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【特集】2050年の世界を見据えた人材育成…常翔啓光学園

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 常翔啓光学園中学校・高等学校(大阪府枚方市)で今年度、山田長正高校教頭が新校長に就任した。同校は、現在の生徒たちが活躍する時期を迎える2050年頃を念頭に、「グローバル教育」「キャリアデザイン教育」「21世紀型教育」を三つの柱として力を入れてきた。山田校長はこの教育を推進しながら、さらに大学合格実績の向上を図り、いっそう幅広い人間教育にも取り組みたいとしている。その教育方針や展望を聞いた。

「わかるまで できるまで とことん」の指導

 ――学校の教育方針について説明をお願いします。

「多様化する社会で活躍するための幅広い力の育成に努めていきます」と話す山田校長
「多様化する社会で活躍するための幅広い力の育成に努めていきます」と話す山田校長

 本校では社会に貢献できる人材を育成するため、「探究心と自学自習の力を育てる学習指導」と「思いやりとたくましさを備える心の教育」を実践してきました。一人一人の生徒が社会でいかに有益な人生を過ごせるかという視点から、生徒の成長をサポートするさまざまな取り組みを行っています。

 学習面においては、繰り返しの学習ときめ細かな指導が本校の教育の特長です。中学校の教室の後ろには「わかるまで できるまで とことん」との標語を掲示していますが、これは教員に向けてのメッセージです。教員は常に、この心構えで指導にあたるように心がけています。

1週間の学習の定着度を確認する朝の小テスト
1週間の学習の定着度を確認する朝の小テスト

 特に中学生のうちは基礎学力の育成と学習習慣の定着に重点をおいています。中学校では土曜日の1時間目、主要5教科について、それぞれ約10分間の小テストを行い、1週間の学習の定着度を確認しています。放課後には生徒の進度に合わせた講習を実施しており、小テストの結果次第で補習も行います。短いスパンで復習を繰り返すことで、学習内容の理解を深め、学習習慣が徐々に身に付いていきます。

 高校でも1年生は授業前の朝の学習時間に毎日、事前に指定した範囲の英単語テストを実施しています。慣れないうちは毎日のテストを負担に感じる生徒もいるようですが、2学期になる頃にはスムーズに取り組めるようになります。毎日繰り返す中で、自然と学習習慣は定着するということの証しだと言えるでしょう。

社会で活躍するための力を養成する三つの柱

 ――将来に向けて力を入れている教育はどんなものですか。

 今の生徒たちが社会の中心で活躍するのが2050年頃です。その未来を見据えた教育を提供しなければならないと考えています。具体的には、「グローバル教育」「キャリアデザイン教育」「21世紀型教育」の三つの柱を掲げています。

海外の講師とオンラインでつなぐ英会話講習
海外の講師とオンラインでつなぐ英会話講習

 「グローバル教育」では、海外留学、インターンシッププログラム、ネイティブスピーカーによる授業のほか、放課後にネイティブスピーカーの教員と自由に会話ができるイングリッシュカフェを週1回行っています。高校では授業時間内に海外の講師とオンラインでつないだ英会話講習を実施しており、この講習の効果で多くの生徒が英語検定であるGTECのスピーキングのスコアが飛躍的に伸び、同様にリスニングのスコアも向上するという結果に結びついています。中学にも導入しています。

 英語はコミュニケーションのツールです。英語力を向上させるだけでなく、海外の人と交流する機会を通じ、さまざまな国・人種の文化や考え方を受け入れられるグローバルマインドを育てていきたいと考えています。

 「キャリアデザイン教育」については、多様な学部学科を擁する常翔学園グループの大学と連携し、さまざまな学習や体験の機会を設けています。中学から高校まで、その時期の生徒の成長段階に合わせたプログラムを実施しています。

 これまで多くの生徒を見てきて、生徒は将来の目標が決まったとき、自ら学ぼうとする意欲を見せて大きく成長するものだと感じています。将来の自分の姿を思い描くと、今何をすべきかが見えてくるのです。ですから、大学での学びや職業について、できるだけ多様な選択肢を知る機会を提供しています。こうしたプログラムの影響を受け、中学生の段階で自身の興味のある分野を見つけ、希望する大学へと進学する目標を実現した生徒もいます。

 「21世紀型教育」ではICT機器の活用や探究活動の展開により、思考力・判断力・表現力や協働性などの力を身に付けます。企業からのミッションに対してグループごとに提案をする「企業探究」などに取り組んでいます。

 ――「21世紀型教育」のために、教員の指導力向上も図っていると聞きます。

 これまでの教員の役割は自分たちが知っている知識を教えるのが主体でしたから、答えのない課題に取り組む探究活動に対する指導を経験してきませんでした。教員もまた成長していくべきです。そこで、一部の教員がSDGs(持続可能な開発目標)を体験的に学べるカードゲームの公認ファシリテーターになるための養成講座を受講し、すでに3人の教員が公認資格を取得しました。

 中立的な立場で集団を支援するファシリテーターという役割について学んだ教員は、他の教員への情報共有や新たな取り組みの提案、生徒会活動のサポートなど、さまざまな場面で自らの得た学びを還元してくれています。

 教員が変われば、生徒も変わります。教員の新たな力によって、本校が前向きに変化していくことを期待しています。

大学合格実績だけでなく、多様な経験を積み幅広い力を

 ――新校長に就任し、これからどのような学校づくりを目指しますか。

常翔学園グループの大学と連携した、さまざまな学習や体験の機会がある
常翔学園グループの大学と連携した、さまざまな学習や体験の機会がある

 まず、大学合格実績の向上にますます力を入れていきます。個々の生徒の夢をかなえるため、第1志望の大学に合格させてあげたいと考えるからです。近年は国公立大学や私立難関大学の合格実績も伸び、国公立大学には3年連続で30人を超える合格者を輩出しています。また、約3割の生徒が常翔グループの大学に進学しています。

 さらに、大学合格がゴールではありませんから、多様化する社会で活躍するための幅広い力の育成に努めていきます。本校の校訓である「熱心であれ 力強くあれ 優しくあれ」に基づき、課題発見力、想像力、チャレンジ力、継続力、コミュニケーション力、協働力などの力を養います。

 数年前から、「K1 GOALS」という取り組みをスタートしています。「K1」とは、常翔啓光学園が一番になれるように頑張ろうという思いを表した言葉で、目指すゴールを見据えて学習や学校行事に取り組むことを目指しています。例えば、「体育祭の目標は、学年の枠を超えてコミュニケーションを図ること」など、どんな力の育成を目標とした学習・行事なのかを取り組みの前に生徒に明示し、目標に対して結果がどうであったか振り返るところまで行います。目的意識を持つことで、取り組みへの姿勢が変わり、目標達成につながるのではないかと考えています。

 本校では幅広い力を育成するため、多様な経験ができる機会を多く設けています。生徒たちには、これらの取り組みに、失敗を恐れることなくチャレンジしてほしいのです。失敗した時にフォローする大人として、学校には教員がいます。失敗を乗り越えたとき、人は大きく成長できるでしょう。自らの意志で行動を選択し、たとえ失敗してもその責任を自分で取れるような強い心を持った人へ成長してほしいと願っています。

 中学・高校の3年間ないし6年間は人生の中では短い時間ですが、とても大切な時期です。本校に来て良かったと思いながら、この大切な時間を過ごしてもらえる学校でありたいと強く思います。生徒たちが社会に貢献できる人材へと成長するための教育を、今後も充実させていきます。

 (文・写真:溝口葉子 一部写真提供:常翔啓光学園中学校・高等学校)

 常翔啓光学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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2011783 0 常翔啓光学園中学校・高等学校 2021/04/27 05:01:00 2021/04/27 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210426-OYT8I50002-T.jpg?type=thumbnail

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