OG20人、母校でリアルな大学生活を語る…神戸海星

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 神戸海星女子学院中学校・高等学校(神戸市)は毎年、高校1、2年生を対象に、OGの大学生・大学院生を迎えての交流会を開催している。今年12年目となるこの交流会で、生徒たちは、OGの口からキャンパスライフや将来展望、在学時の経験などの率直な話を聞き、進路選択に役立てている。交流会の様子を取材するとともに、卒業生たちに母校への思いなどを語ってもらった。

絆が深まる少人数のメリット

「数字で測ることができない力も育てています」と話す秋山教諭
「数字で測ることができない力も育てています」と話す秋山教諭

 神戸海星は1学年約150人と、比較的少人数の学校だ。その分、きめ細かい指導が可能になるという特長があり、高校でも国公立・私立、理系・文系などのコース制を取らず、生徒一人一人の目指す進路に合わせて多様な選択制授業を展開している。

 広報部長の秋山伸彦教諭は「同じクラスメートでも希望進路や学んでいる内容、考え方などが多様化しますので、おのずと自分と異なる価値観や他者への理解が育まれます」と、そのメリットを話す。さらに、体育祭などの伝統的イベントでも、少人数の利点で生徒相互の絆が深まるため、卒業後も同学年同士、先輩と後輩同士の交流が続くという。

 こうした良好な関係性を進路指導に生かそうと、大学に進んだ卒業生を招いて語り合ってもらう交流会「大学生による学部・学科説明会」が12年前に始まった。毎年6月に現役大学生や大学院生が母校に集まり、大学生活の様子や在校中の思い出を後輩たちに語り継いでいる。

大学志望動機から大学院の研究生活まで

中学生たちの質問に親身に答えるOG
中学生たちの質問に親身に答えるOG

 今年も6月1日、国公立大や私立大の学部生・大学院生20人が来校した。卒業生たちは2人1組になって高校1、2年生が待つ10教室に分かれて入り、午前10時45分から講演を行った。

 大阪大学大学院基礎工学研究科1年の塩見春奈さんは、まず「京大は単位が降ってくる。神大は落ちているのを拾う。阪大は地中から掘り出す」というジョークを紹介し、興味津々で聞き入る後輩たちを前に「阪大は単位を取るのに苦労するが、それだけ学びを深めることができる。私にとっては収穫でした」と研究生活の充実をアピール。

 さらに「学部4年生で研究室に配属されてからは、やりたい研究分野をとことん追究できました。大学院に進学してからは海外の国際学会に出席することもでき、専門分野(システム創成)によりいっそう磨きをかけられます。最先端の装置を使って研究できるのも阪大の強み」と強調した。

 早稲田大学文学部4年の拔山(ぬきやま)媛奈さんは、担当する教室で自作のパワーポイント資料を映し出しながら、大学で学んでいる専門分野について説明していた。また、自らの志望動機について「理数系科目が苦手ということもあったけれど、親族のほとんどが早稲田出身という“家族歴”が影響していると思う」と率直に打ち明けたり、在学中に所属していた演劇部での経験をユーモラスに紹介したりして、生徒たちの笑いを呼んでいた。

 神戸女学院大学音楽学部4年の安川陽菜さんは、大学での授業・試験風景などを音楽動画で紹介しながら講演し、受験勉強についての質問などに丁寧に答えていた。

 目を輝かせながら聞いていた高1の生徒は「理系といっても幅広い分野があり、世界は広いんだなあと思いました。進路選択の参考にしたいです」と話し、別の高1の生徒は「先輩と後輩の距離が近く、気さくに相談できるので、女子校に通っていてよかったなあと思う」と話した。

“すっぴん”の少女同士で成長し合う6年間

母校を背にする卒業生たち。(左から)谷口実帆さん、松岡芹佳さん、新田莉生さん、栗林利佳さん、柴野倫子さん
母校を背にする卒業生たち。(左から)谷口実帆さん、松岡芹佳さん、新田莉生さん、栗林利佳さん、柴野倫子さん

 交流会の後、卒業生たちに神戸海星で過ごした6年間の思い出や、何を学んだかなどを振り返ってもらった。

 慶応大学総合政策学部4年の新田莉生さんは、高校時代に生徒会会長を務めた。「生徒会では一つのテーマについてみんなで議論する際、数えきれないほど意見のぶつかり合いがありました。でも、少数派の意見であっても決して否定せず、全体が円滑に進むように力を尽くしました。互いに個性を認め合いながら、みんなで成長し合えたんじゃないかと思います」。新田さんは、このときの経験から、問題の発見、解決のプロセス、リーダーシップなどが身に付いたという。それらは大学生活でも大いに役に立っているそうだ。

 大阪大学外国語学部4年の栗林利佳さんはこう話す。「神戸海星はカトリック系のキリスト教学校です。このカトリックの精神から、人を思いやったり、多様な価値観を受け入れたりする心を学んだことは大きかったです。就職活動中に自己分析してみて、それらが、自分の長所になっていることに気付きました。海外に行った時に多様な文化にすんなりなじむことができたのも、そのおかげです」

 京都大学大学院法学研究科に飛び級で進学した松岡芹佳さんは、「自発的に勉強しようという雰囲気や、基礎学力はもちろん難関大学入試にも十分対応できる教育環境が整っていることが母校の魅力と強みです」と強調した。「法律の勉強をするうえで不可欠なのは数学的なものの考え方と国語力。神戸海星で確固とした基礎学力を鍛えられたのが今の自分につながっています」と力強く語った。

神戸海星を象徴する塔の上のマリア像
神戸海星を象徴する塔の上のマリア像

 女子校ならではののびのびとした校風を回想する卒業生もいる。

 愛媛大学医学部医学科4年の谷口実帆さんは「在学中は、出る(くい)も打たれず、逆に伸ばしてもらえたし、人それぞれいろんな個性があってよいということを学びました。これからは女性が活躍する時代、女子校で培われた強みを社会で生かしていきたいです」と意欲を見せる。

 京都大学文学部4年の柴野倫子さんも飾り気のない言葉で母校での日々を振り返る。「共学の中学・高校に進学していたら、もしかして恋愛のことで悩んでしまって勉強どころではなかったかも。同性同士、全員“すっぴん”で、楽しく無邪気な少女時代を満喫しました」

 秋山教諭は「学力だけでなく、数字で測ることができない力も育てています。人が困っていたら助けてあげる優しい心は、キリスト教教育の賜物(たまもの)だと思います。校名の海星は『海の星』、つまり航路を導くマリア様のことで、私たちをいつも見守ってくださいます。海星という学校は生徒にとっての『母なる港』です。大学に進学し、社会に出てからも、『いつでも帰っておいで』と待っていますから、安心して羽ばたいていってほしいですね」と笑顔を見せた。

 この日、卒業生たちの話に耳を傾けた生徒たちにも、大学に進み、後輩たちのために話をしに来る順番が来る。卒業生を迎え続ける学校の姿も「母なる港」と呼ぶにふさわしい。

 (文・写真:櫨本恭子)

 神戸海星女子学院中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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704469 0 神戸海星女子学院中学校・高等学校 2019/07/24 05:21:00 2019/07/24 09:30:35 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190723-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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