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【特集】グローバルな視野で考え、自らの目標にチャレンジ…横浜翠陵

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 「考えて行動できる人の育成」を建学の精神とする横浜翠陵中学・高等学校(横浜市)は、6年前に「翠陵グローバルプロジェクト(SGP)」をスタートさせ、理想の人材育成に努めてきた。生徒たちは中学の3年間をかけて世界規模の諸課題に取り組み、情報処理力や論理的思考力、プレゼンテーション力などを磨いていくという。このプロジェクトの狙いや中学生たちの成長ぶりを聞いた。

「どんなものがあれば世界はハッピーになれるか」

「生徒それぞれの歩みに合わせたアドバイスやサポートを行っています」と話す庄教諭
「生徒それぞれの歩みに合わせたアドバイスやサポートを行っています」と話す庄教諭

 「翠陵グローバルプロジェクト(SGP)」は2014年にスタートした。その内容について入試広報部長の庄大介教諭は「世界に関心を持ち、『どんなものがあれば世界はハッピーになれるか?』をテーマとして取り組むプロジェクトです」と要約する。

 このプロジェクトでは、グローバルな現代社会の抱えるさまざまな課題について、中学の3年間をかけて調査、研究し、その解決策を考える中で情報処理能力、コミュニケーション力、リーダーシップ、論理的思考力、発信力を磨いていく。「正解がない予測不能な未来を生きる生徒たちにとって、自らチャレンジし、自身の可能性を広げていく力が不可欠だと考えて取り入れた課題解決型の学びです」

 SGPのプログラムは、3月に行う学年末発表会に向けて、学年ごとに段階を踏んで進められる。

「世界一大きな授業」に参加する中学1年生
「世界一大きな授業」に参加する中学1年生
中学1年生がそれぞれ自分の担当国を決めて作成したポスター
中学1年生がそれぞれ自分の担当国を決めて作成したポスター

 中1では自己紹介やKP(紙芝居プレゼンテーション)法を取り入れた少人数での発表から始まり、教育協力NGOネットワークが主催する「世界一大きな授業」に参加したり、ユニセフハウス(東京・港区)を訪問したりして、世界の現状や、解決しなければならない諸課題について学んでいく。

 1月には生徒それぞれが自分の担当国を決めて、その国の「Good」な商品や制度、サービスなどを調査し、3月の学年末発表会でポスターセッションを行う。今春の発表会は各学年ともコロナ禍のため中止になったが、「例年、他の学年の生徒や教員、保護者も参加して発表を聞きます。生徒たちはとても緊張していますが、大人も知らない情報も多く、良く調べているなと感心します」

 中2では4月に、一人一人政党の候補者のように「マニフェスト」を書き上げる。「提出物を期限通りに提出します!」「THINKして新しいことにCHALLENGE」などと大書したポスターにして教室に貼り出し、生徒はそれを日々意識しながら、学習に取り組む。

 6月には「制服は必要か」といった身近なテーマからディベートの訓練を開始する。7月には日本の「Weak Point」を解決し、日本が幸せになるためのグッズやサービスをデザインする「Japan Innovation」という学びを加え、12月にはSDGsに関連して「水から広がる学び」というワークショップを行う。これらの取り組みの中で、生徒たちは自分の考えを整理し、仲間に伝え、みんなで討論する力の必要性が見えてくるという。

 2018年度の発表会は、ディベートと「Japan Innovation」、「水から広がる学び」の3本立てで行われ、ディベートでは「世界の第1外国語を英語に統一すべきである」というテーマなどで議論を戦わせ、「Japan Innovation」では、クラス発表の中から選ばれた5組が「待機児童について」「ネット依存」「いじめ問題について」など時代の課題をとらえた発表を行った。また、「水から広がる学び」では、SDGsやバーチャルウォーター、ダム開発についてプレゼンテーションしたという。

中学3年間を締めくくる「MY GOAL」リポート

 中3では、2年間の学びを基盤に、SDGsに定める17の目標(GOAL)から各自がテーマを選んで「MY GOAL」とし、iPadなどを使いながら5月からその目標を達成するための情報を集め、研究をして独自のリポートを書きあげる。発表会ではこれを基に、スライドなどを使いながら一人一人プレゼンテーションを行う。

 「2018年度の発表会では1人20分の持ち時間を使ってプレゼンテーションし、その後、10分の質疑応答を行いました。手元の原稿を読むのではなく、前を向いて自分の言葉で話していることに生徒たちの成長を感じます。内容もただ調べたものを報告するのではなく、自分の意見や現状の問題点なども指摘しながら、こうした方がもっと望ましいと語る姿に感動を覚えました」

 ちなみに中3の場合、7月に全員が参加する2週間のニュージーランド海外教育研修があり、生徒にとってグローバルな視野を身に付けるための格好の機会になっている。生徒は1人1家庭でホームステイをし、現地の学校に通う。日本文化についてプレゼンテーションするプログラムもあり、世界を身近に感じ、表現力を磨くことができる。「それまでの2年間で英語力を磨くなど準備をしてきたとはいっても15歳の夏のそれは大きな挑戦だと思います」

 日本で当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないことを知り、帰国後は、今まで以上に英語に力を入れる生徒や将来国際関係の仕事をしたいと考える生徒、親への感謝の気持ちが芽生える生徒など反応はさまざまだというが、異なる環境で勇気を出して会話をし、自分の力で思いを伝えた経験は自信につながるという。

少人数教育で生徒の成長をきめ細かく見守る

中学2年生のプレゼンテーション
中学2年生のプレゼンテーション

 SGPでは時間をかけてグローバルな諸課題の研究に取り組むが、同校では身近な取り組みの中でも調べ学習やプレゼンテーションの機会は多い。

 文化祭で、中1はJAXAなどの施設を見学し、調べたことを発表する。中2は外国人観光客を想定して、鎌倉のおすすめの観光スポットや安くておいしい食事どころなどを調べ、実際に自分たちで歩いて確かめ、見どころガイドを作って発表する。中3は「SGP×Cafe Menuプロジェクト」と題して、日頃利用している学生食堂のメニューを考案し、プレゼンテーションで競う。採用されたメニューは文化祭当日、実際に販売される。

 同校では、SGPを始め、こうしたさまざまな学習機会に、生徒一人一人が自分の課題を見つけ、研究し、発表する。それが可能なのは同校が少人数教育を取っているからだという。

 「生徒はみな育ってきた環境も成長のペースも違います。本校ではそうした違いを理解し、生徒それぞれの歩みに合わせたアドバイスやサポートを行っています」と庄教諭は話す。「『MY GOAL』では、全教員が生徒一人一人のメンターとなって、じっくり時間と労力をかけて取り組みます。また、中学では2人担任制で多角的に生徒を見守るほか、週の目標や毎日の学び、相談などを書き込むチャレンジノートで生徒の状況を把握しています。そうしたことができるのが少人数教育の大きな利点です」

 「SGPは、世界の問題や自分が興味の持てることに気付くきっかけでもあり、進路を決定する指針になっています。生徒が将来、自ら挑戦を続け、豊かな人生を送ることができるように我々教師たちはバックアップしていきます」

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:横浜翠陵中学・高等学校)

 横浜翠陵中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1578124 0 横浜翠陵中学・高等学校 2020/10/29 06:00:00 2020/10/29 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201026-OYT8I50026-T.jpg?type=thumbnail

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