すべての学びは「人間力」を高めるために…同志社香里

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 同志社の系列校である同志社香里中学校・高等学校(大阪府寝屋川市)は、単なる受験勉強に終わらず、一人一人の可能性を引き出す教育を実践している。入試直後からの入学前教育やICT教育環境の整備など、次々と打ち出す新たなサポート策も生徒の「人間力」を高めるためだ。変化の時代を生きるうえで生徒に望むあり方などについて、瀧英次校長に聞いた。

中高の6年間は大学、社会へのスタート地点

「すべての学びは『人間力』を高めるため」と話す瀧英次校長
「すべての学びは『人間力』を高めるため」と話す瀧英次校長

 同志社香里中学校・高等学校は、第2次世界大戦中の1940年に大阪偕行社中学校として開学した。軍人の子弟教育を目的とする第2山水中学校と改称した時期もあったが、戦後は新制の香里中学校、香里高等学校として生まれ変わった。1951年に同志社と合併して現在の学校となり、2002年には共学化も果たした。同志社の校祖・新島襄の精神を受け継いで、キリスト教主義・自由主義・国際主義の三つを柱とする教育を実践している。

――大学系列校ということは、受験者にとって大きな魅力ですね。

 本校の生徒のほとんどは同志社大学、あるいは同志社女子大学に推薦で進学します。しかしながら、本校への入学時に大学に行く切符を手にしたという考えではなく、そこからが6年間の学びであり、ひいてはその先の大学や社会生活につながっていくスタートであることを認識してほしいです。

――来年、入試から入学までの期間中に入学前教育を導入するのも、そうした考えからでしょうか。

 1月半ばに受験が終わってから入学までの間に、学びの動きを止めないことが大切です。入学後の学習をスムーズに進めるには入学前教育が必要だと考え、英会話を主とした英語学習とプログラミングの講座を開講する予定です。受験科目が異なり、習得した学びにおいても多様性がある生徒たちをどのような体制で学校が受け入れるかは、今後の大きなテーマです。理科や社会についても検討中で、可能であればeラーニングも導入したいです。 

基礎知識を定着させ、大学での学びにつなげる

――中学・高校6年間での学びは、どのようなことに主眼を置いていますか。

英語でプレゼンテーションする生徒たち
英語でプレゼンテーションする生徒たち

 大学に進学した時に個々の生徒が能力を発揮するには、中高6年間で何を学んだかが重要です。大学付属校である本校は、進学実績を出すことを主目的に教育に取り組んでいるわけではなく、中高6年間で履修する内容を基礎知識としてしっかりと定着させたうえで、それらをアウトプットするための表現力やプレゼンテーション能力を磨くことに力を注いでいるのです。

 例えば英語学習に関しては、インプットした膨大な数の単語や文法をスピーキングやライティング、プレゼンテーションでアウトプットできるように授業で展開していきます。それがまさに、アクティブラーニングなのです。

――2020年の大学入試改革で求められているのも、アクティブラーニングに象徴される「思考力・判断力・表現力」のような力ですね。

 従来の大学入試は知識の蓄積を1点刻みで評価してきましたが、今後は論理的な思考を試す出題や、どんな考え方でどのような学びに向かっているかという姿勢が問われる入試に転換します。これを受けて中学・高校での学びも必然的に変わり、アクティブラーニングが重要視されるようになります。本校では大学での学びに向けてつなげていくことを使命ととらえており、生徒の論理的思考を強化することが課題であると考えています。

――具体的にどういう方法で新しい学力づくりへの対応をしていますか。

充実したICT環境で行われるタブレットを使ったグループ学習
充実したICT環境で行われるタブレットを使ったグループ学習

 本校が、近年、力を入れているのはICT環境の充実です。3年前に全教員にタブレットを配備しました。昨年夏からは電子黒板も導入し、タブレットを利用しての授業を行っています。生徒たちの自主的な学びを促すのが目的です。その結果、プレゼンテーション能力が向上するなどの学習効果が上がっています。

 一方でICTに頼り過ぎない教育も心がけています。特に中学生の間は英単語のスペルや漢字を紙に書くことによって、しっかりと身に付けさせる指導が大切です。また、活字離れを防ぎ、もっと本に親しめるよう、工夫を凝らした「メディアセンター」が2020年に完成する予定です。このセンターは約8万冊の蔵書に加えて ICT教育のラーニングコモンズを備え、「静と動」が行き来する空間となります。

変化の激しい時代を生き抜いていく力を

――そうした教育への取り組みを通じて、生徒にどんな力を身に付けてほしいと考えていますか。

 現代は、想像を超えるスピードで変革が進む時代です。これからますます情報化・グローバル化が進み、AI(人工知能)が発達することによって暮らしは豊かになり、便利になるでしょう。反面、今の小学生が大人になったころには、多くの仕事が機械化され、今はまだ存在しない新しい職業に就く可能性も高い。そんな時代の到来に備えて子供たちが身に付けておくべきなのは「主体的に学び続ける力」だと考えます。習得した知識や技能を実社会で活用し、課題を発見し、解決に向けて主体的・協働的に取り組む姿勢が求められます。「思考力」「感性」「表現力」といった、人にしかないスキル、つまり「感じる力」が未来を切り開いていく大きな原動力になるのです。そういう力を身に付けさせたいと考えています。

――実際の授業の中ではどんな点に力を入れていますか。

好記録が出やすいとされる青色の陸上トラック
好記録が出やすいとされる青色の陸上トラック

 本校では、「すべての学びは『人間力』を高めるためにある」と位置付けています。受験勉強にとらわれずに一人一人の可能性を最大限に引き出す。これが本校の教育目標です。その一つが「良いものや本物に触れさせる授業」です。動物のはく製を作って実物に触れさせたり、国語の授業で教員が用意した貝の裏側に一枚一枚、手描きで絵柄や句を書いて「貝合わせ」を制作し、古典の世界にじかに触れさせたりしています。教員は日々、生徒たちの「やる気スイッチ」が入るよう、授業に工夫を凝らしているのです。

 部活動も「生きる力」を育てる人間形成の場と位置付けています。多くの部活があり、それぞれ盛んな活動をしていますが、中でもダンス部は、中学生、高校生ともに全国優勝を果たすなど注目されています。文化部の活動も積極的で、多くの部が自主的に運営しているのが本校の特長です。

 学校としても、生徒たちの活動をサポートするためにさまざまな環境整備に取り組んでいます。昨年夏、既存の人工芝グラウンドの芝を張り替え、リニューアルしました。好記録が出やすいと言われている青色の陸上トラックも新たに採用しました。これからも広い敷地を生かして、さまざまな専用施設を充実させていくつもりです。

 価値ある人生を歩み、活躍するために必要な力をぜひ、同志社香里で養っていただきたいと願っています。

(文・写真:櫨本恭子)

 同志社香里中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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478040 0 同志社香里中学校・高等学校 2019/03/11 05:21:00 2019/03/11 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190308-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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