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【特集】高3の選択科目で、興味ある分野をより深く…同志社女子

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 同志社女子中学校・高等学校(京都市)の「リベラル・アーツ」コースには、高3で週16時間の「選択科目」が設けられている。コース生のほとんどは同志社大学か同志社女子大学へ推薦進学するため受験勉強に追われることなく、生物、地学、情報、現代社会などのテーマから自分の適性や考える将来に合わせ、選んで学べるという。人気の「生物探究」の授業を中心に、コース生たちの学習風景を取材してきた。

マウスの解剖通して科学のリテラシーを身に付ける

古谷教諭(左)がマウスを扱う手つきをのぞき込む生徒たち
古谷教諭(左)がマウスを扱う手つきをのぞき込む生徒たち

 同校の生徒は、中学では混成クラスで学ぶが、高校で週6日制の「ワイルド・ローヴァー」と週5日制の「リベラル・アーツ」とに分かれる。

 「ワイルド・ローヴァー」は、同志社の創立者新島襄が江戸幕府の鎖国令を破り、米国に渡った時に乗った船の名を取っており、理系難関大学など幅広い進路を目指すコースだ。対して「リベラル・アーツ」は、新島が学んだ米国アーモスト大学の教育方針に由来する名で、幅広い学びで豊かな人間性の育成を目指す点に特徴がある。

 「リベラル・アーツ」は同志社大学及び同志社女子大学への推薦進学を基本とするため、高3で週16時間の「選択科目」が設けられており、生徒は自分の適性や将来の夢に合わせてさまざまな分野を深く学ぶことができる。

 この「選択科目」を取材するために9月15日、生徒たちに人気がある「生物探究」の授業を見てきた。理科教室をのぞいてみると、白衣やエプロンに身を包んだ生徒たちが、ピンセットや柄付き針、眼科用のはさみを手にして、マウスの解剖に取り組んでいた。

1人1体製作することになっている骨格標本
1人1体製作することになっている骨格標本

 マウスの解剖は例年、夏休み前から毎週火曜日の3、4時間目に行われている。今年は各クラスから希望した24人が受講している。目標は、1匹ずつ割り当てられたマウスで、おのおのが骨格標本を完成させること。この日は4回目の授業で、次回で終了するという。

 「先生、脳をどうしたらいいか分かりません」と声が上がった。指導する古谷直子教諭が駆け付け、手先を器用に動かしながら、「上あごのところが軟らかいから、ここをピンセットで」などと実演すると、周囲でのぞき込んでいる生徒たちから悲鳴混じりの歓声が上がった。

 ひとしきりざわついた後、教室は静寂そのものに返った。3時間目の終わりを告げる鐘が鳴っても、生徒たちは黙々と手を動かしていた。

 古谷教諭は15年ほど前から本格的な解剖実習を行っている。その狙いは科学の基礎的なリテラシーを身に付けてもらうことだという。受講者の中には文系を志望する生徒も多いというが、「文系の生徒でも一般的な教養として、新聞などに載っている科学的な記事をしっかり理解できるようになってほしい」と期待を込める。

 生き物の命を扱うだけに、解剖に入る前の授業では、生命の誕生について学ぶ時間を必ず設けているという。「不妊治療」や「命の選択」、「里親制度」などの問題にも触れる。「皆が命を授かったのはいろんな奇跡が重なったからなんだよということや、これからの人生で直面するかもしれない命の問題について、考えるきっかけになれば」と古谷教諭は話す。「授業で学んだことが妊娠や出産、子育てをするうえで役に立った」と卒業生から声をかけられることもあるという。

学びたいことを自分の意思で勉強してもらう

地学探究の授業ではグループごとにプレゼンテーション資料をまとめていた
地学探究の授業ではグループごとにプレゼンテーション資料をまとめていた

 他の選択科目の教室も見てきた。「地学探究」の教室では、生徒たちがグループに分かれ、パソコンをのぞき込みながら、プレゼンテーション用資料をまとめていた。研究テーマはグループごとに生徒たちが決める。あるグループは「紫外線対策を行っている部位」についてのアンケート調査を学内で行ったという。表計算ソフト「エクセル」を使い、慣れた手つきで結果をグラフ化していく。エクセルやワード、パワーポイントなどの基本的なソフトの使い方は、高1の「情報」の授業で学んだのだという。

 「情報探究」の授業では、プログラム言語を使って、三角形を三つ組み合わせた「同志社マーク」を描く作業に挑戦していた。「現代社会演習」の教室では、SDGs(持続可能な開発目標)に果たす企業の役割をテーマに生徒が発表していた。担当教諭は「国ではなく企業を取り上げた視点が良い」と評価したうえで、「企業がSDGsを達成するために頑張ることで利益が上がる、そういう仕組みができれば、皆が一生懸命やるようになるんじゃないか」と問題提起した。大学のゼミをほうふつとさせる雰囲気だった。

 各教室を案内してくれた入試センター部長の吉田和高教諭は「学びたいことを自分の意思で勉強してもらうのがこの選択科目の狙いです」と説明する。「やらされる勉強じゃないので積極的に取り組むことができます。受験には役立たないかもしれないけれど、大学に入ってこういう経験が役立つこともあるし、学部の選択につながるケースもあります」。古谷教諭によると、「生物探究」を受講した生徒の中には、獣医学科に進学したり、骨格標本関係の仕事を志したりした卒業生もいるそうだ。

情報探究の授業では同志社のマークを描くプログラミングに挑戦していた
情報探究の授業では同志社のマークを描くプログラミングに挑戦していた

 吉田教諭によると、同校からは毎年、約9割の生徒が内部推薦制度を利用して同志社大学と同志社女子大学に進学しているが、人気が高い学部への進学は、高校時代の成績の良い生徒が優先されるという。近年は同志社大のグローバル・コミュニケーション学部などが人気だそうだ。

 「大学の学部のことを考えて、高校生になったら勉強をしっかりやろうという子もいますが、のんびりした雰囲気の中で本当にのんびりしてしまう子もいて、生徒によって温度差がありますね」と吉田教諭は苦笑する。

 「普通に受験勉強して大学に入ってきた人と比べると、受験に必要な学力の面では、見劣りする部分があるかもしれません。ただ、大学に入ってからは、受験のための学力だけで勉強し続けるわけにはいかず、自分たちで調べたり、リポートを作ったり、プレゼンテーションしたり、ということもやらないといけない。それを経験しているうちの生徒ならではの持ち味を、大学で発揮してもらえたらいいと思います」

 (文・写真:井澤宏明)

 同志社女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1693872 0 同志社女子中学校・高等学校 2020/12/15 06:00:00 2020/12/15 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201211-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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