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【特集】「知・情・意」備え、表現力に富んだ女性の育成…樟蔭学園

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 樟蔭中学校・高等学校(東大阪市)は、「知・情・意」を備えたこころ豊かな女性の育成を建学の精神として追求してきた。これに加えて近年では「表現力」を養うことに力を入れており、今年度からは「表現力の樟蔭」というスローガンを新たに掲げ、一層プログラムを充実させていくという。同校が目指す教育とその取り組みについて、楠野宣孝校長に聞いた。

確かな基礎学力の上に「高い知性」を育てる

 ――「『知・情・意』兼備のこころ豊かな女性の育成」という建学の精神について説明をお願いします。

「社会に貢献できる自立した女性を育てるのが本校の教育目標です」と話す楠野校長
「社会に貢献できる自立した女性を育てるのが本校の教育目標です」と話す楠野校長

 「知・情・意」とは、高い知性と豊かな情操、強い意志を表しています。本校ではこの精神に基づき、しっかりとした学力、礼儀や身だしなみなどの教養や思いやりを持ち、精神的にも自立した、社会に貢献できる女性を育てることを目標としています。

 まず、「高い知性」を育てるために、確かな基礎学力を築くことを第一に考えています。授業前には「朝の学習」の時間を設定し、百マス計算、音読、リスニングなどを毎朝行っています。朝の学習は、生徒が心を落ち着けて授業へと臨む効果をもたらしているようです。

 また、放課後には「樟蔭フォローアップ教室」という習熟度に合わせた補習も実施しています。いっそう学びを深めたい生徒は「ラビットクラス」、学習が遅れがちな生徒は「タートルクラス」と分け、英語と数学を中心にほぼ毎日1、2コマの補習を行っています。数人から十数人の少人数で、生徒の学習をしっかりとサポートしています。

 2014年には全教室に電子黒板を配置し、タブレットPCも導入してICT教育の環境整備を図りました。これらの電子機器を活用してのグループ学習などアクティブラーニングの実践により、授業を活性化させると同時に、生徒が主体的に学ぶ姿勢を育んでいます。同性のみの環境なので遠慮なく発言できる女子校の良さも発揮されていますね。

「情・意」を育む女子教育の伝統

 ――「豊かな情操」「強い意志」という面ではどのような育成を図っていますか。

花を育てる経験から情操面の向上を図る「花育プロジェクト」
花を育てる経験から情操面の向上を図る「花育プロジェクト」

 創立から104年を数える歴史の中で本校は、豊かな情操の育成、特に女性としての教養を高める教育を目標としてきました。現代の男女共同参画時代においても、女性が男性化を目指すのではなく、男女が互いの違いを認め合って協力することが大切だと考えています。ですから今でも変わることなく、女性が本来持っている能力や特性を伸ばす教養教育を重視しています。

 中1・高1の1学期に、ロングホームルームの時間を使って行われる「樟蔭レッスン」は、女子教育の第一歩です。本校の歴史を理解することから始まり、あいさつ、言葉遣い、礼儀作法などを教員や講師から学んでいます。背筋を伸ばした立ち姿が美しい生徒の姿を見ると、女子教育の伝統が受け継がれていると実感します。

 また、礼儀作法といった見た目の美しさだけではなく、内面の豊かさを磨くことを重視しています。そのための生徒を励ます取り組みとして、良い行いをした生徒に『プライドカード』と呼ぶ表彰状を届けています。清掃を頑張るなど、ささいなことでも努力している生徒を褒める目的で始めました。私が教員から推薦を受け、自宅に表彰カードを送っています。13年にスタートし、7年間で2500枚以上のカードを届けました。生徒には日頃から、「陰徳を積む」ことの大切さを話しています。

 このほかにも昨年度から、中学生全員で球根から花を育てる「花育プロジェクト」をスタートさせています。畑を耕す段階から始まり、時間をかけて花を育てる経験から、自然環境を意識し、優しさや美しさを感じる心を育てる、情操面の向上を狙いとしています。

 17年度から始まった国際理解教育として、ウガンダの子供に文房具を送るプロジェクトを始め、生徒の自主的な発案からボランティアサークルの活動が始まるなど、思いやりの心が生徒にしっかりと根付いているようで、うれしく思っています。

自立した女性となるために表現力を養う

 ――近年、表現力の育成に力を入れているそうですね。

全国大会連覇を続けるバトントワリング部
全国大会連覇を続けるバトントワリング部

 本校は中高6年一貫教育のメリットを生かすため、「総合進学コース」「身体表現コース」「国際教養コース」の3コースを設けています。このうち「身体表現コース」は、舞台活動、伝統芸能、各種ダンスなど表現活動に取り組む生徒を対象に、豊かな感性を育む教育を提供してきました。バトントワリング部、ポンポンチア部は中高ともにジャパンカップ全国大会で複数年にわたって連覇し、高校ダンス部は第10回全日本高等学校チームダンス選手権大会で初めて総合優勝を果たし、文部科学大臣賞を受賞するなど、高い成果をあげています。

 こうした表現力を高める教育の蓄積を近年、他のコースにも拡大してきました。これは、本校が目標とする自立した女性になるには、しっかりと自分を持つことが必要だと考えているからです。そのための教育の一環として、自分の考えを持って発信できる力、すなわち表現力の育成がカギとなるからです。

 ――具体的な取り組みについて説明してください。

 中学では18年から、週1コマだった総合的な学習の時間を拡充して表現力育成に充てています。「総合進学コース」では週4コマとし、制服や靴など身の回りの物の手入れの仕方、テーブルマナー、茶華道、浴衣の着付け、クラフト、国語の表現活動、社会の課題を題材にした探究活動と、多彩な内容を学びます。

 「身体表現コース」も週4コマを充て、パントマイム、バレエ、シアタージャズなどの表現活動に取り組むほか、プロの舞台芸術に触れる機会を多く設け、パフォーマンスの質の向上につながるトレーニングとして速読も行って検定試験にチャレンジします。

 英語教育に力を入れる「国際教養コース」では週2コマを充て、ネイティブの教員による英語のみを使用する授業で、英語による表現力を育成します。これらの授業の成果を発表する場として、英語暗唱大会や英語弁論大会を開催しています。

 これらの新たな取り組みは生徒たちの評判もよく、生徒を対象に実施しているアンケートで授業に対する満足度が上がりました。

 ――表現力の育成は大学進学にも生かされそうですね。

 大阪樟蔭女子大学以外の4年制大学に進学する約100人のうち約2割がAO入試で合格しています。面接時に自信を持って自分を表現できたことが合格につながったという声を生徒から聞きます。

 ――今後の取り組みについて教えてください。

 21年度からは「表現力の樟蔭」というスローガンを掲げ、さらに表現力の育成に注力していく方針です。中学では従来のプログラムに磨きをかけるほか、より幅広い表現活動のプランを検討しています。

 高校の「総合進学コース」には総合的な探究の時間として「My Time」を新たに設置します。これは、自身で設定した課題について研究し、成果をまとめ、年1回のプレゼンテーションを行う中で表現力を身に付けるというものです。イラスト、動画、エッセー、スピーチ、ファッション、工芸など多様な分野の中から課題を設定し、大阪樟蔭女子大学の各専門の教授や外部の専門家の指導を受けることができます。

 これらの取り組みにより、表現力はもちろん、自立した女性としての総合的な力を身に付けた生徒が将来、社会で活躍してくれることを期待しています。

 (文・写真:溝口葉子 一部写真提供:樟蔭中学校・高等学校)

 樟蔭中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1962462 0 樟蔭中学校・高等学校 2021/04/06 05:01:00 2021/04/06 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210405-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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