小学校で活用広がる「国連英検ジュニアテスト」…国連英検

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 2020年度から英語が小学校の正式教科になるのを前に、児童を主な対象とした「国連英検ジュニアテスト」を、学習プログラムに取り入れる小学校や塾が増えている。毎年、4年生と6年生の全員が受験している南山大学附属小学校(名古屋市)の西脇良校長に、その活用法や早期英語教育のあり方などについて聞いた。

豊富なイラスト、英語の初心者も前向きに受験

国連英検ジュニアテストを導入した南山大学附属小の西脇校長
国連英検ジュニアテストを導入した南山大学附属小の西脇校長

 国連英検ジュニアテスト(正式名・国際連合公用語英語検定試験ジュニアテスト)は、「日本国際連合協会」(東京都中央区)の主催する国連英検のジュニア版として1987年に始まった。未就学児から中学生までが対象で、レベル別に6コース(E、D、C、B、PreA、Aの順にレベルアップ)に分け、年2回実施している。2019年は6月30日と11月24日の予定だ。

 日本国際連合協会の職員、椎木達哉さんによると、英語を習い始めたばかりの子供も楽しく受験できるように、動物や花、色など身近な題材で、イラストを豊富に使い、リスニング問題を中心に構成されている。大きな特徴は合否を判定せず、「不合格」がない点。各コースとも得点によって1~3級の3段階で評価する。学習の進み具合を子供自身が確認できるし、学習指導に結びつけられるようにもなっている。

4年生と6年生がテストに挑む南山大附属小

国連英検ジュニアテストは楽しみながら徐々にステップアップを図れるように6つのコースを用意している
国連英検ジュニアテストは楽しみながら徐々にステップアップを図れるように6つのコースを用意している

 この国連英検ジュニアテストに毎年、参加しているのが南山大学附属小学校だ。西脇校長によると、開校4年目の2011年度から毎年11月、4年生と6年生の全員が校内で、それぞれPreAコース(修学レベル・中学1年程度)とAコース(同・中学2年程度)を受験する。試験の1~2週間前に過去問題集で出題傾向を探り、マークシート方式にも慣れたうえで受けているという。

 2017年11月に受験した6年生女子は、「学校の授業をしっかり聞いて、単語学習をしていたので、だいたい解答できました。イラストを見て答えを探すのも楽しかったです」と話す。試験結果は冬休みに入る直前に返却され、同小学校では、正答率の低い問題は授業でフォローアップしている。

 別の6年生女子は、「テストで解答に悩んだ問題を洗い出して、調べ直すうちに英語の新しい発見をすることもあります」という。「将来の進路は決まっていませんが、英語を使って活躍する仕事がしたい」と夢を話す。

 2020年度から実施される小学校の新学習指導要領では、5、6年生の英語が、「読む」「書く」も学ぶ正式な教科となる。現在の5、6年生で行われているゲームなどを通じて英語に慣れ親しむ「外国語活動」のカリキュラムは、3、4年生に前倒しされる。

南山大学附属小ではネイティブと日本人の英語教員がチームティーチングで少人数授業を展開している
南山大学附属小ではネイティブと日本人の英語教員がチームティーチングで少人数授業を展開している

 英語の早期教育のあり方が模索される中、南山大学附属小学校では、ネイティブと日本人の英語教員をそれぞれ4人そろえ、クラスを二分した少人数授業をチームティーチングで展開している。1年生から毎日20分間、英語に触れる時間を設け、4年生以上はさらに週1時間の英語の授業を受けている。

 授業では、楽しみながら学べるように歌や劇も取り入れる。休み時間などにネイティブの教員との会話に挑んだ児童はサインがもらえる、教員の似顔絵入り「NANZAN PASSPORT」も2017年度からスタートした。「英語で伝えられる喜びは自信につながり、外国人と話すハードルも低くなります」と、英語科教員は話す。

学習到達度をデータ化、英語指導の材料に

 こうした同校の早期英語教育の中で、国連英検ジュニアテストの受験は、子供たちにとって学習への大きな励みになっているようだ。

 同校は、入学前にインターナショナルスクールに通学した経験のある児童もおり、初めて英語に触れる子とのギャップは大きいという。すべての子供たちが自信を失わずに学習を続けられるよう、一人一人の学習到達度を確認し、丁寧にサポートしていくために同テストの活用が役立っている。

 「子供たちにとって自分の英語のレベルを知る貴重な機会になっています」と、同校のネイティブの教師の一人は話す。「周りの子と比べて落ち込んでいた子がテストの結果を知り、自分の英語力が確実に伸びていることに気付き、前向きに勉強に取り組めるようになります。『I can do it!』はモチベーションアップに大きな力となります」

異文化に生きる国際人を育てる第一歩に

教員の似顔絵をあしらった「NANZAN PASSPORT」
教員の似顔絵をあしらった「NANZAN PASSPORT」

 南山大学附属小学校は、幼稚園から大学までを運営する南山学園の一角をなす。キリスト教的世界観に基づく教育を実践し、全校朝会でも英語で「主の祈り」を唱えて一日がスタートするという。西脇校長は「キリスト教に基づく『開かれた心』で他者を受け入れ、学び合う。それは国際理解や英語教育にも通じます」と語る。

 キリスト教の「隣人愛」の考えなどを学ぶとともに、さまざまな他宗教への尊敬の心も育んでいるという。「世界には多様な文化や宗教、価値観を持った人たちがいます。どんな相手もおおらかな心で認める真の国際人を育てるには、コミュニケーション手段としての英語の教育を早くから続けることが役立ちます」と指摘する。

 日本国際連合協会の国連英検担当・林稔さんは、「異文化の中で生活し、自分の考えを伝えるには、英語の力が欠かせません。国連英検ジュニアテストの受験を通して、子供たちが自信を持って、英語を楽しく学び続けるとともに、このテストが将来、グローバルに活躍するための第一歩になることを願っています」と期待を込めた。

 (文・写真:櫨本恭子 一部写真:南山大学附属小学校提供)

 国連英検ジュニアテストについて、さらに詳しく知りたい方はこちら

464933 0 資格・検定情報 2019/02/27 10:36:00 2019/02/27 10:36:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190227-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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