読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】「inNOVAtion」テーマにオンラインで文化祭…富士見

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 富士見中学校高等学校(東京都練馬区)は、9月26日から10月31日まで、文化祭「芙雪(ふゆき)祭」をオンラインで公開した。今年のテーマ「inNOVAtion(革新)」にふさわしく、積極的にオンラインの企画を公開する一方、リアルの絆を残そうとオープニングは生徒向けにライブ配信を行うなど、新たな表現手段を模索する開催となった。初の試みに臨んだ生徒たちの様子を紹介する。

コロナの逆境にこそ「革新」の力を

杉原教諭と生徒たちの打ち合わせもオンラインで行われた
杉原教諭と生徒たちの打ち合わせもオンラインで行われた

 「このまま中止にするのでは、生徒たちが文化祭の開催を通じて得られる経験を何もしないまま終わってしまう」。生徒会部主任の杉原誠教諭は、コロナ禍で休校が続くなか、文化祭が中止されることを危惧していた。

 例年2日間にわたって行われる芙雪祭は、外部から来場者を招く。企画展示のデザインや見せ方なども来場者に楽しんでもらうためにはどうしたらよいか、という視点で意識しながら準備を行うという。生徒たちの「芙雪祭実行委員会」は今年も、総括、メイン企画、オープニング、イベント、資材、外部飲食、コンクール、会計、広報、装飾、企画管理の11パートに分かれて準備を進めてきた。

 「文化祭が始まると、生徒たちはそれぞれの視点で1日目に感じたことを2日目に生かします。さらに、今年感じたことは来年に引き継いで生かします。そういう工夫を重ねながらより良いものに改善していくサイクルを途絶えさせたくありませんでした」

 そのため、杉原教諭は早い段階でオンラインでの文化祭開催を提案し、杉原教諭と各パートのパート長がビデオ会議システムのZoomで話し合いをした末、ようやく7月にオンラインでの開催と決まった。今年のテーマの「inNOVAtion」は、感染が拡大する前の12月に決まっていたが、コロナの逆境にこそ「革新」の力を発揮しようと、生徒たちは文化祭サイト作りに工夫をこらしたそうだ。

 杉原教諭は、オンライン開催に向けて、個人情報の扱いや著作権に配慮するとともに、生徒たちに対してメンタル面での支援を行うように心がけたという。「文化祭は富士見生のエネルギーを発揮できる場。例年通り開催できず、悔しい思い、つらい気持ちもあったと思いますが、マイナスの感情を表に出さず、前向きにとらえようとする姿が印象的でした」

試行錯誤しながらサイトを作り上げる

鮮やかな色彩で表現された「inNOVAtion」のテーマ
鮮やかな色彩で表現された「inNOVAtion」のテーマ

 芙雪祭のサイトは、クラス企画、各クラブ・委員会の企画を始め、生徒による校舎案内動画「富士見ツアーズ」、過去の芙雪祭紹介、受験生へのメッセージなどで構成されている。

 文化祭実行委員長の山田恵梨夏さん(高2)は、過去の芙雪祭の紹介ページ、校舎内を紹介する「富士見ツアーズ」、受験生へのメッセージページなどを担当した。すべての制作が初めての経験で、一人でパソコンに向かい、試行錯誤を繰り返しながら黙々と作業したという。

 各パート長たちとの調整も山田さんの役目だ。校内ではソーシャルディスタンスを気遣い、かえって会話がしにくいため、主に帰宅後にZoomでパート長10人とコミュニケーションを取り、スケジュール管理を行った。「例年の開催とは作業の割り振りも異なるので、生徒全員が参加するにはどうしたらよいかを考えるのに苦心しました。でも、サイト公開後は、友人たちに、『こんな準備をしていたんだ、大変だったね』などと言葉をかけられ、うれしかった」と話した。

 芙雪祭の企画の中でオープニングセレモニーは一般配信せず、YouTube Liveを活用して自宅にいる中1から高3生に限定ライブ配信した。学校全体で連帯して文化祭をこれから盛り上げていこうという趣旨だけに、今年もリアルでつながる部分を少しでも残したいという思いからだ。

 オープニングセレモニーを担当したのはオープニングパートのパート長吉田ひかるさん(高2)だ。夏休みの間に約2分半のオープニングムービーを制作することが決まり、短期間で各パート長に出演を依頼し、スケジュール調整や動画撮影、編集作業などを行った。

ライブ配信でダンスなどのパフォーマンスを披露する先生と生徒たち
ライブ配信でダンスなどのパフォーマンスを披露する先生と生徒たち

 当日は司会も務め、体育館から先生と生徒による2曲のダンスなどのパフォーマンスをライブ配信した。その準備となる録音や音楽の編集、会場でのリハーサルなどをこなし、本番の15分間が終わった時にはほっとしたという。「緊張して何を話したか、ほとんど覚えていませんが、家で配信を見ていた生徒たちから『よかった』という感想を聞いた時はうれしかったです」と顔をほころばせた。

 副実行委員長の三田絢葉さん(高2)は、企画管理パートのパート長を兼任し、クラス企画の取りまとめを担当した。例年だと、各クラスの企画書のチェックから始まり、準備段階でルールが守られているかどうかチェックを行うことが主な役割だが、今年は各クラスに、Webでみんなが参加できる企画を考えやすくするためアイデアを考えたり、各クラスから提出された動画やPDFをサイトにアップしたりする作業を担当した。

 もともとパソコンは得意なほうではなかったそうだが、家族や友達のサポートを受けながらWebサイトを作り上げていった。「例年通りの文化祭ができないと分かったからには、今年できることを見つけて頑張りました。新しいことを自分たちで作ってやり遂げられたということが結果としてよかった」と感じたそうだ。

新たなスキルを加えてさらに輝く

文化祭のオンライン開催を提案した生徒会部主任の杉原教諭
文化祭のオンライン開催を提案した生徒会部主任の杉原教諭

 今年、オンラインで芙雪祭を視聴した卒業生からは、「いつもと違う感じで面白かった」「新校舎の中を見られてうれしかった」「いつもは混んでいて全部回ることができないが、オンラインでコンテンツを全部見られたのがよかった」などの感想が寄せられたそうだ。また、受験生向けのコメントを見た受験生や近隣住民からも好意的な感想が多数寄せられた。

 杉原教諭も、「今年も富士見生の明るさと真面目なところ、最後までやり遂げる力、粘り強さを感じる場面が数多くありました。今年の生徒たちも本当によく頑張った。さまざまな場面で状況に合わせながら工夫して協力的に関わってくれたことに感謝しています」と語る。

 同校の文化祭は、もともと「富士見祭」という名だったが、1988年に「芙雪祭」と改称された。「芙雪」とは、富士山に降る雪を表した言葉で、明るく、気高く、美しく輝く雪が生徒の心を映す鏡になればという思いから、新しい名前に採用したという。

 今回、生徒たちはコロナの窮地を協力し合って乗り越え、Webサイトや動画作成のさまざまなスキルを身に付けた。伝統的な手法にこの新しい力を加えて来年度以降も「芙雪祭」の名にふさわしいエネルギッシュな輝きを表現してほしい。

 (文:山本華子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:富士見中学校高等学校)

 富士見中学校高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
1667231 0 富士見中学校高等学校 2020/12/04 06:00:00 2020/12/04 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201201-OYT8I50061-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)