どうすれば家庭学習で実力を付けられるのか…籔孝昭

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塾の「課題」は学校の「宿題」とは意味が違う

 浜学園では説明会や講演会など、機会あるごとに家庭学習の重要性を語っています。しかし、保護者からは「宿題が多すぎて対処できない」「家庭で子供の勉強をどうサポートすればいいか分からない」といった不安や悩みの声が聞かれます。そこで家庭学習の目的を考えたうえで、中学受験に直結する効果的な家庭学習の方法をご紹介します。

 家庭学習と言えばすぐ思い浮かぶのは「宿題」ですが、塾から出される「宿題」はいわゆる学校の宿題ではなく、「課題」だと考えてください。学校の宿題からイメージするように最初から最後までやる、量をこなすということが目的ではないという意味です。「課題」の目標は、実力を付けることです。決められた制限時間内に、塾の授業で教わった基本のノウハウを使ってできる限り問題を解くことによって実力が付きます。学んだことを使って、基本問題、やや難しい問題、難しい問題とレベルを上げながら、どこまで解けるかにチャレンジすることです。

 模擬試験や入試では、限られた制限時間の中で解答することが求められます。普段の家庭学習でも、短めに制限時間を設定し、集中してやることによって点数アップが期待できます。設問の制限時間の9割を目標にして挑戦してみましょう。

 そして、課題を解き終わったら、必ず答え合わせをすることです。自分の間違いに気付くことによって、正しい解き方を確認し、記憶に定着させることができるからです。やりっぱなしで答え合わせをしないのでは、力は付きません。間違いを知ることは大切です。なぜ間違ったのか、どう解けばよかったのか、それを考えながら家庭学習を進めるならば、間違った分だけ力が付くことでしょう。

 宿題が多くてすべてがこなせないならば、自分にできることをきちんとやることが肝心です。全く分からない問題に無理やり取り組むよりも、本来はできたはずなのにミスした問題や、答えを見たらすぐ分かった問題をきちんと解けるようになることのほうが有効な勉強方法だからです。

実力アップの家庭学習方法<国語>

 では、国語と算数を例に具体的な家庭学習のコツをご紹介しましょう。まずは国語です。

ポイント1 とにかく書くことが大事

 国語には、抜き出し問題があります。それは、本文のどこかに答えが書いてあるから探してくださいということです。中学入試問題の6割は、傍線の前後5行に答えが書いてあります。とにかく解答欄に書くことが大事です。そして、書いたものは、人に添削してもらうのではなく、自分で答え合わせをすることです。模範解答は本文のどこから答えを取ってきているのかを確認して、「ここか」と自分でその場所を探すことが重要なのです。答えの場所の確認という基本中の基本を、他人任せにしてはいけません。

ポイント2 答えには印をつけて見つけやすく

 抜き出し問題では、本文に答えを見つけたらカギカッコで印をつけておきましょう。余白に問題番号を書いてカギカッコを線でつないでおくと、さらにいいですね。ほかにも国語では、「例えば」で始まる例え話のあとに重要なことが書かれていますから、「例えば」が出てきたら印をつける。そうした工夫を毎回やって、習慣化してください。

ポイント3 1分刻みの時間設定で答えを埋め尽くす

 制限時間の設定は、入試対策として必須です。制限時間がない入試はありません。だからこそ、ざっくりではなく、1分刻みで時間を計って問題に取り組みましょう。同じ長さの長文でも、設問が一つ増えると1分余分にかかります。その増えた設問が「80字で答えなさい」なら、5分は増やさないといけません。さらに、時間を計っていても、解答欄に空白があっては計っている意味がなくなります。国語では時間設定を細かく決めて、時間内に答えを全部書き切るようにしましょう。これをやり続けると、得点力が間違いなく付いてきます。

ポイント4 言葉を覚える専用ノートを作ろう

 よく入試で要求される文学的文章の裏にある心理を読むこと。少しでも点数を取るためには、心情を表す言葉を覚えることです。解答に書ける言葉の数を増やすために、模範解答の中に自分の知らない言葉があったら辞書で調べて、専用のノートに意味を書き出して暗記しましょう。

実力アップの家庭学習方法<算数>

 次は算数の学習方法を紹介します。

ポイント1 厳しい時間設定で集中して取り組もう

 制限時間や時刻を決めて家庭学習に取り組む時は、家庭学習用のノートの上部に自分で厳しめの時間設定を書いてください。例えば、問題集1ページを40分でできそうだと思ったら10分短くして、「開始は何時何分、終了は何時何分(30分後)」と記入して取りかかります。40分で解くよりも焦ることになりますが、短い時間で頭の中を整理して解けたならば、同じ理解でも一段と強い力になります。

ポイント2 ポイントの書き込みで難易度アップを克服

 多くの私立中学受験塾では、宿題の詳しい解説がテキストやWEB講義に出てくると思います。答え合わせで解説を読んで(見て)分かったところは、そのポイントを必ず書き込みましょう。問題を解いて分からない時や間違えた時に、難問ならポイントを書こうという気になりますが、基本問題ですと何もせず、そのままにしがちです。しかし、基本問題こそ、解説をよく理解してポイントを書けば、やや難問が解けるようになり、さらにそのポイントを書くようにしたら、難問が解けるようになっていきます。

ポイント3 手を動かして問題の条件を整理

 5年生までの問題ですと頭の中で処理することもできますが、6年生になると頭の中で処理する前の条件整理が難しくなり、考えるべきことがボンヤリとしか分からない問題が増えてきます。だから、手を動かしましょう。問題に出てくる表やグラフ、線分図などを自分で書きながら条件整理していくのです。これは得意な問題ならできるのに、毛嫌いする難しい問題になればなるほどできません。分からない問題こそ集中して1回読み、手を動かして条件整理して考える習慣を付けてください。

 最後に、時間の使い方について一言アドバイスさせていただきます。

 受験生は、家庭では睡眠や食事などの生活以外の限られた時間のどこかで「勉強時間」を捻出することが大切になってきます。基本的には自分がやってきた勉強方法を大きく変えない方が良いのですが、効率よく勉強することを目標にしてください。今まで40分でやってきた勉強を30分に切り詰めれば、浮いた10分で過去問題など受験前に必要なことに取り組めます。10分がいくつも()まれば、合計で30分、1時間と捻出できるのです。この時間を使って、自分に必要なやるべき勉強に取り組んでいきましょう。

プロフィル
籔 孝昭( やぶ・たかあき
 株式会社浜学園経営企画部長。浜学園では経営企画室と広報を統括しながら、複数の企業の役員を兼務。より多くの児童・生徒に良質な教育サービスを提供するために、他企業とのアライアンスを推進している。代表的なものは中学受験生向けの添削教室「新聞でチャレンジ」。

無断転載・複製を禁じます
1543231 0 マナビレンジャー 合格への道 2020/10/14 05:02:00 2020/10/14 05:02:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201009-OYT8I50051-T.jpg?type=thumbnail

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