【入試ルポ】出願者過去最多、人気上昇の東京入試…佐久長聖

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 今季も首都圏以外に位置する進学校による「東京入試」が行われている。長野県佐久市の佐久長聖中学・高等学校も、1月13日は慶応大学三田キャンパス、14日はTKP市ヶ谷カンファレンスセンターで東京入試を実施し、過去最多となる3517人の出願者を集めた。佐藤康校長に、未来の入学者への期待や、目指している教育の方針について聞くとともに、市ヶ谷会場の様子をリポートする。

受験生でごった返す市ヶ谷の試験会場前

試験開始1時間ほど前に続々と集まる受験生たち
試験開始1時間ほど前に続々と集まる受験生たち
会場入り口で教え子を激励する塾の講師たち
会場入り口で教え子を激励する塾の講師たち

 開場時間の午前8時前、JR市ヶ谷駅を出て、外濠(そとぼり)にかかる市ヶ谷橋を渡ると、ほぼ目の前にある貸会議室施設「TKP市ヶ谷カンファレンスセンター」(新宿区市谷八幡町)の玄関前は、すでに多くの受験生と保護者で埋め尽くされていた。中学受験指導塾の講師たちが、次々と教え子を見つけては呼び止め、励ましの言葉をかけ、がっちり握手を交わしていく。

 開場時間になって一斉に入館した受験生たちは、自分の試験会場を確認すると、試験会場の会議室に向かうために、1階のエレベーターホール前に集まった。保護者が同伴できるのはここまでだ。マスクをしてじっとうつむいたり、保護者の腕にすがったりしていた受験生も、エレベーターが来ると、保護者の激励を受けながら次々と乗り込んでいった。

 この日の試験科目は、前日の慶応大学三田キャンパスでの入試と同じく、国語・算数・理科・社会の4科目。国語と算数の試験時間は各50分で、配点は各100点。理科と社会は合わせて60分、各75点だ。

 受験生たちは8時50分までに試験室に着席して試験監督からの諸注意を聞き、9時10分から、1科目目の国語の試験に取り組んだ。保護者たちの多くは、試験終了の午後12時40分まで、試験会場とは別のフロアに用意された控室に集まって待機していた。

着座して試験の注意点を聞く受験生たち
着座して試験の注意点を聞く受験生たち

 同校は、2006年から東京入試を実施している。出願者数は右肩上がりで、昨年の東京入試の出願者数が2975人なのに対し、今年は542人増の3517人と過去最多となった。また、当日の受験者数も、1月13日の試験会場では2652人、同14日の試験会場では549人にのぼった。

 近年の中学入試は、2科目または1科目と試験科目を減らしたり、さまざまな新方式を導入する傾向がある。同校も佐久市の本校での第1回入試では適性検査型入試を行っているが、東京入試では、オーソドックスな4科目入試を続けている。

 同校の平出淳史教頭は、「まず広くて多様な知識を備えている生徒を求めていきたいと考えるからです」と、4科目入試を続ける理由を話す。また、「知識があるのは、たゆまぬ努力を積み重ねてきた証拠です。努力をいとわず勉強に取り組むことができる生徒は、入学してからもその努力が続き、思考力、判断力、表現力といったさまざまな学力を伸ばす基礎があります」と語った。

東京入試は、受験者と学校の双方に大きなメリットがある

 大手学習塾「サピックス」教育事業本部の広野雅明本部長は、佐久長聖のような首都圏外の学校による「東京入試」について、受験生と学校双方へのメリットを指摘する。

 「やはり本番の入試は緊張しますので、受験生にとっては、事前に“練習”できることがメリットです。『合格』の切符が1枚あることは精神的な安心材料を増やします。他方、学校にとっては、地方の少子化が進んでいますので、まずは入学者数を増やす効果があり、地域外の生徒が入学することにより入学者が多様化して、地元生に刺激を与えるというメリットもあります」

 広野本部長によると、「東京入試」を実施している地方の学校には、系列大学への内部進学枠がある、医学部進学に強い、進学指導が丁寧でしっかりしているなどの特色を持つ学校も多い。そのため、「首都圏の受験生で、地方の学校を進学先の一つとして考えている人も少なからずいます」という。入学後は学校の寮で生活するケースが多い。子供が手元を離れることを心配する保護者もいるが、寮生活は子供が早めに自立するいいきっかけになると考える保護者も多いそうだ。

「何事も楽しんで挑戦して可能性を広げ、世界で活躍を」

東京での試験について語る佐藤校長
東京での試験について語る佐藤校長

 佐藤校長は、近年、東京入試の人気が高まっていることについて、「これまで寮生活の特色を受験生や保護者の方に伝え続けてきました。その積み重ねが、今年ようやく入学へと結び付いてきた。そういう感触を得ました」と喜びを語った。

 東京入試によって同校に入学する生徒の多くは、春から寮生活に入ることになる。佐藤校長は、「寮生活は異なる地域から集まった生徒との共同生活であり、一人一人に思いやりの心と自立心が育まれます」と語る。「規則正しい生活と長野の豊かな食材による食生活がバランス感覚のある生徒を育みます。健全な精神を養い、隣人を愛せる人間へと成長してほしいです」と、入学者たちの未来に期待を寄せた。

 また、目指している教育について佐藤校長は、「一つのことに専心しながら、他のことにも挑戦できる知恵を備えた生徒を育てていきたい。高い目標設定を持って学校生活を送り、何事も楽しんで挑戦して可能性を広げてほしい」と語った。

 同校は「世界の佐久長聖へ」というスローガンを掲げている。中高6年をかけて、世界のどこでも活躍できる人材を養成しようという言葉だ。全国から集まってきている多様な個性と資質、可能性を持つ生徒たちが、この言葉を実現していくことだろう。

 (文・三井綾子 写真・中学受験サポート)

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1041832 0 佐久長聖中学・高等学校 2020/02/07 11:47:00 2020/02/07 11:47:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200207-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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