「教科センター方式」で、自分から向かう学習へ…青山学院

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 青山学院中等部(東京都渋谷区)は、2017年の新校舎完成以来、教科専用ゾーンを持つ「教科センター方式」での授業を行ってきた。これによって生徒たちは、待つ学習から向かう学習へと姿勢を変化させているという。「興味のあることを見つけ、じっくり学ぶ」ことを勧める敷島洋一中等部部長に、新しい校舎と授業の特徴を聞いた。

「ホームベース」に荷物を置くと専用教室へ

新校舎の特色を語る敷島洋一中等部部長
新校舎の特色を語る敷島洋一中等部部長

 青山学院は2015年から、中等部校舎などの全面改築工事を行っている。2017年に完成し、使用開始された中等部新校舎(地下1階・地上6階建て)は、教科教育の充実を図るために「教科センター方式」を採用しているのが特徴だ。

 生徒たちは朝、「ホームベース」と呼ばれるスペースに荷物を置くと、それぞれの教科の専用教室へ向かう。従来のように教室で先生による授業を「待つ」のではなく、教室へ学習に「向かう」ところが大きな違いだ。専用教室には、理科ならビオトープが設けられていたり、英語なら英字新聞や洋書がずらりと並んでいたり、教科の学習に特化した環境が整っている。「各教科の教室に、すでに授業の用意が整っているので、チャイムが鳴って授業が始まると同時に、その教科の学習に専念することができるのです」と敷島洋一中等部部長はメリットを強調する。

広々とした英語科のメディアスペース
広々とした英語科のメディアスペース

 各教科のゾーンには「メディアスペース」という共用スペースがある。その教科に関連した資料や書籍、発表用のボード、グループ学習用のテーブルなどが備えられ、生徒のリポートなどが展示されている。生徒たちはここでグループ学習を行ったり、仲間同士でのプレゼンテーションを行ったりする。

 「学習面では、自分の考えたことを言葉にしてまとめ、プレゼンテーションやディベートができるようになることを大切にしています。授業でも、ただ黒板を書き写すのではなく、自分の頭の中で考えたことを整理してノートにまとめるという指導を行っています。中学1年生の時からこれを行うことで、自分で考え、書く力、表現する力が格段に伸びます」

自由度の高い環境で、自主的な学習が活発に

 メディアスペースは教科の専用教室と隣接しているため、扉を開ければ一体化した学習空間としてさまざまな使い方ができる。また、教科ごとに教師のための準備室も隣接しているため、生徒は休み時間に気軽に質問をしに行くことができる。

 「非常に自由度の高い環境です。本校の生徒はもともと、言われたことをそのままやるというより、自分から『あれがやりたい、これがやりたい』と声を上げることが多い。新しい校舎では、気になったことを自分で調べてみる、または仲間と一緒に取り組むといったことが、より活発に行うことができるようになりました」

廊下に貼り出してあるノートの取り方の工夫
廊下に貼り出してあるノートの取り方の工夫

 理科研究の成果など生徒の展示物は、メディアスペースだけでなく廊下の壁にも貼り出されている。教室を移動する間に、生徒たちは他の学年・クラスでの学習内容に自然と触れることになる。敷島部長は「メディアスペースや教室、廊下で、他の生徒が書いたものを見ることで、生徒たちは刺激を受け、授業の内容についてより興味を抱くようになるのです」とその狙いを話す。

 1月に新校舎の隣に「メディアセンター」が完成した。2階構造となっており、1階は本棚、雑誌架、学習スペースなどが入り、大きな吹き抜けを回廊のように囲む2階部分にはICT教室とミーティングルームのほか、学習に集中できる個人ブース型の学習机も用意されている。これも生徒の調べ学習などに大いに役立つことだろう。

高等部の80%が内部進学、のびのびとした学校生活

 青山学院は、東京・渋谷のキャンパス内に幼稚園・初等部・中等部・高等部・女子短大・大学を擁している。中等部生の95%以上が高等部へ、さらに高等部生の約80%が青山学院大学へ内部進学するという。他大学に進むのは、医学部など青山学院大学に設置されていない学部を希望する例が多いそうだ。

 「幼稚園からの一貫教育を行っているため、受験のための詰め込み勉強をする必要がなく、興味のあることをじっくり学ぶことが可能です。中学生のうちはさまざまな知的刺激を受け、好きなこと、興味が持てることを見つけられるよう励ましています」。例えば、中等部でも、3年生には週2時間の選択授業があり、「俳句」「暗号」「ソーシャルイノベーション入門」といったユニークな科目の中から、自分の関心に合わせて選ぶことができる。

 「高等部では一定の目標が設定され、より勉強が高度になりますが、それに取り組むだけの基礎の力を、中等部のうちにのびのびと身に付けてほしいと考えています」

約900人を収容する礼拝堂
約900人を収容する礼拝堂

 キリスト教信仰に基づく人格教育が行われているのも大きな特色だ。毎日15分の礼拝と、週1時間の聖書の授業がある。普段の礼拝は、昨年12月に完成したばかりの約900人を収容する中等部礼拝堂で行われている。聖書の授業もここで行われる。「クリスチャンになる必要はありません。ただ、すべての人の命や才能は神からの賜物(たまもの)であることを理解することで、人の良いところを認め、自己肯定感を育むことができるようになります」

 同校の受験を考える小学生や生徒に対して敷島部長は、「本校は、バランスのよい学びを行うとともに、のびのびとした中学生活を送ることができる学校です。まず、自分の好きなことを見つけてほしい」と語った。自身、学生時代には東南アジアを放浪し、さまざまな仕事を経験して35歳で教職に就いたという経歴を持っている。自分探しの大先輩としてのアドバイスだろう。

(文・写真:足立恵子 一部写真提供:青山学院中等部・高等部)

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472377 0 青山学院中等部・高等部 2019/03/05 05:21:00 2019/03/05 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190304-OYT8I50036-T.jpg?type=thumbnail

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