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【特集】英語、仏語の複言語教育で国際理解の幅を広げる…神戸海星

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 神戸海星女子学院中学校・高等学校(神戸市)は、開校当初から語学教育に力を入れており、必修の英語だけでなく、選択科目でフランス語も指導している。英語教育では音読などアウトプットを重視する特徴的な教育の一方、丁寧な指導で中学時代に基礎を固めている。フランス語教育では関心の高い生徒が選択授業を楽しんで吸収し、外部コンクールで優勝するなど実績を上げているという。

アウトプットを重視した英語教育

「アウトプットすることで、より理解が深まる」と話す西岡教諭
「アウトプットすることで、より理解が深まる」と話す西岡教諭

 カトリック修道会のフランス人シスターの手によって1951年に創立された同校は、当初から語学教育に力を入れており、特に発音・アクセント練習、リーディング、ピクチャーカードを使っての口頭練習など、学んだ内容をアウトプットすることを重視している。英語の授業では教室から、生徒たちが声を合わせて読む響きが聞こえてくるのは日常的なことだという。

 英語科の西岡弘就(ひろなり)教諭は、「アウトプットすることで、より理解が深まり、学んだ力を着実に自分のものにすることができます」と、その重要性を説明する。正しく発音して読む力が付けば、リスニング力が伸びる効果もあるという。音読学習は中学から高校まで継続され、大学入試問題への取り組みでも音読が行われている。

 授業以外にもアウトプットの機会はさまざまに設けられている。中1では短い劇の暗唱や歌を英語で表現する「イングリッシュフェスティバル」が実施されている。中2、中3では2~3分程度の英文を暗唱する「英語レシテーションコンテスト」、高1、高2では自分で考えたスピーチを発表する「英語スピーチコンテスト」が行われ、クラス予選で選ばれた学年代表者が技量を競う。これらは50年以上続いている英語科の伝統的な行事で、コンテストへの出場を目指して多くの生徒たちが真剣に取り組んでいるという。

 また、語彙(ごい)や文法などの知識を定着させるために定期的な小テストがあり、プリント課題を使った家庭学習も行われる。「特に基礎づくりが大切な中学では、教員がプリント課題をしっかりと添削して生徒に返却しており、個別指導の役割を果たしています」と西岡教諭は話す。プリントは各教員がそれぞれ工夫して作成しているが、学習効果の高いプリントは英語科教員間で共有し、より質の高い課題の提供を図っているという。

 教科書は「Progress21」を採用し、中学3年間で、一般的な検定教科書の約3倍にあたる3000語の英単語と基礎的な英文法をすべて習得できるカリキュラムを組んでいる。高校2年の時点で国公立大学の2次試験レベルの英文読解も可能になるという。また、この教科書は語学の面だけでなく、文化的、精神的側面も扱っているのが特徴で、「さまざまな国やその歴史、人間生活、科学、倫理、環境問題などが教科書の題材として登場します。英語学習をしながらグローバルな視点を養うことができます」と西岡教諭は話す。

 英語でコミュニケーションを取る力の育成も目標であり、中1ではネイティブの教員による英会話の授業が週1回あり、来年度からは中2でも英会話を必修化する予定だ。さらに中3及び高校でも選択科目として英会話を学ぶことができる。

丁寧な指導で基礎力を着実に養う

職員室を訪れて質問する生徒たち
職員室を訪れて質問する生徒たち

 同校の英語教育で、特に重視されているのは中学の段階で基礎力を確実に養うことだ。そのため、日々の授業と家庭学習ではさまざまなアプローチで復習を繰り返すと同時に、学習が遅れがちな生徒に対するキャッチアップ補習、定期テスト前や夏休みの補習なども行い、丁寧に指導している。

 西岡教諭は、「コツコツと真面目に取り組んでいる生徒が多いですね。その姿にお互いが刺激され、励まされて積極的に取り組む姿勢が生まれています。女子生徒の特性として、基礎を忠実に積み上げていくという学習法が合っているのではないかと感じています」と話す。

 高校2年の川合樹新(じゅに)さんは、中学入学当初は英語が得意ではなかったというが、今ではスピーチコンテストの代表に選ばれるほど発音が上達し、英語が得意科目になったという。「音読や小テストなど日々の学習にしっかり取り組んでいたら、努力の分だけ結果が出るので、達成感が得られて次へ進もうという気になれます」

 「向学心、チャレンジ精神が旺盛なのも本校の生徒の特長です」と西岡教諭は言う。高校2年の宇川萌絵さんは、コロナ禍で校内のスピーチコンテストが中止になった今年度、校外のコンテストにチャレンジし、神戸市と兵庫県の二つの大会で入賞を果たした。宇川さんは「周りに頑張っている仲間がたくさんいると励みになり、自身のモチベーションも上がります」と言う。

 実用英語技能検定の受検も盛んだ。多くの生徒が取り組み、高校2年で準1級、高校卒業時に1級に合格した生徒もいるという。高校1年の阪口和佳子さんは中3の時点で、高校卒業程度の実力とされる英検2級に合格した。「先生が放課後に受検に向けた指導をしてくださったのがありがたかったです」。生徒の積極的な学習姿勢と教員の熱心な指導の相乗効果で、高い学習成果が得られているようだ。

コミュニケーション力を目標とするフランス語教育

「フランス語との出会いを楽しんでもらえるように考えています」と言う川勝教諭の授業
「フランス語との出会いを楽しんでもらえるように考えています」と言う川勝教諭の授業

 同校は英語に加え、中3で週1コマ、第2外国語としてフランス語を学ぶことができる。英会話を選択することもできるが、半数以上の生徒がフランス語を選ぶという。

 フランス語の授業は、コミュニケーション力を育成することを第一の目標としている。フランス語担当の川勝直子教諭は、「歌やスキット、会話練習など生徒が能動的に参加できる授業で、フランス語との出会いを楽しんでもらえるようにと考えています」と言う。

 高校でも選択科目に週2コマのフランス語が含まれている。大学受験に向けて科目を選択する必要があるため、学年が上がるにつれてフランス語の選択者は減っていくそうだが、その分、継続して学習している生徒のモチベーションはかなり高いという。「受験のための学習ではなく、純粋にフランス語を学ぶことを楽しみ、頑張っている生徒の姿をうれしく思っています」と川勝教諭は話す。

 好きで学んでいるだけに生徒のフランス語力は高い。高1~高3生が学院祭で披露するフランス語劇では、長いせりふも流暢(りゅうちょう)に操って演じているという。昨年2月に開催された「第11回西日本高校生フランス語暗唱コンクール」では1~3位を独占する成績を残している。実用フランス語技能検定の合格者も多く、2019年度は、フランス語教育への取り組みが特に優秀と認められた団体に贈られる「文部科学大臣賞」を受賞した。

 昨年11月の仏語検定で、高2の宇川さんは3級、高1の阪口さんと名倉咲希さんは4級に合格した。名倉さんは、「フランス語を学び、分かることが増えていくのが楽しいです。語学を学べば、旅行先などで他国の人と交流できるのもうれしい」と、取り組みに意欲を見せる。

 同校は高2でフランス修学旅行を行っており、フランス語を選択する生徒は地元の人との会話を楽しんでいるという。川勝教諭は「たった週2回の授業で、コミュニケーションできるだけの力を身に付け、仏語検定やフランス国民教育省フランス語資格試験のDELFに合格する成果を上げているのは、生徒たちの自主的な努力の積み重ねによるものが大きいと言えます。授業だけでは合格に必要とされている学習時間には到底足りませんが、早朝補習やフランス人ゲストによる面接練習を行って効率的に力を付けるよう工夫しています。それらに全力で参加する姿勢にはいつも感心させられます」と話す。

 修学旅行以外にも同校では、希望者がオーストラリア、イギリス、フランスへ語学留学できる制度を整え、海外姉妹校からのホームステイの受け入れ、さまざまな国・地域出身の講師と交流できる国内合宿など、異文化を理解するためのプログラムを用意している。

 複言語教育や異文化理解のプログラムによって身に付ける国際的な視野は、これからの時代を生きる生徒たちにとって大きな力となるだろう。

 (文・写真:溝口葉子 一部写真提供:神戸海星女子学院中学校・高等学校)

 神戸海星女子学院中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1783981 0 神戸海星女子学院中学校・高等学校 2021/01/26 05:01:00 2021/01/26 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210120-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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