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【特集】世界平和実現に向けて人材育むグローバル教育…アレセイア湘南

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 アレセイア湘南中学高等学校(神奈川県茅ヶ崎市)は、中高6年を見通したグローバル教育に力を入れている。変化の激しいグローバル社会で、将来生徒たちが世界平和の実現に貢献できるよう、「たくましさ」「言語力」「思考力」の三つの力を養うカリキュラムを組んでいるという。2022年度に予定する高校のコース改革も含め、同校の考える教育の特色や理想について山田信幸校長に聞いた。

人としての土台をつくり、英語力を鍛える

学校の教育の特色や理想について語る山田校長
学校の教育の特色や理想について語る山田校長

 同校の運営母体である「平和学園」の名称は、聖書の言葉「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイによる福音書5章9節)に基づいているという。その名の通り、現代社会において世界平和の実現に貢献する人材を育てるべく、同校は6年前に、中高一貫の「グローバル教育カリキュラム」を導入した。

 「日本社会を土台に、世の中での人としての生き方を理解するために、研修旅行や文化体験講座などさまざまな学習機会を設けています。その中で自ら考え、英語で発表を行うなどの活動を実践し、グローバル社会で発揮できる『たくましさ』『言語力』『思考力』を養っていきます」と、山田校長は導入の意義を説明する。

 多様な価値観を持つ他者との間に共生していく「たくましさ」と、コミュニケーションを支える「言語力」、さらに、多角的に物事を見て、主体的に判断できる「思考力」を重視し、その三つの力によって、真の平和を実現していってほしいという考えだ。

 「グローバル教育カリキュラム」には、この三つの力を育むために必要な実体験の場が中高6年間を通して数多く取り入れられているのが特徴だ。

 まず、中1では社会福祉体験などを通して、社会集団の中での生き方を学ぶ。中2・中3では茶道、着付けなどの日本文化体験や職業体験、被爆地の広島・長崎への研修旅行によって、日本で生きる者としてのアイデンティティーを育て、人としての土台をつくるという。

 高校では、企業のCSR(社会的責任、社会貢献活動)を調べることをきっかけとして、NPOや国際協力NGOと関わりを持ちながら、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために自分たちがどのように関わっていけばよいかを考える。これらの取り組みを通して、地球市民としての自覚を深めていき、自分らしいライフスタイルを確立する。

平和について深く考える機会となる「広島平和の旅」
平和について深く考える機会となる「広島平和の旅」

 「全校の希望者を対象に、8月の平和記念式典に合わせて行う『広島平和の旅』も、すでに40回以上になります。現地で平和記念式典に参列し、被爆体験者から話を聞き、帰ってから旅行中に体験したことをまとめてプレゼンテーションを行うものです。やはり自分の目と耳で直接見聞きして得られるものは大きく、生徒たちは平和についてより深く考えるようになります」

 また、「修養会」が中高6年の間に4回実施されるのもキリスト教校らしいところだ。静岡県御殿場市の国際青少年センターYMCA東山荘に宿泊し、生徒たちは自然に親しみながら聖書への理解を深め、クラスや学年を超えた交流を行うそうだ。

 グローバル教育を進めるために、土台となる人間教育に加えて欠かせないのが英語力だ。同校に7人在籍しているネイティブの教師による少人数制の授業は、英語での理解力・発信力を養う上で大きな役割を果たしている。中学では週5回の英語授業のうち3回をネイティブの教師が担当し、コミュニケーション重視の指導を行っているという。

 放課後の英語指導もネイティブの教師が担当し、中1・中2生を対象とする英会話教室「英語プラス」と、中3生以上を対象として英語4技能を体系的に学ぶ「国際英語塾」が開かれている。イギリスの大学では、海外からの留学生に1年間の準備コース「ファウンデーションコース」の履修を課しているが、同校の「国際英語塾」を高3まで受講し、修了すると、英国国立バンガー大学などの提携大学に、直接入学することができるという。

多様な進学志望実現へ新たにコース改革も

ネイティブの教員による少人数制の授業で英語力を養う
ネイティブの教員による少人数制の授業で英語力を養う

 もちろん、「国際英語塾」のような制度はあっても、卒業生の進路は、海外大学、国公立大学、医歯薬系と多種多様だ。こうした生徒の希望進路を実現させるための学部学科選択、受験指導のために、中学では「学習クリニック」、高校では「GUシステム」というサポートシステムを用意している。

 「学習クリニック」は、放課後の補習や土曜日、夏冬春の長期休暇中の特別講座などだ。「GUシステム」のGUとは「Grow Up(成長する)」の略で、高校生になるとこの学習サポートが利用できる。放課後、土曜日、長期休暇を利用した受験対策講座「GUセミナー」や、希望者を集めて大学見学会やさまざまなガイダンスを行う「GUサポート」などが用意されている。放課後にはチューターがいる学習室を利用して勉強することもできるようになっている。

 さらに大学入試改革の波に対応するため、高校では2022年度から、現在の「特進選抜コース」「特進コース」「進学コース」の3コース制を改編し、「特進コース」「探求コース」の2コース制をスタートさせる。「『探求コース』では、生徒の興味関心による学びを深め、一般受験のみならず、総合型選抜、学校推薦型選抜に対応していきます。『特進コース』は難関大学合格に特化し、進学支援を充実させていきます。生徒の将来への選択を、より実現しやすくするための体制です。生徒の夢の実現をさらに確実なものとしていきたい」

 ICT教育の面でも2017年度からタブレット端末導入を実現し、Wi-Fi環境も整えて、対応を進めている。新型コロナウイルスの感染拡大にともなう休校期間中も、オリジナルの講義動画や「スタディサプリ」などを活用したオンライン授業で学びをとぎらせなかった。

 ただ、学校としては、生徒一人一人と対話を重ねる従来型の対面教育を重視していて、新型コロナの影響がある中でも「できることは実現させていこう」と、昨年は厳重な感染対策の下、文化祭「平和祭」や体育祭を学内でリアル開催したそうだ。

変遷の中でも受け継がれるキリスト教に基づく教育

 山田校長によると、同校の校名に掲げられている「アレセイア」という言葉は、ギリシャ語で「真理」を意味する。新約聖書に、「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネによる福音書8章32節)という章句があり、同校はそれを聖句としている。その中の「真理」を意味する「アレセイア」を校名に取ったそうだ。

 同校の前身の平和女学校は、キリスト教牧師・社会運動家の賀川豊彦を初代平和学園理事長、ジャーナリストの村島(より)(ゆき)を初代学園長として1946年に創立された。その後、49年から平和学園高等学校・中学校・小学校・幼稚園と改称し、さらに、99年に中学、2000年に高校で、「アレセイア」の名を使用するようになった。

 山田校長自身は、39年前に同校に赴任し、学年主任・教頭などを経て、2019年に校長に就任した。現在のコロナ禍を含め、さまざまな試練や変遷をくぐってきた同校の歴史を振り返り、自身長く学園を見守ってきた中で「目に見えない形で受け継がれているのは、私たちのキリスト教に基づく教育だと確信している」と言う。

 「先日、古くから本校を知る方が『平和学園だった昔も、アレセイアとなった今も、先生方は常に真剣に生徒と向き合い、一人一人を受け入れている』と言ってくださいました。これからもその姿勢を貫いていきたい。人は、自分が神様に愛されていることを知ることで、隣人を愛し、共に生きることを学びます。生徒たちがそのようにして自立した人間として成長できるよう、全教員でよりよい指導を目指したいと思います」

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:アレセイア湘南中学高等学校)

 アレセイア湘南中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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2043385 0 アレセイア湘南中学高等学校 2021/05/12 05:01:00 2021/05/12 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210511-OYT8I50012-T.jpg?type=thumbnail

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