲間とともに学力を伸ばしていこうというムードにあふれている。

 2017年度から19年度までの3年間、灘高等学校に2人、東大寺学園高等学校に5人、大阪星光学院高等学校に1人、洛南高等学校に9人、西大和学園高等学校に31人、北野高等学校文理学科に11人の合格者を出している。また、同志社高等学校3人、同志社国際高等学校1人、同志社女子高等学校1人、関西学院高等部3人と、人気の高い大学付属高校に合格を果たした生徒も多い。

 「3ヵ年独立コース」向けの「放課後進学講座」は、1年次にはクラスごと、2、3年次には3段階のグレード別クラスで実施している。1985年の同コース開設から35年間に、灘高等学校→東京大学へと進学した卒業生は計26人、灘高等学校→京都大学へと進学した卒業生は計27人を数える。確かな指導力を裏付ける数字だ。

 6月11日、同校の「放課後進学校講座」の様子を取材した。理科実験室では「3ヵ年独立コース」の2年生を対象に発展の講座が行われていた。脇坂英司教諭の指導を受けながら、2グループに分かれた7人の生徒がスチールウールをバーナーで燃やし、質量の変化を確認する実験を行っていた。

 脇坂教諭によると、この理科講座では実験を行い、感覚を通して自然現象への理解を深めるよう授業を構成しているという。通常の授業は時間が足りないので資料集の写真を見て済ますこともあるが、100分間の講座なら、時間のかかる実験もできるし、観察の時間もたっぷり取ることができるという。参加人数も7人と少人数なので行き届いた指導が可能だそうだ。

 また、英語の講座では、生徒一人一人のノートを見ながら教室を回り、ミスの指摘やアドバイスをしたり、個別の質問に答えたりしていた。自習や塾通いと違って、生徒各自の理解度を把握している先生に、授業に追加して100分間、しっかり指導してもらえるのだから、学習効果は大きいに違いない。

 学習の面だけから同校の一日を見ていると、朝から夕方まで勉強漬けのようだが、年間を通してさまざまな学校行事があり、部活動なども盛んだ。湯川教諭も「楽しく学ぶことが本校のモットー」と力説する。

体育館で練習する中学のバスケットボール部
体育館で練習する中学のバスケットボール部

 「3ヵ年独立コース」で難関高校合格を目指している中学2年生は、学校生活について「文化祭が楽しいです。高校生と合同で行うのも履正社だから体験できることです」と明るく話す。別の中学2年生は「『やってごらん』と、生徒にいろいろな体験をさせてくれます。毎日楽しいです」と話す。バスケットボール部のキャプテンを務める中学3年生は、「8月末にはバスケット部を引退し、受験勉強に集中します。クラブ活動も、勉強にも集中できる学校です」と話した。みんなスクールライフを目いっぱい楽しんでいるようだ。

 同校は、運動会ではアメ食い競争、水泳大会には浮輪レースや水中宝探しといったユーモラスな競技を用意し、運動が苦手であっても、泳げなくても、生徒たちが学校行事を楽しめるよう工夫をしている。ほかにも校外学習、球技大会、サイクリング、バーベキュー、座禅体験など、楽しい行事を用意しているという。

 もう一つ、同校の特色を紹介しよう。それは生徒の弟妹が入学する割合が高いことだ。2019年度の生徒数324人のうち、15%にあたる50人が在校生の弟妹だという。

「中学受験に間に合わなかった」「中学受験では希望がかなわなかった」。そういう思いを抱えて入学した生徒と保護者が、手厚い学習指導や生徒に寄り添う教育に共鳴し、弟や妹を入学させるケースが多いという。保護者らの信頼に応える学校と言えそうだ。

 (文・写真:水崎真智子 写真提供:履正社学園豊中中学校)

 履正社学園豊中中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載禁止
687706 0 履正社学園豊中中学校・履正社高等学校 2019/07/18 05:21:00 2019/07/18 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190711-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
10000円9000円
NEW
参考画像
クーポンご提示のお客様に粗品プレゼント
NEW
参考画像
4200円3780円
NEW
参考画像
1560円1300円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ