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鎌女生の自然体の魅力…辛酸なめ子<37>

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鎌倉ブランドの中でも最強なのは?

海へと続く道の、門の前にたたずむ中塚さん。ホームに帰ってきた安心した表情です
海へと続く道の、門の前にたたずむ中塚さん。ホームに帰ってきた安心した表情です

 鎌倉という名前のブランド力は根強いです。鎌倉ハム、鎌倉ピクルス、鎌倉山ラスク、鎌倉山納豆……と、食べ物ばかりで恐縮ですが、鎌倉とつくだけでワンランク上のイメージに。校名に鎌倉がつくと最強です。鎌倉女学院中学校高等学校は、鎌倉駅からほど近い恵まれた環境にあります。「国際・環境学」や「鎌倉学」、「国際交流」などが教育の特色。「鎌倉の町すべてが私たちのキャンパス」という理念で、鎌倉の地理や産業、歴史から、日本文化まで幅広く学びます。その「鎌倉学」の知識を生かし、ミス鎌倉に選ばれた卒業生がいらっしゃいます。鎌倉女学院中学校高等学校出身で、2020年の「ミス鎌倉」の中塚星来(せいら)さんに話を伺いました。東京工業大学の生命理工学系で学ぶ理系女子としても日々研鑽(けんさん)を重ねていらっしゃいます。

 マスク姿でも瞳の輝きにポテンシャルを感じさせる中塚さん。まずは「ミス鎌倉」に選ばれた経緯を伺いました。

 「選ばれたのは2人なんですけど、倍率は30倍くらい。予選や書類審査を受けたのですがコロナの影響で本戦は中止に。本戦では、大学でアカペラをやっているのでJ-Popを歌う予定だったんですけど……」

 今年のミス鎌倉の2人の写真をネットで拝見しましたが、2人ともかなり美しくて書類だけでも圧勝感が漂います。

学校前の歩道橋から校舎を望みます。遠くには鶴岡八幡宮の鳥居が。名所だらけです
学校前の歩道橋から校舎を望みます。遠くには鶴岡八幡宮の鳥居が。名所だらけです

 「予選では、何人か偉い方の前で熱意を語ったり、質疑応答があったのですが、私は鎌倉に通学していたので有利だったかなと思います。鎌倉の好きなところも聞かれましたね。稲村ヶ崎とか坂ノ下の近くの小道の温かい雰囲気のお店がたくさん並んでいる所が好きなのでそれをお話ししました。明月院とか北鎌倉が結構好きです」

 やはり通はドメジャーな小町通りが好きとか言わないようです。「ミス鎌倉」の研修期間では、習う内容が知っていることばかりで、「鎌女ってすごかったんだ」と実感したそうです。

 「『鎌倉学』という授業の定期テストでは鎌倉の知識を聞かれるので。なかなか貴重な授業だったと思います。鎌女生は『ミス鎌倉』と親和性が高いので、後輩にも応募してもらいたいです」

 「ミス鎌倉」なだけあって、鎌倉愛が強い中塚さん。

 「家から近いっていうことで入学したんですけど、振り返ってみれば本当に鎌倉で良かったなと思いますね。貴重な学校生活でした。英語の授業で鎌倉ガイドをしたこともあります」

 「鎌倉大仏」がいる「高徳院」や、「鶴岡八幡宮」などメジャーな観光地で、外国人観光客に英語で果敢に話しかけたりしていたそうです。

 「観光客の方に、私たち今からガイドするんで、と押し付けがましくガイドさせていただいていました。この経験も『ミス鎌倉』に応募した時に役立ちました。外国の方は結構ノリが良く話を聞いてくれて、セーラー服が珍しいのかいっぱい写真を撮っていましたね」

 それはこんなかわいい女子高生たちが話しかけてきたら写真を撮りまくるしかないでしょう。日本の思い出のハイライトになったのでは……。

自然に囲まれ元気に育つ「鎌女あるある」

知的で洗練されたエリートの育成を目指す鎌倉女学院。校舎も洗練されてエレガントです
知的で洗練されたエリートの育成を目指す鎌倉女学院。校舎も洗練されてエレガントです

 鎌倉というとビーチも魅力ですが、鎌倉女学院では原則、海に寄り道するのは禁止だったとか。たしかに季節によってはタトゥーが入った(やから)も散見されます。

 「体育の授業で海に行ったことはあります。結局貝を拾ったりして、でもすごい楽しかったです。ホームルームで海に行ってゴミ拾いもしました」

 海が近いから、時々学校内を小さい(かに)が歩いていることがあるそうです。生徒さんは虫には「キャー」と言うけれど、蟹には、蟹だね、という落ち着いたリアクションだとか。喜ぶのは中1くらいであとは皆さん蟹慣れするそうです。

 海や山など豊かな自然に囲まれて育った生徒さんたちは表情豊かになるようです。

 「とにかく元気で動物園みたいに騒いでいますね。『鎌女あるある』で、『学校の窓が15センチしか開かない』というのもあります。近所からうるさいって苦情が来るからだそうで……。雪が降ると本気で雪合戦してビショビショになったり、休み時間にどこか探検に行ってドロドロになって帰ってきた子もいました」

 他に「鎌女あるある」はどんなことがあるのでしょう。

校内にたたずむ中塚さん。このスペースではミニコンサートが開催されることもあるそうです
校内にたたずむ中塚さん。このスペースではミニコンサートが開催されることもあるそうです

 「内輪ネタですが、行事の時に生徒会長が『今日は鎌女日和ですね!』と全校に問いかけて皆が『そうですね!』って答える恒例のやりとりがあります。晴れても雨が降ってもいつでも鎌女日和です」

 「いつでも鎌女日和」。学校案内パンフに使えそうな良いフレーズです。この日、学校の応接室で鎌倉の銘菓、(はと)サブレーを出していただいて、中塚さんも鳩サブレーに反応していました。学校でも時おり鳩サブレーが配られていたそうです。学校説明会の受付をしたり、何か手伝った生徒がもらえることが多かったとか。図書券よりも随分安上がりですが、鳩サブレー1枚でも喜ぶ生徒さんの素直さがすばらしいです。性格だけでなく、外見もかわいい子が多かったと、中塚さんと先生は口を(そろ)えておっしゃいます。

 「私なんか学年の中で埋もれてたくらいなので。みんなすごい可愛(かわい)かったですね」と、中塚さん。「ミス鎌倉」が埋もれるくらいなら「ミスユニバース」が出てきてもおかしくありません。毎日が楽しくて生き生きしている、というのも鎌女生たちを内面から輝かせているのでしょう。

健全なメンタルが大学でも光る

課外活動の「特修」で人気なのは茶道の講座。週一回ほど放課後にこちらの茶室で実習できます
課外活動の「特修」で人気なのは茶道の講座。週一回ほど放課後にこちらの茶室で実習できます

 タフで生命力が強くて、茶道などのたしなみもあって、語学と鎌倉学に強い鎌女生。かつての鎌倉幕府くらい無敵の存在に思えてきます。中塚さんが大学で研究していることについて伺うと、メンタルの強さがうかがい知れました。

 「今はシロアリのお(なか)の中を調べてます。腸内微生物を調べてDNA解析しています。木を分解するということは、バイオマスとしてエネルギーとして役に立つんじゃないかって。毎週何匹ものシロアリの腸を引っ張ってます。お尻の先端をピーッて引っ張ると腸が出てくる。最初のうちは抵抗あって夢にも出てくるくらいだったんですが、今は何も思わずに、失礼しますって、ピンセットで腸を……。シロアリを飼ってるケースがあって、そこから今日使う数匹を取ってくるんですが、運命選別してるなって思いながらやってますね。最近は可愛く見えてきましたよ。研究室にはゴキブリもいるんで、ゴキブリ見ても何も思わなくなってしまいました。友人に言うと引かれますね。まさか私がシロアリをやるとは思いませんでした。この研究が世の中の役に立ってほしいです」

 と、すごい話を淡々と語る中塚さん。ミス鎌倉の美女がシロアリの腸を……というギャップが激しくて脳内でなかなか情報処理できません。でも、シロアリを慈愛に満ちた眼差(まなざ)しで見つめている中塚さんの姿が浮かびます。そしてシロアリは成仏……。ギャップ()えとしても最強です。ちなみに理系で男子が多い東工大で、きっとすごいモテていると思い、中塚さんに聞いたら、

 「まあまあです……でも女の子が少なすぎて性別の概念を忘れがちです。男子のことも気にならないというか、人間として見てます」とおっしゃいました。研究対象の生物のような感覚で、異性とも適度な距離感を保っている中塚さん。鎌女生の健全さに感じ入りました。

プロフィル
辛酸 なめ子( しんさん・なめこ
 漫画家・コラムニスト。東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は「大人のコミュニケーション術」(光文社新書)、「おしゃ修行」(双葉社)、「魂活道場」(学研プラス)など。

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1819606 0 マナビレンジャー 合格への道 2021/02/05 06:00:00 2021/02/05 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210203-OYT8I50056-T.jpg?type=thumbnail

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