読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】生徒それぞれが目標を見つけるのを信じ見守る…フェリス

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 フェリス女学院中学校・高等学校(横浜市)は、明治維新後間もなく来日したアメリカ改革派教会の女性宣教師が1870年に創立したプロテスタント系学校だ。「For Others(他の人のために)」の教育理念のもと、人とのかかわりを大切にしながらも、自主性を持ち、個性に富んだ生徒の育成に取り組んできた。同校で約40年教鞭(きょうべん)を執ってきた廣瀬政明校長に、これまでの歩みと現在の教育の方針を聞いた。

3代校長の遺志を込めた「For Others」

 ――学校とキリスト教とのかかわりを教えてください。

「目標が見つかると生徒は大きく変わり、伸びていく」と語る廣瀬校長
「目標が見つかると生徒は大きく変わり、伸びていく」と語る廣瀬校長

 本校の創立者メアリー・E・キダーは、「日本でキリスト教を広め、女子教育を確立する」という強い信念を抱いて1869年にアメリカから日本にやってきた宣教師です。その後もアメリカ人宣教師が代々校長を務めましたが、1923年、3代目校長のジェニー・M・カイパーは、関東大震災の折に倒壊した校舎で亡くなりました。救助にやってきた人々を、「危険だから私を置いて早く逃げなさい」と促したと言います。

 そのカイパー校長の遺志を継ぎ、誰からともなく「For Others(他の人のために)」という聖書の言葉を盛んに口にするようになりました。「どんな時でも他の人たちのことを心にとめなさい」というキリストの教えで、今ではこれが私たちの教育が目指すところとなっています。

 ――教育方針を詳しく説明してください。

 「キリスト教信仰」「学問の尊重」「まことの自由の追求」が、本校の教育の三つの柱となっています。授業では、教科書の内容だけにとどまらない深い問題にも触れ、生徒の知的探求心を刺激しています。ただし、一定の分野に偏るのではなく、幅広く多彩な内容に触れて視野を広げることを大切にしています。例えば、高校では理系・文系のクラス分けはなく、各自が授業を選択することで、興味がある分野についての知識を広げることが可能になっています。

 単に「自由の追求」ではなく「まことの自由の追求」としているのは、外からの束縛に対してだけでなく、「自分自身からも自由になってほしい」という思いを込めているからです。世間を気にするあまり、人は自身の行動や考えに制限をかけてしまいがちです。自分を見つめ直し、心から求めていることを、自らの意思で自由に行うことができる人になってほしいと考えています。

 ――先生から見た生徒たちはどんな様子ですか。

 活発で自主性に富み、個性的な生徒が多いですね。本校に赴任して40年以上、校長を務めて5年目になりますが、これはずっと変わっていません。学校に「これをしなさい」と言われてそれに従うのではなく、自分の個性を発揮する場を求めている生徒が多いのです。そのため、非常に多様な生徒が育つ環境となっています。

目標が見つかると生徒は大きく変わり、伸びていく

 ――授業はどのように行われていますか。

中学では、自主的な学習姿勢を育てるとともに、全教科で基礎学力の充実を目指す
中学では、自主的な学習姿勢を育てるとともに、全教科で基礎学力の充実を目指す

 6年間一貫教育の観点から、まず中学では、自主的な学習姿勢を育てるとともに、全教科で基礎学力の充実を目指します。さらに高校では、学問をより深く知り、生徒一人一人の興味・関心を伸ばすために選択科目を設け、効率の良い学習にも努めています。

 このため少人数教育を取り入れており、中学では英語や聖書の授業、高校では英語、数学、必修選択などの授業を少人数クラスで行います。さらに高3では、志望する進路に応じて、学びたい科目、必要な科目を自由に選択できるようにし、これも少人数クラスで授業しています。

 ――授業以外の活動についても紹介してください。

修養会では、自分の生き方をテーマに生徒同士が真剣にディスカッションする
修養会では、自分の生き方をテーマに生徒同士が真剣にディスカッションする

 中1、中2、高1は「修養会」に参加します。これは、「友達とは」「生きるとは」といったテーマで生徒同士真剣なディスカッションを行うもので、中1は1日、中2・高1では2泊3日の泊まりがけ行事となります。今の子供は、自分の生き方といった重い内容について真面目に話すことを気恥ずかしく感じるようですが、この修養会では、自分たちが納得いくまで本音で話し合うことができ、高校を終える頃には、「修養会が学校生活最大の思い出」という生徒も少なくありません。

 クラブ活動は、生徒が自主的に行っているのが特徴です。私は長年テニス部の顧問を務めた経験があり、今でもよく練習に顔を出しています。

 卒業生を招いて講演会を開催することもあります。筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)という難病と闘っている卒業生は、「『私らしく』をあきらめない ――難病ALSの私から皆さんにお伝えしたいこと――」というテーマで生きることの意味を訴えました。体の動きが制限されていながらも、積極的に外出し、精力的に講演活動を行っている卒業生の様子を見て強く心を動かされ、病気の人を支える仕事がしたいと、薬学部を志すようになった生徒もいます。

 中学から高校にかけての6年間は大変多感な時期であり、悩んだり壁にぶつかったりすることがあります。無理やり「こうしなさい」と言うのではなく、きっかけをつかむまで信じて見守ってあげることが大切です。「自分はこれをやりたい」という目標が見つかると、生徒たちは大きく変わり、伸びていくものです。

 ――国公立・有名私大への合格者も多いですね。どのような進路指導をしていますか。

 担任が進路指導を行っていますが、どの道へ進むか、自分で決断することができるよう努めています。目標がはっきりすると、やはり意欲が違ってきます。卒業生講演会のように、これからも、生徒が目標を見つけるためのきっかけ作りを続けていきたいと考えています。

 ――校長先生は今でも教壇に立っているそうですね。

 週に1回、中1の地理の授業を受け持っています。やはり教室の中で生徒たちにじかに接する機会を持つことは大切です。校長としての職務がどんなに忙しくても、教職者として、これは譲れない一線だと思っています。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:フェリス女学院中学校・高等学校)

 フェリス女学院中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
1528449 0 フェリス女学院中学校・高等学校 2020/10/09 05:01:00 2020/10/27 09:59:10 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201007-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
お買い上げ金額から10%OFF
NEW
参考画像
1ドリンクサービス(お一人様1杯)
NEW
参考画像
1,000円以上お買上げの方に「とうきび茶」プレゼント
NEW
参考画像
「ふぞろいの牛タン・切り落とし」一品プレゼント!
NEW
参考画像
ファーストドリンク一杯無料

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)