「塾」の上手な選び方、付き合い方…佐藤亮子

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2月は塾の新学年が始まる月

 今年も早1か月が過ぎ、2月になりました。まだ、学校では学年は変わっていませんが、塾では新しい学年が始まる月です。

 初めて塾に行こうと考えている方もいれば、「今の塾のままでいいのか」「塾の成績がなかなか上がらない」「子供が塾を行くのを嫌がり始めた」などなど、悩んでいる方もいるでしょう。塾に関した悩みは尽きません。

 受験には、やはり塾が必要です。受験生は持ち時間は同じです。その持ち時間をいかに有効に使うかで勝負が決まるというところがあります。

 そこで、「塾選び」が大切なポイントとなってきます。塾にはそれぞれ方針があり、各科目の教え方が微妙に違います。特に、算数の解き方が違うことが多いのです。

 今、通っている塾が合わないから別の塾に移るなど、塾をうろうろする方がいますが、それでは子供が学び方で迷ってしまい、結局は実力が付かなかったということになります。

 だから、塾選びは慎重にするべきであり、その時には、さまざまな考慮するべき要素があります。

塾選びのポイント6か条

(1)自分の志望校の合格実績

 合格したい学校に何人合格させているかは、重要な情報です。毎年0~1人合格、というのは、たまたま、できる子がいて合格した可能性があり、そこの塾の指導の結果ではないかもしれません。やはり、せめて毎年、数人の合格者を出しているところが安心です。

(2)家からの距離

 小3や小4から通塾することが多いので、遠過ぎるのは子供の体への負担が大きくなります。塾の宿題はかなり量が多いので、通塾時間が長いのはハンデですね。車で送迎ができるのなら、お母さんは大変ですが、送迎してほしいです。電車で通塾でしたら、片道30分まででしょうか。何度も乗り換えが必要な塾も避けたいところです。

(3)塾の大きさ

 大きければいいというものでもありません。こぢんまりとした塾は、アットホームな雰囲気でよく面倒を見てくれたりします。でも、模試などは大手の塾で受ける必要が出てきます。

(4)学校の友達が通塾しているか

学校の友達と一緒に塾に通うのが楽しいと思う子も(画像はイメージ)
学校の友達と一緒に塾に通うのが楽しいと思う子も(画像はイメージ)

 学校の友達がいるのが楽しい子と、いない方がやりやすいと思う子がいます。そこのところは、子供本人とよく相談してください。本人に聞かないと分かりませんから。

(5)予習型、復習型、宿題型

 予習を家でさせてから授業をする塾、授業をして復習を家でさせて、確認テストをする塾、学校の授業が分からない子の宿題の面倒を見る塾などがあります。

 どの形式の塾にするかは、子供の学力をよく考えて選ぶべきでしょう。高望みをして子供に無理をさせないようにすることです。中学受験に合格することも大事ですが、小学校の内容をしっかりと身に付けさせることが何よりも優先するべきことですから。

 どこの中学校に入学しても、中学校の内容を勉強するわけですから、「○○中学に行った」ということにそんなにしがみつくことはありません。中学校と高校の内容は、小学校の内容の上に成り立つものなので、塾では堅固な基礎作りを目指すべきなのです。

(6)成績順に席順を決めることなど

 1週間に1度、1か月に1度と回数は違いますが、テストの順位で席に座らせるということをする塾もあります。このようなやり方が子供の意欲をそぐ場合がありますので、要注意事項です。各塾がどのようなやり方をしているのかは知っておく必要があります。私は、このような席替えは子供たちに経験させたくなかったので、そのような塾は避けました。

膨大な塾の宿題をいかにきちんとこなすか

 次に塾との付き合い方ですが、なんと言っても、子供の実力を上げることを最優先にすることです。

 塾に行き、実力を上げ、最後には志望校に合格するために、基本になるのは「塾の宿題をきちんと済ませる」ことに尽きます。塾の宿題は、難しくて量が多いものです。それを、いかにきちんとこなすか。

 お母さんが、「ちゃんと塾の宿題はやったの! 早くやりなさいよ!」と、口で言うだけでは子供はやりません。

 例えば、水曜日に塾で算数の授業があるとします。前回の内容の確認テストがある場合は、宿題をきちんとやっていないと点数が取れません。子供は、宿題をやらなければと思いながらもなかなか取り掛からず、結局は前の日の火曜日の夜8時くらいから、シブシブ始めるというのがよく見られる光景です。

 例えば、12問ある宿題に取り掛かるものの8問くらいで息も絶え絶えになり、最後の4問は考える気力もなくなり、答えを写して終わり、ということになりかねないのです。こんなことをしていては、思うような点数は取れません。子供もテストを受けるのが嫌になり、揚句には塾に行きたくないと言い出すのです。準備不足が明らかで、点数が悪いと分かっているテストなんて受けたいと思う子はいないでしょう。

 宿題を楽しく気楽にさせるためには、宿題を分割するのがおすすめです。算数が12問あるとしたら、3日間に分け、1日分を4問に決めます。そして、土曜日、日曜日、月曜日に4問ずつさせます。4問目と8問目と12問目の後に、水性の赤のフェルトペンの太い方で横に線を引いて、やる日にちと曜日を書いておきます(油性は裏移りするので、ぜひ水性で。太く書く方が目に訴える力が強いのです)。

宿題は楽しく気楽に子供にやらせたいもの(画像はイメージ)
宿題は楽しく気楽に子供にやらせたいもの(画像はイメージ)

 子供は、毎日その赤線と日付を目指して頑張ったらいいし、4問でいいので、案外気が楽です。しかも、4問だけなので、負担に思うこともなく、答え合わせもやり直しも丁寧にやります。お母さんの付けてくれた赤線の通りにすると、いつの間にか宿題が終わった、という感じがやる気を出させます。

 3日間かけても、テスト前日の火曜日がありますので、もう一度ゆっくり見直せます。水曜日のテストには準備万端となり、子供はいい点が取れそうなので早くテストを受けたくなるのです。ちなみに、3分割ではなく、2分割と4分割にしたことがありました。やらせてみると、2分割では量が多すぎる、4分割では1日目のことを忘れがちなので、3分割に落ち着いたというわけです。「やりなさい」だけではなくて、「4問ね」と具体的なゴールを日々、設定してあげるとうまくいきます。

 やり方などが分からない時は、遠慮せずにプロである先生に尋ねることです。先生も、その子の様子がよく分かるので質問してほしいとおっしゃっています。

 受験生活を親子で大きく成長できるような経験にしていただきたいと思います。

プロフィル
佐藤 亮子( さとう・りょうこ
 大分県生まれ。津田塾大学卒業。高校の英語教師として勤務。結婚して長男、次男、三男、長女の4人の子を育て、4人とも、東京大学理科三類に進学する。現在、受験に対する親の心構えなどをテーマに講演活動を行っている。
422443 0 マナビレンジャー 合格への道 2019/02/04 15:16:00 2019/02/04 15:16:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190204-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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