「超進学校化」宣言3年目、目指せ「進学満足度100%」…初芝富田林

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 初芝富田林中学校・高等学校(大阪府富田林市)は2018年から「超進学校化宣言」を掲げ、平井正朗校長のもと新しい学校づくりに取り組んでいる。生徒の達成度に応じた「個別最適学習」や校内予備校によって着実に大学進学実績を高め、今年春の中学受験者数も過去最多を記録したという。平井校長の目指す学校のありようを聞いた。

医学科合格者2桁、人気地元3大学の合格者倍増

 ――平井校長が目指す「超進学校」とは、どんな学校ですか。

「超進学校化宣言」を掲げ、学校改革に取り組む平井正朗校長
「超進学校化宣言」を掲げ、学校改革に取り組む平井正朗校長

 初芝富田林中学校・高等学校で6年間を過ごした生徒が、この学校に来てよかったと思える学校生活と、満足できる進路を手にする学校です。

 本校は1984年、初芝高等学校の分校、富田林学舎として開校しました。翌年、初芝富田林高等学校となり、同時に中学校を開校しました。少子化の進む南大阪で、「選ばれる学校」であり続けるために、2018年4月以降、「超進学校化宣言」を掲げ、学校改革に取り組んできました。

 目的とするのは、生徒に寄り添った「明るく楽しい進学校」の実現です。学校生活も勉学も存分に楽しんでほしい。そこで、本校では生徒の到達度に応じた「個別最適学習」に取り組んでいます。先取りの詰め込み型の集団授業は、速度と量についていける生徒には効果的ですが、ついていけない生徒を生み出してしまいます。本校では、一人一人の生徒が最大限能力を発揮できる指導で「進学満足度100%」を目指します。

 着任して3年目となる2020年春の大学合額実績は、本校のある南大阪で根強い人気の大阪市立大学、大阪府立大学、大阪教育大学の合格者数が11人から24人と倍増し、医学部医学科の合格者数も2人から16人へと、この3年で大幅に増えました。

「個別最適学習」などの改革で中学受験者が過去最多

 ――「個別最適学習」というのは、どのようなものですか。

放課後の7~8時間目を使って開講される校内予備校「はつとんゼミ」
放課後の7~8時間目を使って開講される校内予備校「はつとんゼミ」

 生徒は1人1台、自分のタブレットを持ち、全教科で活用しています。タブレットには、自分のペースで学びを進めることのできるオンライン教材を導入しています。たとえば数学では、生徒の回答をAI(人工知能)が分析し、正解したらより高度な問題を、不正解であれば弱点を補強する問題を出す「キュビナ」を全学年に導入しています。さらに生徒一人一人の学習量や習熟度を教員が確認し、個別に学習指導をして大学入学共通テストに対応できる基礎学力をしっかりと養っています。

 2019年には校内予備校「はつとんゼミ」を開設しました。午後3時半に6限の授業を終えたあと、希望する中学3年生から高校3年生は、校内で講師の指導を受けることができます。2年間で約1800人以上の生徒が受講しています。校内で受講できるので移動時間の無駄がないですし、保護者には費用が割安なので歓迎されています。

 ――教員でなく予備校講師が受験指導にあたるのですね。

 本校では働き方改革を推進しており、教員が帰りやすい風土を意識的に作っています。これも「超進学校化宣言」による改革の一つです。自由な時間を確保できれば、教材研究ができます。授業や指導の質を上げることができます。教員にとっても生徒にとっても望ましい好循環が生まれています。

 本校の教員は一つのチームで、教員同士の意見交換を活発に行っています。到達目標を明確にし、それも細分化した目標を設定し、段階を踏んで達成するスモールステップ型をとっています。

 私学の良さは、長く勤める教員がいることです。新しく校長に着任し、「宣言」を掲げ、改革に取り組み、重視したのは、今まで初芝富田林で頑張ってきた教員が、その能力を今以上に発揮するための環境づくりです。教員が一つのチームとなり、根拠に基づいた戦略のもと生徒と向き合っています。

 「個別最適学習」や校内予備校など「超進学校化宣言」の具体的な取り組みは、在校生の保護者のみなさんに説明し、受験生やその保護者にも学校説明会や入試説明会で丁寧に伝えてきました。その結果、2020年1月の中学受験の出願者数は本校で過去最多という結果になりました。この改革が理解され支持されている大きな手応えを感じています。

来春、「グローバル特進探究コース」を新設

 ――来年度に新設する「グローバル特進探究コース」はどういうものですか。

東京大学に進学した卒業生を訪ねキャンパスを見学した「東大見学会」
東京大学に進学した卒業生を訪ねキャンパスを見学した「東大見学会」

 2020年4月にコースを改編し、中学では「特進探究コース」と難関国公立大学・医歯薬系合格を目指す「S特進探究コース」を設置しました。「S特進探究コース」では、東京大学に進学した卒業生を訪ねる「東大見学会」や、医師として活躍する卒業生から話を聞く会を開催するなど、先輩の姿を見ながら学びの姿勢を作ることもしています。

 今回新設する「グローバル特進探究コース」は、この「S特進探究コース」と基本カリキュラムは共通で、違いは英語の特別講座を充実させている点です。中学卒業段階でCEFRのA2レベル、英検の準2級から2級程度以上を目指しています。文系、理系ともに対応し、国公立大学、有名私立大学だけでなく海外の大学への進学も含め、目指す進路に合わせて英語力を伸ばしていけます。

イギリスを訪問しオックスフォード大学の学寮に滞在し学ぶ「海外研修」
イギリスを訪問しオックスフォード大学の学寮に滞在し学ぶ「海外研修」

 英語教育には工夫を凝らし、海外研修や短期留学の機会も充実させています。高校1年時には、春休みを利用し、イギリスのオックスフォード大学での50人の研修を実施しています。今年はケンブリッジ大学での10人の研修も組み入れました。希望を募ったところ100人以上の生徒から申し込みがあったので、校内で試験を行い、選考して準備を整えてきたのですが、新型コロナウイルスの影響で今春は実施を見送ることとしました。

 休校期間中にはオンラインで授業や面談を行いましたし、グローバル教育に関してもオンラインを活用した新たな方法を模索しているところです。

 (文:水崎真智子 写真提供:初芝富田林中学校・高等学校)

 初芝富田林中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1401918 0 初芝富田林中学校・高等学校 2020/08/12 05:21:00 2020/08/12 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200807-OYT8I50038-T.jpg?type=thumbnail

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