読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】DDコース人気、中学の準備コースにも波及…文大杉並

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 「ダブルディプロマ(DD)コース」の草分け的存在である文化学園大学杉並中学・高等学校(東京都杉並区)は、同コースの卒業生を数多く、海外大学や国内の語学・国際系の大学・学部へ送り出してきた。こうした実績が好感され、このコースへ接続する中学の「DD準備コース」も帰国生を中心に入学志望者の人気を集めているという。昨年度、スタートしたSTEAM教育プロジェクトと合わせ、学校づくりの取り組みを紹介する。

DD準備コース設け、高校にスムーズ接続

BC州の正式な教員免許を持つカナダ人教員とスタッフ
BC州の正式な教員免許を持つカナダ人教員とスタッフ

 同校は2015年度、高校にDDコースを開設し、英語圏の中でも教育水準が高いとされるカナダのブリティッシュ・コロンビア州(BC州)の授業を日本のカリキュラムに組み入れた。これにより、3年間でカリキュラムを修了すれば、日本とカナダ両国の高校卒業資格を同時に取得することができ、海外進学の機会が大きく広がったという。

 開設から6年目となる20年度末現在、DDコースの卒業者数は84人を数え、その約4分の1に当たる22人が海外の大学に進学した。そのほか、半数を超える生徒が国公立大学や早慶上理、ICU、GMARCH、また獨協、APUといった英語力を重視する大学に進むなど、高い実績を上げている。

 ただ、DDコースは英語中心の授業が多く、授業水準も高い。通常だと学年あたり週35時間前後の授業時間が週45時間ほどになり、そのうち4割から6割が、BC州の正式な教員免許を持つカナダ人教員によるオールイングリッシュの授業だ。このため、生徒への負担も小さくはない。そこで中学からスムーズに接続できるよう、同校が4年前に開設したのが、中2、中3を対象とする「DD準備コース」だ。生徒は中学2年次に、「DD準備コース」か「中高一貫コース」かのどちらかを選択する。

 このコースでは、英語の授業はBC州教員による「ランゲージアーツ(言語技術)」の授業が主体となり、数学や理科の一部授業も英語で行っている。各クラスはさまざまな英語力を持つ生徒が混在する構成になっている。その中で、英語の授業のみ「アドバンストクラス」「スタンダードクラス」という形で、英語力に応じた取り出し授業を行っている。

 また、高校のDDコースのカリキュラムが、PBL(課題解決型学習)を基本としているため、DD準備コースでもPBL型の授業を各科目に取り入れ、学ぶ意識の面でもDDコース進級後に備えている。

「帰国生など英語上級者の入学が増えました」と話す西田教諭
「帰国生など英語上級者の入学が増えました」と話す西田教諭

 入試広報部長の西田真志教諭によると、DD準備コースの開設以来、帰国生の入学者が増加しており、帰国生の受験希望者は18年以来、毎年約20人のペースで増加しているという。さらに、これを受けて学年全体の英語への関心も高まっている。「どのクラスにも2~3割の英語上級者がいるので、周りの生徒は刺激を受けて頑張るようになります。現在の中3生は中2終了時にはほぼ9割が英検3級を取得していて、約半数は高校1~2年レベルの準2級以上です」。今春の中1生は、110人のうち55人が英検の資格を持ち、うち25人は英検2級以上の取得者だという。

 DD準備コースの生徒は当然、英語力の向上を期待されるが、選択する時点で英検4級程度の実力があればよいという。「帰国生など英語上級者の入学は増えましたが、やはり主流は英語初心者です。希望すれば誰でも英語がマスターでき、海外進学もできる仕組みがあってこそのDD制度ですから」と、西田教諭は説明する。

 今年度からは「DD7」というプログラムを中1にも広げ、高校DDコースへの接続をいっそう強化していく考えだ。

STEAM教育で生徒の関心、進路を広げる

STEAMプロジェクトリーダーの染谷教諭
STEAMプロジェクトリーダーの染谷教諭

 主体的・協働的な学びを重視する同校は、DD制度の整備を進める一方、昨年度から新たな試みとして、「STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)」教育の課外活動を導入している。文化学園大学の付属校というメリットを生かし、先進的な理数教育や社会問題の探究だけでなく、「芸術(創造性を豊かにする力)」の発想を生かしていく取り組みが特長だ。

 活動を統括するSTEAMプロジェクトリーダーの染谷昌亮教諭は、「初年度は中1、高1のみで行いましたが、生徒の関心は高く、参加者は中学生が約30人、高校生が約40人となりました。今の中1が中3になるタイミングで高校生と一緒に探究学習に入れるようにと考えています。今後は参加学年が増えるので、もっと大規模になるでしょう」と手応えを話す。

 中1、中2向けの「STEAM Play倶楽部(クラブ)」では、プログラミングやロボティクスなどをテーマとした探究やものづくりに取り組み、先端技術への理解を深める。中3からの「STEAMプロジェクト」では、社会課題探究部門、キャリア探究部門、メイカー(ものづくり)部門、広報・活動記録部門の4グループに分かれ、「まだ世の中にない価値あるものを創り出す」ことをテーマに活動している。

「STEAM Play倶楽部」で、ものづくりなどに取り組む生徒
「STEAM Play倶楽部」で、ものづくりなどに取り組む生徒

 「社会課題探究部門では、使用済みの使い捨てカイロを水の浄化剤にするプロジェクトや古民家リノベーションなど、企業やNPOとタイアップした活動も始めています。メイカー部門ではレーザーカッターなどの設備を備え、外部のコンテストなどへの挑戦を行っています」

 DDコースの存在もあって現在は、語学系や国際系の進路を志望する生徒が多いというが、今後はSTEAM教育によって理数系の素養を高め、社会問題などへの関心の幅を広げることにより、文理の別なく海外を含めた幅広い進路を用意していきたい考えだ。

 同校は、18年度に男女共学化を実施しており、今年度から全学年で共学化を果たした。この間、DDコースやSTEAM教育などの新たな取り組みは受験生や保護者に好感をもって受け止められ、ここ2年間は100人以上の新入生が入学している。

 西田教諭は「生徒数の増加にどう対応するかが課題になっています。教育の質を維持するため、クラスあたりの人数は増やさないよう、人員や施設の拡充などを考えていきたい」とうれしい悲鳴を上げていた。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート 一部写真提供:文化学園大学杉並中学・高等学校)

 文化学園大学杉並中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
1990267 0 文化学園大学杉並中学・高等学校 2021/04/19 05:01:00 2021/04/19 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210416-OYT8I50045-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)