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【特集】新指導要領対応で国連英検ジュニアテストを刷新…国連英検

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 日本国際連合協会(東京都中央区)は2021年度から、「国際連合公用語英語検定試験ジュニアテスト(国連英検ジュニアテスト)」をリニューアルする。今年度から小学校で施行されている新学習指導要領への対応であり、子供たちの英語力向上を予想して、より精度の高い問題が作成される模様だ。監修者らに、テストの特徴とリニューアルの狙いについて聞いた。

自宅受検の拡大で受検者数が過去最多

国連英検ジュニアテストのリニューアルについて説明する羽井佐教授
国連英検ジュニアテストのリニューアルについて説明する羽井佐教授

 国連英検ジュニアテストは、未就学児から中学2年生までを主な対象とした英語力検定試験だ。主に中学生以上が受検する英語検定試験「国連英検」のジュニア版で、下からレベル順にE、D、C、B、PreA、Aの6コースが設定されており、年2回実施されている。

 同テストは1987年にスタートして以来、数回の改訂が行われてきたが、来年度は、十数年ぶりの大がかりなリニューアルが行われるという。小学校で今年度から新学習指導要領が施行され、子供向けの英語教育のあり方が変わってきているからだ。

 同テストを監修する相模女子大学教授の羽井佐(はいさ)昭彦先生は、リニューアルの背景をこう説明する。

 「昨年度まで、小学校では5年生から『外国語活動』として、『聞く』『話す』を中心とする英語に親しむための活動が行われてきました。しかし、今年度は、3年生から『外国語活動』が始まり、5年生では『読む』『書く』を取り入れた正式な教科となりました。低年齢の子供たちの英語力が上がってくることが考えられ、国連英検ジュニアテストでも、使われる語彙(ごい)を調整するなどして、より精度の高い問題を作成しているところです」

イラストを多用した問題帳
イラストを多用した問題帳

 例えば、音声を聞いてイラストを選ぶというこれまでの出題形式に加え、イラストを見て音声を選ぶ形式も取り入れる。一方で、選択肢に対する解答の仕方にも工夫を試み、より洗練されたテストを目指している。

 「今回のリニューアルにより、英語を聞いた時に、より正確な理解が求められるようになります」と羽井佐先生は話す。単語だけで理解するのではなく、ある程度の長さの文をしっかり聞き取る必要が出てくるということだ。上位のコースでは、文法理解も段階的に取り入れていくという。

 主に「聞く力」を問う試験であることから、受検対策としては、「普段からできるだけ多くの英語の音声に触れることが大切です」と、羽井佐先生は言う。インターネットの動画、子供向けの映画やテレビ番組など、楽しみながら見ることができる英語の素材に触れることで、次第に目にするものと音声の内容が頭の中で一致するようになる。読み聞かせの音声CDを聞きながら英語の絵本を見ていた幼い子供が、音声を聞きながら自分でページをめくるようになった例もあるそうだ。

 同テストは幼稚園、学校、英会話スクールなどでの団体受検を基本としているが、新型コロナウイルス感染対策として、昨年までEとDのみだった自宅受検を、今年度の第2回試験ではCとBにも拡大した。保護者が監督官となり、インターネットで音声データにアクセスして問題を解くという形式で実施される。今回、初めてこの方法で試験を行ったところ、受検者数は過去最多を記録したそうだ。

 国連英検及び国連英検ジュニアテストを担当する国連英検事務局の林稔さんは、「家にいる時間が長くなり、この機会に子供に英語を学ばせたいという保護者の方が増えているのでしょう。自宅受検であれば、『密』になる環境を避けて安心して受けることができるというメリットがあります。幼稚園、学校、英会話スクールなどでも、この方法での団体受検を実施しています」と言う。

 羽井佐先生は、「将来、世界に出て活躍する人材になるには、英語力とグローバルなコミュニケーション能力が必要とされます。子供たちには、幼い頃から日常的に英語に触れることで、自分の能力と可能性を着実に伸ばしていってほしい」と期待を寄せている。

SDGsなど国連活動を意識した問題作り

国連英検ジュニアテスト及び国連英検の統括監修官を務める服部教授
国連英検ジュニアテスト及び国連英検の統括監修官を務める服部教授

 同テスト及び国連英検には、単なる英語力の検定以外にもう一つ大きな特徴がある。国連が推進するSDGs(持続可能な開発目標)や異文化理解の要素を盛り込んでいるところだ。2019年から外務省後援の試験ともなっている。

 同テスト及び国連英検の統括監修官である大妻女子大学大学院教授の服部孝彦先生は、その目的をこう説明する。「自分たちの住む日本は、経済の発展した豊かな先進国であり、世界の多くの国は貧困の中で自立と発展を模索しているということを子供たちが理解できるよう、作問者は常に意識しています。SDGsの『貧困をなくし、差別を減らすこと』、『続かない世界』から『続く世界』にすることについて、テストを通じて気付いてほしいと考えています」。

 同テストでは、英文を「読む」必要があるのは上位のA、PreAだけで、それ以外は主に英文または英単語を聞いてそれに合ったイラストを選ぶという形式になっている。そのため、英語学習を始めて間もない未就学児でも無理なく受検することができる。動物や花などを現代的なイラストで表現し、受検者にとって魅力的な内容となるよう心掛けているそうだ。

 「子供たちにとって身近な題材を用い、常に興味関心を持って英語学習に取り組むことができるような工夫をしています。ただ、『英語に親しむ』だけでは、英語は上達しません。英語を使ってコミュニケーションすることを常に意識した、英語が使われる場面を考えた出題を行っています」

受検者全員に贈られる認定証(見本)
受検者全員に贈られる認定証(見本)

 同テストに合否はなく、コースごとに「1級」「2級」「3級」というレベルを判定する仕組みで、受検者全員に認定証と評価シートを発行する。受検者はこの認定証などを、小学校受験、中学校受験の際に英語力の証明として提出することができる。また、受検者個人の偏差値だけでなく、受検団体別の平均点と全国平均点の比較データなども国連協会から提供されることから、このデータを英語指導の指標として活用している学校や英会話スクールも多いようだ。

 同テストの上位試験である国連英検は、英語力と共に国際協力・国際理解のためのグローバル・コミュニケーション能力を測定するものだ。国連英検は国内最高難度の英語力検定試験とも言われるが、ここ数年、中学生からも最上位「特A級」の合格者が出ている。

 「国連英検ジュニアテストに続き、国連英検を受検することで、英語力を診断すると同時に、グローバル・コミュニケーションの力を伸ばすことができます。国連英検ジュニアテストを、これからの世界に生きる日本の子供たちが世界について、国連活動について知るきっかけとなる試験とし、SDGs時代に貢献したいと考えています」と、服部先生は抱負を語った。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:日本国際連合協会)

 国連英検ジュニアテストについて、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1789131 0 資格・検定情報 2021/01/29 05:01:00 2021/01/29 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210122-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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