1月は4、5年生にも父ちゃんにも試練の時…熊村剛輔

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6年生になってしまえば父親にできることは少ない

 子供が中学受験を始めると、少なくとも4年生から6年生までの3年間は、何らかの形で、ずっと子供に付きっきりになってしまうというのは、決して誇張された話ではない。実際、息子が中学受験を考え始めた当初は、「いやいや、やっぱり誇張だろう」と甘く考えていたのだが、それはあまりにも楽観的すぎた。

 多くの場合、4年生の夏休みから、夏期講習をきっかけに、塾通いが始まる。ここから徐々に受験モードに突入していくわけだが、ただ単に塾に通わせておけばいいというわけにはいかない。実際、少なくとも4年生の秋から、週末の予定は受験を中心に動き始めると言ってもいい。学園祭や運動会巡り、そして、その合間を縫うように学校説明会に参加することになるからだ。週末どころか、場合によっては平日昼間に休みを取って出かけなくてはならないこともある。

 もちろん、子供が今通っている小学校の行事も、一大イベントの一つだ。運動会や学芸会など、親がサポートしなくてはならないことは山ほどある。これに加えて、子供が野球やサッカーなどのスポーツ少年団などに入っていたら、週末はますますカオスなことになる。毎週の練習や対外試合、それに対する付添いや当番が容赦なく入ってくるわけだ。とてもじゃないが、身がもたない。

 というのは、全て家人のコメントである。今思い返すと、父親的に「もっと、色々とやっておけばよかった」と後悔することばかりだ。さすがに6年生になって、受験が近づいてきたタイミングで、父ちゃんも色々と動こうかと思ったときには、時すでに遅し。その頃に父親ができることなんて、せいぜい模試の会場への送り迎えくらいしかない(おかげで試験会場になっている学校については、少し詳しくなったが、それは全く息子の受験には関係なかった)。そりゃそうだ。いくらなんでも受験まで1年を切ったタイミングで、自分の行きたい学校をリサーチなんてするわけがない。いくら自分に受験経験がないとはいえ、あまりにもひどすぎた。

年明けは4、5年生にとっても「勝負の時」

新年1月は6年生だけでなく、4・5年生にとっても「勝負の時」(写真はイメージです)
新年1月は6年生だけでなく、4・5年生にとっても「勝負の時」(写真はイメージです)

 さて、塾の冬期講習も終わり、年が明けた今のこの時期、6年生にとっては入試本番だが、4、5年生にとっても「勝負の時」となる。1月に行われる塾の模試があるからだ。多くの塾にとって、この模試が、2月から始まる新年度における「クラス分け」を決定付ける重要なものになる。

 つまり、模試の結果が良ければ、上位のクラスに入った状態で2月からの新学年を迎えることができるが、この模試で崩れてしまうと、その後のリカバリーに、思ったよりも時間がかかってしまうことを意味する。一度下のクラスに下がっても、また勉強すれば、すぐ上のクラスに移れる(戻れる)と思うだろうが、現実は、それほど簡単ではない。

 進学塾に通うのであれば、少しでも上のクラスにいた方が良いし、それを目指すに越したことはない。なぜならば、上のクラスになればなるほど、受験に有利な環境が整うからだ。学ぶカリキュラム、それを教える講師、そして入手できる情報の質など、全てにおいて、上のクラスにいる子供たちの方が、条件的には有利になる。自分の子供よりも良い環境下で、日々勉強をしている子供たちの集団に追いつき、その中に入っていくためには、想像以上の努力が求められる。

 ただ、年末のクリスマス、正月と、魅力的なイベントが目白押しだった冬休みモードから現実の世界に戻るのは子供にとって簡単ではない。懐だってお年玉でまだ温かい。

 父ちゃんだって1月の社会復帰は困難なのだ。それでも、子供の受験に、あまり参加できなかった4年生、5年生のお父さんたちは、ここで子供の受験と向き合う価値がある。少しでも勉強を見てあげて、一緒に問題を解くだけでも十分だ。それだけでも、子供の精神的な負荷は、かなり軽減される。

 6年生になると、この時期は、本番に向けた最後の追い込みに、全てが支配される。このクライマックスとも言える時期に、父親が手伝えることは、意外と多くはない。日常生活を、密にケアしてあげることは難しい。勉強を見てあげようにも、もう志望校の入試問題を攻略するための具体的なテクニックに磨きをかけている段階だ。何十年も受験の現場から遠ざかっている父親が、簡単に教えられるものではない。

 6年生になってから焦っても、その時は、もう手遅れなのだ。

プロフィル
熊村 剛輔( くまむら・ごうすけ
 外資系IT企業勤務。サックス奏者でありライター。父親の転勤に伴い、幼少から海外に生活し、小中高校は全て海外で卒業。大学入学以降日本に在住し、四半世紀。今でもときどき文化の違いに戸惑いながら、現在に至る。一男一女の父。

無断転載禁止
989477 0 マナビレンジャー 合格への道 2020/01/08 12:01:00 2020/01/08 13:57:36 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200107-OYT8I50048-T.jpg?type=thumbnail

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