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2021年関西圏中学入試、注目ポイントと注目校…森永直樹<9>

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 関西圏中学入試の統一入試開始日まであと1か月余りとなりました。今回は2021年入試の注目ポイントと、注目校4校を紹介します。

受験者数や志望動向にもコロナの影響

 2021年入試で注目しているポイントは二つあります。

 一つ目は、新型コロナウイルスが中学入試にどのように影響するかという点です。2021年入試は当初、今春に引き続き、受験生が増えると予想されていました。しかしながら、コロナの影響が直撃した企業に勤める会社員や、個人事業主のご家庭からは経済的理由で受験を断念されるケースが散見されます。また、6年生の4月から受験勉強を始めて、比較的狙いやすい学校を目指すカジュアルな受験生が、4月から5月に小学校も塾も休校となっていたために中学受験を回避するケースもあるようです。このようなことから2021年の受験者数は、少し減少するのではないかと予想しています。

 コロナの影響は志望校の選定にも及んでいます。コロナウイルス感染予防のため、本来なら学校で実施される学校説明会やオープンキャンパスがオンラインでの実施となりました。9月以降は人数制限のもと学校見学会などが実施されていますが、すぐに定員となって締め切りになるため、複数の学校訪問が難しい状況となっています。学校に足を運んでこそ分かる魅力を実感できないことが、微妙に「併願校の選定」に影響してきそうです。

 二つ目は、近年続いている志望動向がどうなるかという点です。

 全国区の灘中入試は2020年入試では過去最高の志願者数となりました。関西圏以外からの志願者数が増えており、その多くは首都圏でした。進学を考えている受験生はこれまで通り受験すると思われますが、首都圏入試本番前の試し受験は控えるケースが多くなり、2021年入試は減少すると予想しています。

 大学付属校人気にも注目しています。2020年入試と同様に同志社香里や立命館、関西学院の人気は高く、オンラインでのイベントや人数限定の学校イベントには受験生が殺到しています。これまで以上に「関関同立」の付属校人気が高まりそうな状況です。学校によってはやや難化するかもしれません。

 2020年入試で見られた「新タイプの入試」は、予想に反して広がりを見せていません。コロナの影響で告知の徹底が難しく、見送られた可能性があります。そんな中で、親和や滝川第二などが実施する「算数1科目入試」が話題になっており、首都圏のように多くの受験生を集められるかが注目されています。

生徒も構想に加わった校舎が魅力の「奈良学園」

 注目校の1校目は奈良の共学校・奈良学園中学校です。特に目新しい話題があるわけではありませんが、「主体的な学び」が求められる学校教育において、さまざまな場面で生徒が生き生きと自主的に活動している学校です。

 生徒が意欲的に学んでいる背景には、他校を圧倒する教育環境があります。2009年にスタートした「スクール・プロジェクト」における新校舎建設では、建築家や教職員だけでなく生徒も構想に加わり、魅力あるキャンパスが作られました。

 校舎の特長で言えば「図書館」と「職員室周辺の質問スペース」が挙げられます。開放感のあるこだわりの図書館は蔵書5万冊、全席照明付きのキャレルデスクを完備しています。図書委員会が紹介したい本を集めて作成する「奈良学の100冊 わたしの1冊」は生徒たちにも好評で、読書好きの生徒が多いのも納得できます。また環境教育に力を入れていることから、図書館にSDGs(持続可能な開発目標)に関する展示をするなど、生徒たちの学びを刺激しています。

 生徒が先生に相談しやすいようにと設計された職員室周辺の質問スペースは常に生徒があふれています。先生と生徒の距離が近いことも奈良学園の魅力です。

奈良学園の校内の里山にあるシイタケのホダ木 
奈良学園の校内の里山にあるシイタケのホダ木 

 そして奈良学園といえば「森の教室」。校内に甲子園球場の3倍の広さを持つ里山があります。もともと残されていた棚田などを再生したもので、生徒たちの五感を刺激する学びの場となっています。里山の活用方法は各学年さまざまで、中1では1人1本「ホダ木」を割り当ててのシイタケ栽培、高1では「環境科学学習」として棚田を利用した稲作にも挑戦しています。田植えから刈り入れ、脱穀まで生徒たちの手で行われています。

 「森の教室」の中には水生昆虫をはじめ動植物が多く、そこに引かれて入学を決める生徒もいるそうです。2012年からSSHに指定され、研究活動も盛んに行われ、「理科好き」が多く集まっています。

実績躍進の「西大和学園」「須磨学園」「東洋大姫路」

 2020年の大学入試で大きく躍進した3校に注目しています。奈良の共学校「西大和学園」と兵庫の共学校「須磨学園」「東洋大姫路」です。

 「西大和学園」は東京大・京都大ともに合格者が50人を超え、名実ともにトップ校の仲間入りを果たしました。男子の灘・東大寺学園・甲陽学院・大阪星光学院といったトップ校との併願可能な入試日程なので、これまでより志望順位が上がってくることが予想されます。一方、女子では不動のトップ校となりつつあり、狭き門となるでしょう。

 「須磨学園」はその教育内容への期待が高く、中学入試では既に難関校となっています。「意欲的に取り組む生徒」と「それを全力で支える教師の熱意」が実を結び、京都大・大阪大・神戸大の実績が躍進しました。なかでも大阪大などの推薦入試の実績は高く評価されています。コロナ休校期間中のオンラインでの指導も評判がよく、2021年入試では志願者数が大幅に増えそうです。

 「東洋大姫路」は中高一貫コースの1期生が、これまでにない実績を出し、注目されています。課題解決型学習に、これからの社会全般で必要とされるリテラシーを盛り込んだ独自のプログラム「キャリアフロンティア」を進路実現につなげています。このプログラムに期待して入学している生徒は多く、入学当初から意欲的に取り組んでいました。「本物から学ぶこと」と「深く考えること」を大切に、さらなる飛躍が期待されています。

プロフィル
森永 直樹( もりなが・なおき
 株式会社日能研関西 取締役。教室長、進学情報室室長、教室統括部長などを歴任。現在は教室と広報セクションを統括しながら、学校・教育情報を発信している。私学教育の魅力を伝える講演など中学受験イベントに多数出演。

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1655200 0 マナビレンジャー 合格への道 2020/11/27 08:00:00 2020/11/27 08:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201125-OYT8I50060-T.jpg?type=thumbnail

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