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【特集】「学力」「共生」「健康」を柱に人間力を培う…横浜隼人

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 横浜隼人中学・高等学校(横浜市)は「学力」「共生」「健康」の三つを教育の柱に据え、「必要で信頼される人」の育成を目指している。日頃の授業はもとより、学校行事、部活動でも、これら三つの柱を常に意識した取り組みがなされているという。中3生の英語の授業風景や、代表的な宿泊行事、部活動を通して将来の夢を見つけたOGなどを具体例として取り上げつつ、同校の教育を紹介する。

「助け合いと競い合い」を学ぶ学校行事

3泊4日の「黒姫高原宿泊研修」に参加する中1生たち
3泊4日の「黒姫高原宿泊研修」に参加する中1生たち

 授業、学校行事、部活動はいずれも欠かせない重要な教育活動だが、吉野純三校長は、「あえて言えば、学校行事には重きを置いています」と言う。「学校行事では学年の異なる生徒が共に活動することで、縦と横のつながりを築くと同時に、規範精神が身に付き、人間力が培われるからです」というのがその理由だ。

 秋の文化祭「隼輝祭(しゅんきさい)」では、クラスや学年、部活ごとの展示・企画発表が行われ、例年2日間で6000人以上が来校する。また、全学年全クラスが、体力と知力を尽くして棒引きや大縄などの競技に取り組む「スポーツフェスティバル」は、生徒たちにとって学校生活の華だ。

 ほかにももちろん多くの学校行事があるが、「学力」「共生」「健康」の三つの柱を学ぶうえで、意義付けが明確なのが「黒姫高原宿泊研修」と「合唱祭」だという。

 「黒姫高原宿泊研修」は中学1年の5月、長野県の黒姫高原で行われる3泊4日の研修だ。生徒たちはクラス混合で班を編成し、クイズラリーや課題解決ゲームに挑戦する。その間、食育講座と自然体験が行われる。食事の時間には脳と体に必要な栄養の取り方を学び、森の中で専門家の指導を受けて、植物を食べてみたり、昆虫食について学んだりする。また、最終日には野尻湖の周囲を約30km歩く「8時間ロングハイク」を行い、生徒同士、励まし合いながら体力と気力の限界に挑戦する。

「生徒は学校行事を通して、助け合いや競い合いを経験する」と話す佐野教諭
「生徒は学校行事を通して、助け合いや競い合いを経験する」と話す佐野教諭

 広報部副主任の佐野辰徳教諭は、「黒姫高原宿泊研修は、本校の柱である『共生』を通して、心身の『健康』を培うものです」と話す。「また、入学したばかりの生徒が共に課題に取り組む中で同級生の名前を覚え、関係を深めていきます。班のメンバーで意見が対立することもありますが、研修後は生徒同士の距離がぐっと縮まります」

 「合唱祭」は毎年2月に行われる学年最後の行事で、例年、横浜市の瀬谷公会堂でクラスごとに「課題曲」と「自由曲」を発表する。指揮も伴奏も生徒が担当する。最も優秀なクラスには金賞が与えられ、指揮者賞、伴奏者賞といった個人賞も贈られる。クラスの団結力が発揮される場であり、生徒たちは約2か月前から準備を進め、音楽の授業時間以外にも始業前や昼休み、放課後に練習を重ねる。

 佐野教諭は「中学生は多感な時期で、歌うことが恥ずかしいと感じる生徒もいます。特に中1生は、最初のうちは気持ちに温度差がありますが、最終的には全員が団結して、見事に『かたち』になっていきます」と話す。「合唱祭だけでなく、生徒はさまざまな学校行事を通して、授業だけでは学べない、助け合いや競い合いを経験します。そして、ときには裏方に回ることで、リーダーシップだけでなくフォロワーシップの大切さを学ぶ。多様なかたちでチームに貢献する経験を重ねていけるのです」

ネイティブの授業や海外研修で多様性を学ぶ

「広い世界を見て、自ら進んで学び、人間的に成長できるきっかけをつくっていきたい」と話す川島教諭
「広い世界を見て、自ら進んで学び、人間的に成長できるきっかけをつくっていきたい」と話す川島教諭

 国際理解を通じて「共生」を学ぶという意味で、英語教育もまた、三つの柱の意義をよく示すものだ。同校では普段の学校生活の中で、できるだけ多くネイティブと接することができるよう、ネイティブの教員8人をそろえた。昨年12月からは英会話の授業に加え、通常の授業でも週1回、ネイティブの教員が教壇に立っている。

 その英語の授業を5月7日、同校を訪れて見てきた。この日、中3の教室ではネイティブの教員が作ったプリントをもとに、生徒たちが過去分詞の使い方を学んでいた。授業は基本的に英語で進められ、生徒が迷った時は、日本人の教員がサポートするチームティーチングだ。ネイティブの教員の指示が分からず、生徒たちが戸惑う場面もあったが、真剣に英語を理解しようとする姿勢がうかがえた。

 同校は学校行事としても、国内外での研修やスピーチコンテストなどの英語教育を10年以上続けている。中1生は2日間、校内でネイティブの講師による「校内語学研修」を受ける。中2生は福島県の英語研修施設「ブリティッシュヒルズ」で2泊3日の「国内語学研修」に、中3生はカナダで5泊7日の「海外語学研修」に参加する。

 中学主任の川島昇教諭は海外語学研修について、「カナダでは現地の学校を訪問し、授業にも参加します。そして、自分から働きかけないと、相手から何も返ってこないことを学ぶのです。その結果、主体的に物事に取り組む姿勢が身に付くなど、毎回生徒の成長を感じています」と話す。「実際にネイティブの教員と話し、カナダで生活するといった実体験を通して、生徒は文化や価値観の異なる多様な人々が、世界にたくさんいることを知ります。今後も生徒が広い世界を見て、自ら進んで学び、人間的に成長できるきっかけをつくっていきたいですね」

 このほか、毎年11月に行われる「スピーチコンテスト」で、中1生はグループごとにレシテーション(暗唱)を行い、中2生は「私の夢」、中3生は「私の大切なもの」をテーマにオリジナルスピーチを作成する。クラス予選を勝ち抜いた生徒は全校生徒の前で発表する。コンテスト当日は、生徒が英語で司会進行を行い、英語科の教員やネイティブの教員が審査員となって順位を付ける。英語が苦手だった生徒が、スピーチコンテストに取り組むうちに英語が好きになり、中学卒業後はカナダの高校へ進み、さらにカナダでトップクラスのトロント大学に進学した例もあるという。

部活動を通じて、世界に羽ばたく生徒も

「学校行事には重きを置いています」と語る吉野校長
「学校行事には重きを置いています」と語る吉野校長

 同校には文化部と運動部を合わせて40以上の部がある。中学野球部が横浜市秋季大会で準優勝したり、女子卓球部が全国大会で優勝したりと、それぞれに多くの実績を残している。なかには部活動を通して将来の夢を見つけ、現在、世界で活躍している卒業生もいる。

 中学・高校とソングリーディング部で活動したある卒業生は、アメリカでチアリーダーになりたいという夢を抱いたそうだ。大学卒業後は横浜隼人に帰って英語教員になったものの夢を諦めきれず、渡米してプロアメリカンフットボールリーグNFL「ラスベガス・レイダース」のチアリーダー「ラスベガス・レイダリッツ」のオーディションに挑戦し、4度目で合格。現在もメンバーとして活躍している。

 吉野校長は、「彼女のように部活に熱心になる生徒もいれば、学習が得意な生徒や、合唱が得意な生徒もいる。本校は部活動や学校行事を通して、生徒一人一人が輝ける場をつくることで個性を伸ばしつつ、自信を培っていきます。そうすることで学力も伸び、文武両道につながると考えています」と語る。

 また、多様な個性を持った生徒が入学できるよう、2019年度の中学入試から新たに二つの適性検査型試験をスタートさせた。一つは公立中高一貫校を第1志望とする生徒を対象とし、論述問題と総合問題で評価する「公立中高一貫」型、もう一つは小学校時代に頑張ってきたことを作文と面接で主張する「自己アピール」型だ。いずれも多くの受験生たちの関心を集めているという。

 吉野校長は、「さまざまな個性を持った生徒が共に学び、共に学校行事や部活動に取り組むことで刺激し合い、お互いの個性を伸ばしていってほしいと考えています」と語る。「中高時代は精神的な悩みを持つお子さんも多いですが、今後も少人数のクラスで、生徒一人一人に合った手厚い指導を行いつつ、学校行事や部活動を通じた人間教育をよりいっそう充実させていきたいですね」

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:横浜隼人中学・高等学校)

 横浜隼人中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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2112259 0 横浜隼人中学・高等学校 2021/06/10 05:01:00 2021/06/10 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210609-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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