生徒の人間力引き出すスポーツ教育…日体大桜華

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 日本体育大学桜華中学校・高等学校(東京都東村山市)は「健康・努力・敬愛」を建学の精神として、学業に劣らずスポーツ教育にも力を入れている。外部から優秀な指導者を招き、施設の充実も図っている部活動はその柱だ。高校部長の本山真教諭に同校のスポーツ教育の意義について聞くとともに、近年活躍目覚ましいダンス部と陸上競技部の活動ぶりを紹介する。

スポーツは人間力の育成に有効な教育活動

 「本校では、スポーツを単なる運動ではなく、思考力、行動力、判断力など人間力の育成に有効な教育活動として重視しています。また、スポーツを通じて、自己管理力や礼節を重んじる心を養い、社会から歓迎される女性の育成を目標としています」。高校部長の本山教諭は日体大桜華のスポーツ教育の意義をこのように話す。

 同校は1958年に、日本体育大学の教員養成のための実習受け入れ校として誕生し、「健康で豊かな知性と人間性を備え、国際社会で活躍する女性」の育成を目指してきた。特にすべての土台となる健康作りのため、スポーツ教育が盛んだ。

 本山教諭によると、とりわけ部活動はスポーツ教育の中心に位置付けられていて、技能の向上だけでなく、集団の中での立ち居振る舞いを学び、己の役割を果たし、自己実現を図る場となっているという。

躍進のダンス部、ダンスパフォーマンス専攻も新設

ダンス部顧問の須佐記子教諭(左)と渡辺有紗乃コーチ
ダンス部顧問の須佐記子教諭(左)と渡辺有紗乃コーチ
ダンス専用スタジオのほか、バスケットボールのフルコート2面分の広さがある新設の第3体育館
ダンス専用スタジオのほか、バスケットボールのフルコート2面分の広さがある新設の第3体育館

 数ある同校の部活動の中で近年、注目されているのがダンス部だ。小学校時代からダンスと真剣に向き合う児童が増えていることを背景に、同校は2018年度から高校に「ダンスパフォーマンス専攻」を新設し、ダンス専用スタジオを設けるなど、本格的にダンス(ヒップホップ系)が学べる環境を作った。

 ダンス部はそれに先駆けて16年から、新進気鋭のコレオグラファー渡辺有紗(あさの)乃さんをコーチとして招聘(しょうへい)し、活動を本格化。18年7月に行われた「全日本高等学校チームダンス選手権大会(大編成部門)」に初出場し、9月の全国大会への切符を手にした。翌19年1月の「第10回全国高等学校ダンスドリル冬季大会」では、ヒップホップ女子部門ラージ編成で第3位に入賞した。現在67人の部員が活動し、生徒たちの人気を集めている。

 着任後わずか2年で部を全国大会へ導いた渡辺コーチは、18年に開催された大規模なダンス・エンターテインメント作品コンテスト「Legend Tokyo Chapter8」に出場し、デュオのコレオグラファーとして舞台を演出して、ぴあ審査員賞と舞台演出家審査員賞を受賞した実力者だ。

 部員の指導について渡辺コーチはこう語る。

 「ダンスは楽しいものだと伝えるようにしています。楽しく練習したことが大会での結果につながる、というのが理想です。練習メニューもサーキットトレーニングのほか、リレーやビーチフラッグなどを取り入れ、飽きずに楽しく取り組める工夫をしています。ダンスが上達することはもちろんですが、内面の成長がダンスのスキルや表現力の向上に及ぼす影響は少なくありません。メインの大会以外にも「多摩六都ヤング・ダンスフェスティバル」をはじめとする地域イベントや介護施設の夏祭りにも参加して視野を広げ、社会に出た時に大切な、人を思いやる気持ちや礼儀などの人間的な成長をするよう願っています」

 同部の部員の約半数は初心者からのスタートだという。高3の部長も、入部時はダンス未経験だった。「最初はヒップホップからでしたが、文化祭でいろいろなジャンルに触れ、幅広いダンスの魅力を知りました。部の目標は一つでも多くの大会で賞を取ることです。基礎を大切にしながら、部員同士で話し合って、思いを共有して、みんなで成長したいと考えています」と話す。

 同部の練習は週6日、月・火・木・金曜日は午後4時から午後6時半まで、水・土曜日は午後2時から午後5時までだ。夏休みなどの長期休暇にも集まって汗を流す。朝練や部活の後に自主練をする部員もいるという。顧問の須佐記子教諭は「スタジオが新しくなり、実績のある指導者のもとで練習できる。この恵まれた環境を当たり前と思わず、自主的に行動できる人になってほしいと思っています」と話す。

 同部の部長は、「昨年度は2度も全国大会に行けましたが、上級生が卒業した今が一番大変。でも、コーチのおかげで部活動は楽しいです。ここで学んだことを将来に生かすとともに、ダンスにずっと関わっていけたらいいなと思っています」と話した。

陸上部は8年連続で関東大会出場

陸上競技部顧問の小野哲史教諭
陸上競技部顧問の小野哲史教諭
200メートルトラックや80メートルの全天候型走路3レーンが整備されたグラウンド
200メートルトラックや80メートルの全天候型走路3レーンが整備されたグラウンド

 目下めきめきと力を付けている陸上競技部も紹介しよう。活躍のきっかけは小野哲史教諭が9年前に部の顧問に就任したこと。1年目は都大会で上位入賞にとどまったものの、翌年から8年連続で関東大会に出場し、うち4回インターハイに出場する快進撃ぶりだ。近年、短距離と投てき競技の選手が力を付けており、17年には200メートル走とやり投げでインターハイ出場を決めるなど活躍が目覚ましい。グラウンドには200メートルトラックや80メートルの全天候型走路3レーンが整備されており、43人の部員が週6日の練習に汗を流している。

 小野教諭は指導のポイントについてこう話す。「陸上競技は自分の身体だけで挑むシンプルな競技ですから、発育段階や個性に合わせた指導を行うように気を付けています。感覚のスポーツでもあり、速く走るイメージも人によって違います。特に身体の使い方などについては、改善の方法を具体的にアドバイスするようにしています」

 小野教諭自身もかつては陸上選手として活躍した。高校時代は400メートルで国体4位、インターハイでは400メートル6位、400メートルリレー4位と活躍しただけに部員たちを見守る視線は細やかだ。

 「人間的な成長を促すため、自律と協調、感謝が大切であることを日々話しています。グラウンド以外でも自らの行動を律すること。チームメートを応援し、自分も周りから応援されるにふさわしい人間になること。競技に打ち込むことができているのは周りの支えのおかげだということをよく考え、感謝の気持ちで人に接すること。それらができてこそ記録も向上すると思います」

 小野教諭は少しでも部員たちの能力を伸ばしてやれるよう常に研鑽(けんさん)を怠らない。U19日本陸上競技連盟関東ブロックの指導者講習会などに積極的に参加し、最新の指導方法に対してアンテナを高くしているという。

 走り幅跳びの選手である同部の部長(高3)は今年の目標について「個人の目標はインターハイ出場。部としては8月に行われる私学大会(東京都私立中学高等学校陸上競技選手権大会)で優勝することが目標です。3年生の多くはそこで引退なので、力を合わせ、悔いのない大会にしたいと思います」と話した。

 紹介したダンス部と陸上競技部以外にも、同校の部活動の指導者たちは、全国制覇や世界選手権出場などの経験を持つ優秀な人材がそろっており、施設面も常に充実が図られている。同校には、かけがえのない6年間をスポーツに打ち込むための素晴らしい舞台がある。

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:日本体育大学桜華中学校・高等学校)

 日本体育大学桜華中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

580474 0 日本体育大学桜華中学校・高等学校 2019/05/14 05:21:00 2019/05/14 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190513-OYT8I50021-T.jpg?type=thumbnail

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