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【特集】世界との絆を見つめ直す「WEBオープンデイ」…立教英国学院

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 立教英国学院(イギリス西サセックス州ラジウィック)は、昨年春の新型コロナウイルス感染拡大時にICT環境を急きょ整備し、1学期間のオンライン授業を実施した。また、例年10月には校内で実施している文化祭「オープンデイ」を生徒会中心にウェブ上で開催し、社会的な視点で制作した数々の動画を公開した。昨年12月4日、オンラインで岡野透校長と生徒会会長らに取材し、ICT化と「WEBオープンデイ」について聞いた。

世界各地の生徒にオンラインで授業を配信

「地域社会から世界に広がる国際理解教育を一層発展させていきたい」と話す岡野校長
「地域社会から世界に広がる国際理解教育を一層発展させていきたい」と話す岡野校長

 全寮制日本人学校の同校には、イギリスだけでなく、日本、中国、ドイツ、イスラエルなど、世界十数か国からの子供たちが学んでいる。そのため、昨年3月に新型コロナウイルスの感染拡大が問題化すると、英国政府による学校閉鎖で、一時帰国していた生徒たちがイギリスに戻れないという事態が起きた。

 「『なんとしても、オンライン授業を実現させなければならない』と教師らが協力し合い、1か月ほどの準備期間で、4月からオンライン授業をスタートさせたのです」と岡野校長は話す。

 岡野校長は以前から、イギリスの学校のICT利用状況を調査し、学習支援ツール「Google Classroom」を使って課題の配布や学習状況の管理を行う手法を認識していたという。その知識と経験を生かし、1学期はビデオ会議システムのZoomを使ってホームルームや授業を双方向リアルタイムで行い、時差のある国にいる生徒にはGoogle Classroomで授業動画を配信するといった体制を整えた。

 昨年9月の2学期開始時には登校が再開され、191人の全生徒中175人が、イギリスのキャンパスに帰ってきたという。風邪を引いて寮で休んでいる生徒がいれば、念のため隔離してPCR検査を実施する一方、その間もオンライン授業を受けられるよう、寮のインターネット接続環境も強化した。

 こうした取り組みが評価され、昨年、文部科学省の「日本人学校教育環境整備事業」の協力校に認定された。今後、教室での授業にもICT環境を活用していく予定だ。「本校はこれまで、小規模の面倒見のいい学校、というのが特長でしたが、オンラインで学ぶうちに、生徒に自分で調べて考えるという姿勢が身に付いてきたように思います。これからも、ICTのメリットを本校の教育に積極的に取り入れていきたいと考えています」

「世界の明日のために」テーマに動画作成

「WEBオープンデイ」開催準備を進める実行委員たち
「WEBオープンデイ」開催準備を進める実行委員たち

 同校では毎年10月に文化祭「オープンデイ」を開催し、保護者や近隣住民を招いてきた。しかし、昨年は5月になってもコロナ禍の終息する気配がなく、キャンパス開催は無理ではないかと判断した生徒会は、オンラインで開催する「WEBオープンデイ」とすることを決めた。

 「WEBでの実施をマイナスに捉えるのではなく、昨年より進化したオープンデイにして、自分たちが成長するチャンスにしよう、これまでより多くの人に見てもらおう、と考えました」と、生徒会長の竹内理香さん(高2)は振り返る。

 竹内さんを含む中高5人の生徒会役員と、約30人のオープンデイ実行委員たちはWEB開催の準備を進め、文化祭の全体スローガンは「Ignite the Aspiration~この思いよ、奮い立て~」と決定した。

 生徒たちは「世界の明日のために」を共通テーマとして、クラスごとに貧困、人種差別など、社会的な問題を扱った多くの動画を制作した。これに有志による演劇動画作品も加わって、昨年10月18日から11月9日にかけて「WEBオープンデイ」のウェブサイトには計11本の動画が公開された。

 竹内さんの高校2年2組は、「コロナと共に生きる世界」というドラマ仕立ての動画を作成した。健康状態のみならず日々の言動までがインターネットで監視される未来社会の姿に、ディストピアを描くイギリスの伝統を要素として取り入れた。音声は日本語だが英語字幕を付け、世界中の人々が鑑賞できるように工夫した。この作品は、視聴者によるWEB上の人気投票で総合1位を獲得した。

 「クラスの皆で議論を重ね、コロナに関する文献などを基にシナリオを作成しました。見た人から、『あり得ない話ではない』『考えさせられた』という感想をたくさんいただきました」

「今回、生徒たちは自分でアンテナを広げて知識を得ることの大切さに気付き、大きく成長してくれました」と話す小坂先生
「今回、生徒たちは自分でアンテナを広げて知識を得ることの大切さに気付き、大きく成長してくれました」と話す小坂先生

 生徒会顧問で2年2組担任の小坂(つよし)先生は、「ここまでできるとは。正直驚きました」と言う。「オンライン授業期間は、家にいても社会貢献できることを考えようと、動画を作ってプレゼンテーションするといった活動も行っていました。その際に、文献に当たって理論を立てるという姿勢が養われたと思います。コロナに関する動画の作成については、英語の得意な生徒が、イギリスの研究者の文献を始め、海外の文献も活用していたようです」

 イギリス政府から「他学年との交流は避けるように」との指導があり、複数の学年の生徒が共同生活を送る同校生徒にとってはストレスがたまりやすい環境だったというが、「この間に、知的活動が活発になり、生徒たちは大きく成長してくれました」と小坂先生は話す。「受け身で授業に臨むのではなく、自分でアンテナを広げて知識を得ることの大切さに気付いてくれました。勉強とは大学に行くためだけにするものではないということを、分かってくれたのでしょう」

地域社会への貢献からグローバルなつながりまで

タンザニアの女性が工芸品を手作りして販売できるようにする起業プロジェクト
タンザニアの女性が工芸品を手作りして販売できるようにする起業プロジェクト

 今回、生徒たちの制作した動画の中には、同校に近いロックスウッドという村で問題になっている自然破壊をテーマとしたものもあった。生徒たちは普段から村の住民と交流を重ねており、昨年、生徒会のメンバーが、この村にある森が産業廃棄物の投棄により危機にさらされていることを知ったという。そこで生徒たちは調査に乗り出し、投棄に反対する地元の有志団体にインタビューしたりして、森林の持つ重要な役割について訴える内容の動画にまとめた。この力作は「WEBオープンデイ」の開会式動画としてアップされた。

 この活動について、岡野校長は「地域社会とのかかわりは、本校が1972年の創立以来追求してきたテーマです。子供たちが自主的に地域とのかかわりを見つめ、調査し、動画という形で問題提起するまでに成長したことを大変、うれしく思います」と語った。

 また、同校は、生徒と外の社会との結び付きを強めるために、イギリスや日本の大学との共同プログラムを進めている。現在は高校生たちが、新型コロナウイルスについて経済面や倫理面などから多角的に学ぶ、ロンドン大学のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の講義にオンラインで参加している。また、タンザニアの女性が工芸品を手作りして販売できるようにする起業プロジェクトに対しての生徒の支援活動も、オンラインで進められている。

 「グローバル教育は本校の大きな特色の一つです。今回、整備を進めたICT環境を生かすことによって、地域社会から世界に広がる国際理解教育を、今後一層発展させていきたいと考えています」と、岡野校長は力強く語った。

 (文:足立恵子 写真提供:立教英国学院)

 立教英国学院について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1751333 0 RIKKYO SCHOOL IN ENGLAND 立教英国学院 2021/01/12 05:01:00 2021/01/12 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210106-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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