グローバル時代に通用する女子育成を…昭和女子

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「男女別学には別学の絶対的長所があります」と話す粕谷教頭
「男女別学には別学の絶対的長所があります」と話す粕谷教頭

 昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校(東京都世田谷区)は2016年度に「SHOWA NEXT」というビジョンを掲げ「一歩進んだグローバル教育・キャリア教育」を目指してきた。同時に、生徒一人一人の多様なキャリア志望に対応できるよう、中1からのスタンダードな「本科」、国際教育にウェートを置いた「グローバル留学」、理系教育に特化した中3からの「スーパーサイエンス」という三つのコースを設定し、多彩なプログラムを展開している。この3年間の取り組みについて粕谷直彦教頭に聞いた。

外国にいるような空気感と刺激のあるキャンパス

 「本校の建学の精神は『世の光となろう』ですが、この理念を現代社会の環境の変化に合わせていくことが必要です。女性が長い人生を自立して生きていく。敷かれたレールの上を歩むのではなく、自分でレールを敷き、脱線しても再度敷き、自分のスピードで歩み続ける。そんなたくましい女性を育てたいという思いで『SHOWA NEXT』のさまざまな取り組みを行っています」。粕谷直彦教頭はそう語る。

 同校の立つキャンパスは都心とは思えないほど緑豊かで広大だ。キャンパス内には英国インターナショナルスクールの「ブリティッシュ・スクール・イン・東京・昭和(以下、BST)」もあり、一歩足を踏み入れればイギリスはじめ、オーストラリアやカナダなどさまざまな国から来た生徒たちとすれ違う。「外国にいるような空気感と刺激があるでしょう。この独特の環境はなかなかよその学校では味わえないのでは」と、粕谷教頭は自負する。

 同校のグローバル教育は、ネイティブスピーカーたちが身近にいる環境に強みがある。たとえば、日本と英国の長期休暇の時期のずれを利用し、6月から夏休みに入るBSTの生徒を昭和女子に受け入れたり、逆に春休みには昭和女子の生徒数人を一日中英語漬けのBSTの授業へ数日間参加させたりしている。いわば「徒歩圏のミニ交換留学」だ。また、今年9月には、敷地内に米国テンプル大学ジャパンキャンパスが開校するため、さまざまな国の人々との交流機会はいっそう増える見込みだ。

 こうした国際色豊かな環境に加えて、2012年にはユネスコスクールへの加盟が承認され、2014年には文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受けた。さらに今年度から同じく文科省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の指定校となり、同校はグローバル教育・キャリア教育推進のために、さまざまな教育機会を広げている。

中高6か年を2年ずつのステージに分けて学ぶ

「ザ・ボストン・ミッションプログラム」では現地の生徒たちとのディスカッションも
「ザ・ボストン・ミッションプログラム」では現地の生徒たちとのディスカッションも

 同校は中高一貫校のメリットを生かすために6か年を2年ずつのステージに分けて教育の目標を定めている。「1、2年生は学習面でも生活面でも基礎力をしっかりと身に付けます。3、4年でそれらを発展させて社会に還元できるテーマを見つけ、活動する。最後に5、6年でまとめの時期に入り、下級生へのリーダーシップを発揮しながら、各自のキャリアアップができるような実践力を磨きます」と粕谷教頭は説明する。

 たとえば、中学2年の末には、10泊12日の海外研修「ザ・ボストン・ミッションプログラム」が実施され、全員が参加する。「なぜ、2年生の最後に実施するかというと、1、2年の集大成であること。そして、中学3年からの英語学習への大きなモチベーションになるからです」と粕谷教頭は話す。

 このプログラムではアメリカ・マサチューセッツ州にある昭和ボストン校で、学び、寮生活を経験する。学校訪問や交流イベントの実施を通して、現地の生徒たちとグループでディスカッションしたり、さまざまなアクティビティーを楽しんだりする中で、片言でも自分の英語が通じる喜びを感じたり、うまく通じず、悔しい思いをしたりして「もっと英語を勉強したい」という強い気持ちが生まれる。また、12日間も自宅を離れるため、心身ともにセルフコントロールできる能力が養われるという。それが次の2年間へのバネになるのだ。 

 中3・高1になると、将来のグローバルリーダー育成を目指して昭和オリジナルの探究活動も始まる。たとえば、プロジェクト研究「LABO活動」は、30人ほどの高校生が参加し、女性の社会進出やジェンダーギャップなど女性のキャリアに関する課題ごとに4班に分かれ、アメリカやタイなどを実地訪問して調査研究する。「今年はタイのアカ族の女性たちを訪ねて、発展途上国の女性たちの社会進出について調査したチームがありました。過去には私も現地まで引率して高床式の住居での寝泊まりを経験しています」と広報担当の杉村真一朗教諭は話す。

 「サービスラーニング」という活動も、同校の探究活動の大きな柱だ。高校生全員を対象とするこの活動は、社会貢献活動(サービス)と学習(ラーニング)を結びつけた体験学習だ。粕谷教頭によると、一般的なボランティア体験とは一線を画するものだという。「ボランティアはあらかじめ募集されて現地に行くものですが、サービスラーニングは自ら社会的な問題を探り、調査して、現状を分析してどのようにサービスをしたらよいか検討します。そのうえで交渉してプランを実践し、提言してさらにそれを報告するという流れになっています」

 高1を対象とする「選択制国内外研修旅行」もグローバルリーダーとしての資質を育成する貴重な体験型プログラムだ。グローバル留学コースの生徒は高1で10か月間カナダに留学するので、対象は本科コースとスーパーサイエンスコースの生徒となる。生徒はベトナム、マレーシア、オーストラリア、沖縄の4か所から訪問先を選ぶ。

 「平和」「環境」「語学学習」「異文化理解」などおおまかなキーワードはあるが、生徒たちは事前学習で自分のテーマを準備して現地を訪れ、アクティブラーニングを実践し、帰って来て成果を発表する。

 「たとえば、オーストラリアでは農家にファームステイして、羊の世話をしながらホストファミリーと会話をし、英会話力をブラッシュアップすることもできるでしょう」と粕谷教頭は話す。

別学でリーダーシップが鍛えられる

粕谷教頭(左)と広報担当の杉村真一朗教諭
粕谷教頭(左)と広報担当の杉村真一朗教諭

 2020年度に開学100周年を迎える同校は、常に社会と時代の要請に対応した女子教育に努めてきた。近年、女子校の共学化が流れとなっているが、別学の意義についての同校の信念は揺るがない。

 「男女別学には別学の絶対的長所があります。たとえば、生徒会でも研究発表でも、男子生徒がいると、彼らに譲ったり、頼ったりする傾向があります。女子のみの我が校では、重い荷物があっても自分たちで持つし、リーダーシップも自分たちで取っていかないとなりません。思春期に異性の目を気にせず、自分のやりたいことを思いきりやる。別学で学んだからこそ、才能が花開くことがあるのでは」と粕谷教頭は語る。

 同校は2017年度、昭和大学から声掛けを受けて同大と特別協定校となった。粕谷教頭によると、その実現のかげには同校卒業生の活躍があったのだという。「特別協定校に選ばれた理由について、本校の卒業生が昭和大学の大切にするチーム医療の概念理解に優れ、実習の場で能力を発揮しているからだとうかがいました。誇らしい気持ちでした」

 この協定によって、医療系総合大学である昭和大学の各学部に同校から1人以上の特別推薦枠が設定された。現在、高大連携の取り組みとしてさまざまな相互交流も実施されており、スーパーサイエンスコースに進んだ生徒だけでなく、理科系・医療系への進路を望んでいる生徒にとって大きな励みとなっている。

 将来のグローバルリーダーを目指して語学を磨くのもよし、医療の世界に自分の将来を託すのもよし。別学の環境で鍛えられる自立心をもって当たるからこそ実現できる夢があるに違いない。

 (文:田村幸子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校)

 昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

539357 0 昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校 2019/04/16 12:46:00 2019/04/16 12:46:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/04/20190416-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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