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【特集】未来の可能性を広げる中学3年間の学び…四條畷学園

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 四條畷学園中学校・高等学校(大阪府大東市)は「教育とは人をつくることであり人格を育成することである」とする創立者の理念を引き継ぎ、人間教育を追求してきた。来年度以降はさらに、現代社会を生き抜く力を育てるために、中学3年間のみの2コースに体制を絞り、「探究活動」と「グローバル教育」に注力していくという。堀井清史副校長と母校を訪れた2人の大学生に中学時代の3年間の学びについて聞いた。

社会で生きる力につながる「探究活動」

(左から)神戸大学1年の中川さん、国際教養大学3年の塚本さん、堀井副校長
(左から)神戸大学1年の中川さん、国際教養大学3年の塚本さん、堀井副校長

 同校は来年度、中高6年一貫コースでの募集をやめ、中学3年間のみの「発展探究クラス」「発展文理クラス」の2コースで新たなスタートを切る。堀井清史副校長は「中学3年間のみのコースとしたのは、中学卒業時に進学する高校を自分で選択できる生徒を育てたいという考えからです」とその意図を説明する。同校系列の高校への優先進学という道ももちろんあるが、生徒が自分の将来を考えて選択することに意味があるという考えだ。「心も体も急速に成長する中学生の時期に、本校が蓄積してきた教育を集約し、自分の意志で次のステップへと進める自立心を育んでいきます」

 「発展探究クラス」は部活動やさまざまな探究活動と学習をバランスよく両立しながら一人一人の目標に合わせた進路を目指すコースで、「発展文理クラス」はさらに、その目標を難関高校の進学に置き広く深く学習していくコースだ。ただ、どちらのコースでも、同校が掲げている「実践躬行(じっせんきゅうこう)」と「Manners makes man」という二つの教育理念を追求していくことに変わりはないという。

 堀井副校長によると、「実践躬行」とは、単に知識を身に付けるだけではなく、身をもって実際に行うことを意味する。授業や学校行事などさまざまな経験の機会を経て、生徒は未来を切り開く主体性や思考力、表現力などを養うという。「実践躬行を今の言葉に言い換えると、探究活動です。自分で考え、生徒同士が学び合い、発信し、行動する。こうした経験は社会で生きる力につながります。この力がないと、中学を卒業したあと、伸び悩むのではないかと思っています」と堀井副校長は話す。

 特に「発展探究クラス」では、カリキュラムに「探究」の時間を設け、さまざまな課題に取り組んでいく。同校ではすでに10年前から探究活動を実践しており、プレゼンテーションや研究論文発表、大学・企業と連携した企業インターンプロジェクトなど多くのノウハウを蓄積してきた。これらを生かした上で、現代社会に即したテーマを取り入れて探究活動を発展させていく方針だ。

 小学校から高校まで四條畷学園で学び、国際教養大学3年に在学中の塚本圭稀(よしき)さんは、「学園で過ごした学校生活の中で、さまざまなことに好奇心を持ってチャレンジできる今の自分の基礎が築かれたと思っています。大学では、北東アジアの学生が集まって国際会議を開催する学生団体で代表を務め、さらに成長できました」

合唱コンクールなどの学校行事に生徒たちは主体的に取り組んでいる
合唱コンクールなどの学校行事に生徒たちは主体的に取り組んでいる

 同校の探究活動では、学校行事が大きな役割を担っている。学年ごとの宿泊研修や文化祭、体育会などで、生徒自身が企画・運営を行う役割があり、それが主体性を発揮する場となっているからだ。

 天王寺高校を経て神戸大学に進学した中川弘子さんは、「合唱コンクールや美化コンクールといったクラス対抗の行事では、クラス一丸となって本気で取り組んでいました。朝や放課後に合唱の自主練習をしたことを今でも覚えています」と、中学校生活を振り返る。

 「本気でやるからこそ楽しいし、楽しいから探究心が芽生えます。失敗することがあっても、その後に努力して成功体験を得ることもできます。生徒たちはさまざまな経験からそれぞれの学びを得て成長していきます」と堀井副校長は話す。

英語力にコミュニケーション力をプラス

 もう一つの教育理念である「Manners makes man」は、同校創立者が海外視察旅行中に出会ったイギリスの伝統校の校訓だという。四條畷学園では、礼儀正しい行いを身に付けることが、人として成長し、品性人格の備わった人になることにつながるという意味に解釈している。

 この言葉は人格教育の重要さを表すだけでなく、1926年の創立当時、すでに国際的な視野が必要だったことを示している。それは学園の伝統となっていて、現代では英語教育を始めとするグローバル教育として引き継がれている。

 例年、同校では中学卒業までに英検2級・準2級の取得者が80人を超えるといい、生徒の英語力のレベルは高い。しかし、同校が目指しているのはいわゆる受験英語の習得ではなく、コミュニケーションツールとしての英語力を養うことだという。

ニュージーランド研修に参加した中川さん
ニュージーランド研修に参加した中川さん

 英語授業「Reading&Communication」は週2回、1クラスを二つに分けて少人数で行われる。ネイティブと日本人の教員によるチームティーチングで、英語を使って相手と分かり合うための力を養う。中川さんは授業の印象を「少人数なので発言する機会が多く、英語力にプラスしてコミュニケーション力も鍛えられました。授業中に発言することにまったく抵抗がなくなったのは、この授業のおかげだと思っています」と話した。

 夏休みには希望者を対象とした、2週間のニュージーランド海外研修が実施される。期間中は姉妹校の生徒の家にホームステイして学校で授業を受ける。堀井副校長によると姉妹校との交流は25年間続いているそうだ。「研修後には姉妹校からホストファミリーの生徒が来日し、本校での完全相互交流が実践されています」

 塚本さんも在学中、ニュージーランド海外研修に参加した。「英語でのコミュニケーションを実体験したことをきっかけに、得意な英語を自分の武器としてもっと伸ばしていこうと思いました」と振り返った。

思い描く未来へと後押しする進学指導

 進路指導では、自分の将来を思い描いて系列外の高校を進学先に選ぶ生徒たちにも、教員たちのサポートは手厚い。それは今春、高い学力で知られる大阪府立高校の文理学科に30人の合格者を出すという実績が示している。

 中川さんは、塾に通うことなく、高校では文理学科、大学は国公立に合格するという目標を実現している。「卒業してから、この学校の先生方が支えてくれて、やる気にさせてくれていたのだと改めて感じました。学ぶことの楽しさや達成感、向き合い方などを教わったおかげで、自然と学習習慣が身に付きました」

 現在、中川さんは「将来は、日本の教育を変えるような仕事に携わりたい」という夢を持って大学での勉強に励んでいる。一方、「今、興味を持っている分野は環境科学です」と語る塚本さんも、「留学を視野にいれて中国語を学びたいと考えています」と、意欲的に学びの幅を広げている。

 3年間の「探究活動」と「グローバル教育」が、同校で学ぶ生徒たちに現代社会で「生きる力」を吹き込んでいるのが感じられた。

 (文・写真:溝口葉子 一部写真提供:四條畷学園中学校・高等学校)

 四條畷学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1606937 0 四條畷学園中学校・高等学校 2020/11/11 05:01:00 2020/11/11 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201106-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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