「中高6年の内に自分の未来像持たせたい」…白梅清修

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 白梅学園清修中高一貫部(東京都小平市)の新校長に、今春から白梅大学特任教授の山田(ゆたか)氏が就任した。同校の特色である女性教育の意義や少人数制のメリット、英語教育の展開などについての山田校長の考えを聞くとともに、今後の新しい取り組みや抱負についても紹介する。

自分の考えを主張し、自分らしさを表現できる女性に

白梅大学子ども学部の特任教授を兼任する山田裕校長
白梅大学子ども学部の特任教授を兼任する山田裕校長

 山田裕校長は、東京都の公立小学校の教員となり、定年退職までの14年間は校長を務めた。長年の教員経験を生かし、4年前から白梅学園大学の子ども学部で特任教授として、小学校教諭や幼稚園教諭の教職課程を指導。今春から白梅学園清修中高一貫部の校長を兼任している。「人の幸福は、自己実現にある。それを支援するのが学校の役目」という言葉がモットーだ。

 ――校長に就任してみての感想はどうですか。

 本校の「一人一人に備わっている才能・特徴を発見し、最大限に伸ばす」という教育理念にとても共鳴しました。これは人の成長にとても大切なことです。ただ、気持ちの高まりを覚える一方、女子校は初めてでしたので、戸惑いもありました。それで、本校に近い津田塾大学に高橋裕子学長を訪ね、女子教育について指南を受けました。すると、『多くの女性が男性をどこかで意識し、一歩下がってしまう』とおっしゃるんですね。『でも、それでは本当の意味で男女平等参画社会にはならない』と教わり、とても感銘を受けました。

 女子校の良さは、異性を意識することなく自分の考えを主張し、行動できる環境だということです。そうした習慣を身に付けた生徒たちは、社会に出てからも同じように行動できるのではないかと思っています。本校の生徒には、女性の人権や役割、社会に出た時にどう生きていくのかを教えたい。そして、性別を意識せず、自分の考えをしっかり主張し、自分らしさを表現できる女性を育てたいですね。

 ――先生たちの指導ぶりについてはどうでしょう。

 教員たちが生徒一人一人のことをよく知っているのには驚きました。本校は1学年30人ほどの少人数制の学校ですが、名前はもちろん、それぞれの個性や課題までを全員が把握し、共有しているので、一人一人を異なる観点から多面的・多角的に評価できます。これは生徒の側からすると、いろんな先生に見てもらうことで必ず自分の良いところを誰かに見つけてもらえるということです。担任に限らず、自分が一番信頼できる先生を見つけることができるのも、本校ならではのメリットでしょう。思春期の女子にはとても大切なことだと思います。

 ――ゴールデンウィークの10連休明けですが、長期休暇後ということで生徒たちの生活面に心配な変化はありませんでしたか。

 全職員が全生徒の情報を共有し、サポートしているので、不登校などの問題が生じた生徒は一人もいませんでした。不登校のきっかけを作らないためには、生徒たちの問題を早期発見することです。よく私は、目配り、気配りと同時に“聞き配り”が大切と話します。生徒たちの会話の中には問題が隠れていることがあります。そうした兆候を聞き逃さないようにすることが重要です。

英語ガイドでコミュニケーションの面白さを

中1の宿泊研修は英語力を身に付けながら友達との交流を深める
中1の宿泊研修は英語力を身に付けながら友達との交流を深める
宿泊研修の集大成となる高1のカナダ研修
宿泊研修の集大成となる高1のカナダ研修

 ――英語教育には特に力を入れているそうですね。

 本校では、ネイティブの教員が4人常勤して指導にあたっています。生徒数を考えると、かなり充実した指導体制だと思います。ネイティブの先生には、コミュニケーションの楽しさを引き出すことに重点を置いて授業をしてもらっています。

 また、英語を学ぶさまざまな研修を学年ごとに行っています。中1~中3生の「英語宿泊研修」では、英語の授業やアクティビティーなどを取り入れた英語漬けの生活を体験し、英語学習への関心を高めています。特に中1の宿泊研修は入学オリエンテーションを兼ねていて、英語力を身に付けながら友達と交流を深め、これから始まる学校生活の心構えをしてもらう場になっています。

 こうした宿泊研修の集大成となるのが高1生向けの2週間のカナダ研修です。中1から学んできた英語力を試すとともに海外の文化・歴史や生活に触れてもらうのが目的です。

 今年から新たな試みとして12月に、中2生の修学旅行を兼ねた広島・京都での3泊4日の国内英語実践研修を行います。現地の文化や歴史を事前学習し、留学生とチームを組んで実際に観光地でガイドをしてもらいます。外国人を案内するためには、まず自国の文化を学び、理解しなくてはなりません。さらに、英語で紹介するという体験を通して、生徒たちには英語力を高めるだけでなく、コミュニケーションの面白さを見つけてほしいですね。

 本校は生徒だけでなく、地域の小学5、6年生を対象に、ネイティブの教員による無料の英語教室を、毎週火、木、金曜の夕方に開催しています。小学生のうちから英語の楽しさを知ってもらえますし、地域貢献にもなります。以前はあまり告知をしていなかったのですが、こんないい取り組みですからもっとPRした方がいいと、今年はチラシを配って募集しました。5月に保護者説明会を行い、ネイティブの教員と中学生で模擬授業を行ったところ、とても好評で申し込みが増えました。

近隣3大学と連携した学びで夢や憧れ持たせたい

 ――これからの取り組みを聞かせてください。

 本校の周りには大学が3校あります。白梅学園大は幼児教育や小学校の教員の育成、津田塾大は英語教育、武蔵野美術大は芸術というそれぞれの特色があります。こうした大学と連携し、専門を生かした学習を取り入れたいと考えています。例えば、白梅学園大の絵本が専門の先生に『なぜ読み聞かせが大切か』といった理論を学び、付属の幼稚園で読み聞かせを実践する、といった授業ができますよね。さらに、絵本作家になりたいと思えば武蔵野美術大がある。こうした大学の学びを取り入れることで、将来の選択肢を増やし、生徒に夢や憧れを持たせるきっかけを作りたいですね。

 山田校長は、「生徒には中高6年の間に自分の未来像を持たせたい」と考えている。「今はまだ夢を持てないでいる子でも、いろんな体験ができ、必ず夢を持てるような学校にしていきたい。そのためにどう取り組んでいくかが今後の課題です」

 生徒に夢を持たせることが山田校長の夢なのだろう。そのビジョンがどんな形で実現するか楽しみだ。

 (文・写真:石井りえ、一部写真提供:白梅学園清修中高一貫部)

 白梅学園清修中高一貫部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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678859 0 白梅学園清修中高一貫部 2019/07/10 05:21:00 2019/07/10 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190708-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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