兵庫女子校の英語教育、チャレンジする私学…森永直樹<6>

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 私立中高一貫校への志望理由ランキング(日能研生調査)を見ると、「英語教育への期待」の項目が上位に上がってきています。以前から女子に見られる傾向で、小学校から英語を学ぶ時代になったこともあり、男子でも上昇しています。学校のタイプ別で言えば、「大学付属校」や「女子校」を志望する際に強く見られる傾向です。英語教育と言えば兵庫の女子校。この連載で以前、英語に特化したコース制の松蔭中学校(神戸市)を紹介しましたが、今回は新たに兵庫の女子校から英語教育が特色の4校を紹介いたします。

英語教育のトップランナー 神戸女学院

神戸女学院では母国語のように英語を学ぶ「クルーメソッド」を取り入れている(写真はイメージです)
神戸女学院では母国語のように英語を学ぶ「クルーメソッド」を取り入れている(写真はイメージです)

 まず1校目に紹介するのは、兵庫を代表する名門女子校の神戸女学院(西宮市)です。抜群の教育環境を誇るプロテスタント系ミッションスクールで、広大な敷地には、米国の建築家ヴォーリズが手掛けた重要文化財指定の美しい校舎が立っています。

 神戸女学院は多くの優秀な卒業生を輩出し、教育力の高さを証明しています。その教育の代名詞というべき存在が「クルーメソッド」と呼ばれる英語教育です。伝道師であったアンジー・クルー先生が、1930年からの34年間で、それまであった英語教育のノウハウを中学部・高等学部それぞれの生徒たちに合うように工夫し、まとめあげられたものです。

 ネイティブの教員も日本人の教員も原則として日本語を使用せず、入学後、生徒たちはあたかも母国語のように英語を学ぶ環境に置かれます。徹底的な発音指導に始まり、ペアティーチングでネイティブと日本人の教員が交わす対話を通して英文とその意味を理解し、日本語に置き換えず自然に英語を理解する力を身に付けます。

 伝統の独自シラバスに従って高度な「聞く」「話す」力を身に付けながら、自主教材で「読む」「書く」力をも合わせた4技能を養っています。中学部で扱われる聖書物語やマザーグースなど豊富な内容は、まさに教養主義を貫くもので、授業で取り扱われる素材のラインアップを見るだけで、同校の魅力が分かります。

 高3は6年間の学習成果として「TOEFL ITP LEVEL1」を全員が受験し、毎年高得点をあげています。

「生きた英語を学ぶ」がコンセプトの武庫川女子大学附属

 2校目に紹介するのは武庫川女子大学附属(西宮市)です。

 多方面で社会に貢献できるグローバル人材を育てることを目標に、「創造グローバルコース」と「創造サイエンスコース」を2017年からスタートさせています。以前から英語教育のクオリティーは高く評価されており、フォニックス(phonics)や多読の実践、ネイティブの教員の単独授業などにより、4技能の力を最大限引き出し、伸ばす授業、演習を実践してきました。

 17年からは「楽しみながら、生きた英語を学ぶ」をコンセプトに、中学時代の習熟度別授業や高2からのSATやTOEFL、GTECの受検対策のための「検定英語」という学校設定科目を設置。武庫川女子大学英語文化学科及び海外大への進学に必要な学びを育んでいます。

 さらに充実した指導体制のもと、中学卒業時には英検準2級を、高校卒業時には英検準1級の取得を到達目標に掲げています。

 「創造グローバルコース」では、高校で第2外国語が選択できるのも魅力の一つです。中国語、韓国語、フランス語に興味のある生徒が積極的に授業に参加し、力を付けています。

 アメリカ、オーストラリアを始めとする7か国との短期交換留学や海外研修も充実しており、さまざまな国へ留学し、海外大へ進学するなど、世界へはばたく生徒が増えてきそうです。

充実の海外研修で英語力を磨く神戸国際

 3校目に紹介するのは神戸国際(神戸市)です。

 創立以来、グローバル人材の育成に取り組む女子進学校です。中1から英語・フランス語の2か国語を必修とする外国語教育は、ネイティブの講師6人による対話型授業が中心です。それを実践する「応用英語プログラム」では、英語で音楽、美術を学ぶ「イマージョン教育」や、ネイティブの講師を囲んで会話を楽しむ「イングリッシュカフェ」など、日頃から外国語に親しみ、コミュニケーション能力の基礎を養う環境が整っています。

 カナダ、フランス、イギリスを巡回する海外研修、中3全員が3週間ニュージーランドでホームステイをする語学研修、高2全員の海外修学旅行など、充実した研修体制のもと、英語力に磨きをかけています。

 また英語やフランス語のスピーチやプレゼンテーションにも同校は力を入れており、校内で実施されている「オラトリカルコンテスト」での生徒のパフォーマンスは迫力十分です。表現力、発信力そして積極性にも定評があり、国際人育成の第一歩となっています。

国際教養人の育成目指し、環境整える姫路女学院

 最後に紹介するのが姫路女学院(姫路市)です。

 リベラルアーツ教育を新機軸としつつ、国際教育にも力を注ぐ女子校です。20年4月に兵庫県播磨高等学校から姫路女学院高等学校に名称変更し、21年入試から中学募集を再開します。

 英語4技能をバランスよく高める授業によってコミュニケーションスキルを定着させるとともに、世界共通の目標であるSDGsを学ぶ「ニューヨーク国連研修」などのプログラムを通じ、国際舞台で活躍できる「国際教養人」の育成を目指しています。また20年度からは、短期から長期の海外英語研修プログラムの実施が予定され、さらに研修体制が充実する見込みです。

 英語教育については、すべての科・コースで「English Shower」の授業を週2回行い、その時間は6人のALTから英語をシャワーのように浴びることによって、スピーキング力とリスニング力の向上を図ります。その他にも放課後の「English Room」やiPadを使った自宅での英会話レッスンなど着々と学習環境が整ってきています。

 新たに中高一貫コースを設ける姫路女学院の「国際教育(英語を含む)」に期待しています。

 大学入試での民間検定試験の活用が話題となった「英語4技能」ですが、大学入試のためではなく、このグローバル社会で活躍するためのコミュニケーション手段として必要な力です。最も大切なのは「英語好き」になれるかどうか。そのための興味を引き出す授業内容や「英語好き」にさせるさまざまな仕掛けがどれだけ、この6年間にあるかどうかが重要です。

 今回紹介した学校はまさにそれが実践されている学校です。オープンスクールなどに参加して、体験されることをお勧めします。

プロフィル
森永 直樹( もりなが・なおき
 株式会社日能研関西 取締役。教室長、進学情報室室長、教室統括部長などを歴任。現在は教室と広報セクションを統括しながら、学校・教育情報を発信している。私学教育の魅力を伝える講演など中学受験イベントに多数出演。

無断転載禁止
1226160 0 マナビレンジャー 合格への道 2020/05/20 05:21:00 2020/05/20 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200514-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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