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【特集】「DDコース」スタート、校舎に響く生徒の元気な英語…国本女子

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 国本女子中学校・高等学校(東京都世田谷区)は4月、カナダと日本の高校卒業資格を同時に取得できる「ダブルディプロマコース(DDコース)」をスタートさせた。生徒たちは同校内にあるカナダ・アルバータ州認定の海外校「KAIS」のカリキュラムで学ぶため、英語漬けの日々を過ごしている。元気のいい1期生の様子を紹介しよう。

日本の「国語」にあたる英語圏の授業、ELA

英語でディスカッションする生徒たち
英語でディスカッションする生徒たち

 「Today is a discussion day,yeah!(今日はディスカッションの日だよ、いいかな)」。カナダ・アルバータ州認定教員のジョシュア・サンガ先生のかけ声で「English Language Arts(ELA)」の授業が元気よく始まった。

 この日のテーマは「What is your favorite holiday?(あなたが好きなお休みは何)」だ。生徒たちは輪になって、自分の思いをどんどん英語で語っていく。「I like Christmas, because I can get lots of presents(私はクリスマスが好きです。プレゼントがたくさんもらえるからです)」

 お盆、ハロウィーン、正月……。生徒たちは口々に好きな理由を英語で話し、クラスメートの発言には、「I think so too(私もそう思う)」と相づちを打ちながら、盛り上がっていた。

 ELAの授業は、日本の「国語」にあたる英語圏の授業だ。カナダ人のサンガ先生とダニエル・クロッカー先生、日本人の外野(そとの)由子(ゆうこ)先生の3人でDDコース1期生の8人を教えている。

 最初の15分は日替わりで、月曜はディスカッション、火曜はリーディング、水曜は映画を題材に学び、木曜はライティング、金曜はスペリングテストが行われる。

 残りの時間はリーディングと文法を主に学んでいる。1人1台iPadを使いながら、短いストーリーをみんなで読み進める。この日は背の高い男の子の話を取り上げ、主人公や父親の心情などを読み取っていった。日本語は一切使わず、分からない英単語が出てくると英語で説明する。文法の説明も英語で行われていた。

授業時数は公立の3倍で英語漬けの毎日

「中学3年間で、英語で他教科を学べる英語力を付けます」とサンガ先生
「中学3年間で、英語で他教科を学べる英語力を付けます」とサンガ先生

 サンガ先生は、「DDコースの生徒の半分は、アメリカ、スリランカ、台湾からの帰国生です。1学期は英語のレベルが生徒によって違うので基礎を徹底しましたが、2学期からはスムーズにリーディングを中心とした授業を進めています」と話す。

 サンガ先生は「間違えることを楽しむ、自分の英語をあきらめない、心を開く」という授業の3原則を生徒たちに徹底させている。互いを受け入れ合う雰囲気を作って、授業を進めるうちに、帰国生でない生徒も、英語を日本語に訳して考えるのではなく、英語を英語のまま理解するようになってきたという。

 「生徒全員が英語を向上させたいという強い目標を持っているので、物おじする生徒はいません。初めてのホームルームでも全員が臆することなく話そうとするので、驚きました。話すのが好きという積極的な生徒ばかりです」

 外野先生は「英語を上達させるだけでなく、異文化理解も大切にしています。外国人の先生や帰国生の友達から海外の文化を学ぶこともあり、世界にはさまざまな価値観を持つ人がいることを肌で感じるのです。日本と世界をつなぐ人に育ってほしいです」と期待を寄せる。

 週に5コマのELAのほか、通常の英語の授業も7コマある。計12コマの英語授業は公立中学の3倍にもなる。通常授業では進学校の多くが採用しているZ会の教科書「NEW TREASURE」を使う。生徒8人をさらに三つのレベルに分けた授業で、文法をしっかり学ばせる。さらに、ホームルームの連絡事項や教室の貼り紙などにも英語が使われていて、まさに英語漬けの学校生活だ。

 こうした中学3年間の独自のカリキュラムで、英語4技能をまんべんなく身に付けて、高校に上がると、同校内に開校したアルバータ州政府認定の海外校「KAIS(Kunimoto Alberta International School)」のカリキュラムに従って、英語、数学、理科、社会、体育などを英語で学ぶことになっている。このほか、日本の高校課程も同時に学ぶが、両方の単位として認められる授業も多くあるため、生徒は高校3年間でアルバータ州と日本の高校の卒業資格を同時に取得できるシステムになっている。

 卒業後は海外の大学や、早慶上智ICUなどの難関私立大、なかでも英語で学ぶ学部への進学を目標にしているという。

英語をたくさん話す授業で積極性が身に付く

教室の掲示物もすべて英語で表記されている
教室の掲示物もすべて英語で表記されている

 DDコース第1期生の一人は、アメリカに4年間住んでいた帰国生だ。「将来は海外大学に進学したいと思い、入学しました」という。すでに実用英語技能検定2級を小学生の時に取得しているが、「知らない英語がたくさん学べるので楽しいし、ネイティブならではの言い方を学べるところが、気に入っています」という。「普通の学校と違って、英語を話す先生が常に周りにいます。自分の意見を言ったり、相手の意見を知ったりするのが楽しくて、人と話すのが大好きになりました」

 別の1期生は、両親が英語を使う仕事をしている関係で、0歳から英語を習い、自然と英語が好きになったという。「授業中に知らない単語があっても、サンガ先生は私が知っている単語を使って説明してくれるので、とても分かりやすいです。一方通行の授業ではなく、生徒もたくさん話すので、楽しいです」。宿題は大変だというが、英語力の伸びを実感しているそうだ。「ここに入学してから、自分が積極的になったと思います。学校で話す機会が多いので、外国人に対しても話しやすくなりました」

 2人が楽しみにしているのは、6年間で2回行われるアルバータ州での研修だ。中3では4週間の語学研修、高2では6週間のサマースクールに全員が参加する。2人はそれぞれ「3年間習ってきた英語スキルが使える」「外国人の友達を作りたい」と話した。

 なお、希望者には1年間の留学制度もあり、留学しても3年で高校を卒業できるシステムになっている。

アルバータ州と日本、それぞれの教育の良さを生かす

「日本と世界をつなぐ人に育ってほしい」と話す外野先生
「日本と世界をつなぐ人に育ってほしい」と話す外野先生

 今年のDDコースは8人でスタートした。外野先生は「英語力を伸ばすには、生徒と教員が頻繁に会話できる人数でないと意味がありませんから、今後も1クラス20人まで、日本人教員とアルバータ州認定教員の2人体制で指導していきます」と話す。

 サンガ先生も、「グループワークやペアワークを多く取り入れ、生徒がアクティブに学べるようにしています。扱うトピックも、歴史や自然科学など多岐にわたりますから、知識も増え、高校に上がった時に、英語で他教科を学ぶ基礎になっていきます」と胸を張る。英語で学ぶ「KAIS」のプログラムにもスムーズに移行できる見込みだ。

 アルバータ州の教育はカナダの中でも質が高いと評価されている。OECD(経済協力開発機構)が実施する学習到達度調査(PISA)でも、読解力と科学的リテラシーではカナダ10州中で1位、国別に換算すると世界1位と同等のレベルだ。数学的リテラシーでもカナダ10州中3位で世界8位に相当する。

 日本は数学的リテラシーが1位、科学的リテラシーが2位であるものの、読解力は11位にとどまる。日本とアルバータ州の両方の教育を受ければ、3分野で最高の教育を受けられると言える。6年後の彼女たちの成長ぶりが今から楽しみだ。

 (文・写真:小山美香)

 国本女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1706980 0 国本女子中学校・高等学校 2020/12/18 06:00:00 2020/12/18 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201217-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

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