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女子校・男子校の異性観…辛酸なめ子<38>

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学校は恋愛の休憩時間?

イラスト・辛酸なめ子
イラスト・辛酸なめ子

 思春期の6年間、女子だけ、男子だけの学び()で過ごすことはどんな影響があるのでしょう。女子校出身からすると、異性の目を気にしない6年間は、自然体で過ごすことができて、自分の好きなことを追求できました。色恋から遠ざかってしまいますが、男子絡みの女子同士の(いさか)いもなく、平和な空気だったことを思い出します。ただ学校によっては、かっこいい先生を巡ってヒートアップすることも。先日、某女子校で教えていた時にモテまくっていたという男性の話を聞くことがありました。長身で話もおもしろいので、モテていたのも納得です。バレンタインデーは大量のチョコレートをもらい、先生に執心している女子から何度も映画に誘われ、さらにある時は思い詰めた1人の女生徒が、違うクラスなのに1時間、ロッカーに隠れて隙間から先生の授業姿をのぞき見ていたことがあったとか……。その先生は、あまりの女子たちの熱狂ぶりが怖くて短時間で女子校の教師を辞めてしまったそうです。

 栃木の女子校出身の友人は「女子校はユートピアですね。恋愛は外ですれば良いと思ってました」と語っていました。今でも大人っぽい雰囲気の美女ですが、某市の図書館で男子にナンパされて、受験勉強を一緒にするうちに交際に発展したことがあったそうです。

 「高校時代は恋愛したくてしょうがない。学校行ってるあいだは休憩時間で、めりはりがついてよかった」と、まるで山田詠美の「放課後の音符(キイノート)」の小説の世界です……。

 女子校・男子校でも、その人のポテンシャルによって経験値は変わってきます。また、都心の名門男子校の場合、塾などで女子と仲良くなることも。筑駒出身の知人は、「女子校の子が校門で誰かを待っている姿をたまに見かけました。交際相手は学年ごとに、桜蔭が多いとか女子学院が多いとか傾向がありましたね」と数十年前の思い出を語っていました。「僕たちの時はデニムにTシャツみたいなファッションでしたが、今はおしゃれな生徒が増えてすごいモテてるみたいですよ」。将来性にも期待しつつ、早くから筑駒男子をgetしたいと内心考える女子もいそうです。ちなみに筑駒は自由な校風ですが「トイレに2人で入ってはいけない」というルールがあったとか。BL系の話かと思いましたが、「2人でつるんでトイレでタバコを吸うのを防ぐため」の決まりだそうです。「でも、自由な校風の方が悪いことしなくなります。怒られないからつまらなくなりますね」とのことで、進学校では自主性に任せることで治安が安定するようです。

 慶応義塾普通部出身の友人も「男子校で良かった」と語ります。「ディープなネタで語り合ったり、ナチュラルで平和な空気でした。男子同士でさわいでいるのが楽しかったです」

 女子については「スリーサイズやセクシー女優の話とか、他(わい)ないことを話してましたね。経験している人がいても、とくにそれを自慢しない。共学だったら相手の女子が誰かわかりますが、男子校なので、相手がかわいいか、そうじゃないかも知らない。彼女がいても自慢する人はほとんどいなかったですね」

 また別の、世田谷区の大学付属校の出身者も「男子校は周りの目を気にすることもなくて最高でした」と話します。

 「体育終わった後とか裸で校舎を駆け回ってました。僕は勉強するタイプではなく、遊んでいて、近くの女子校の子とも仲良くなりました。ミクシィ全盛期でSNSのつながりも多かったので、異性に対して偏見を持つこともなかったです。アホだったのでバレンタインデーは駅前で女子高生の前で土下座して『チョコください!』と言ったりしてましたね。おもしろがってくれましたよ」。その男子校ではBL的なシーンもあり、「昼休み、男子同士で膝の上で飯食ってる奴とか」という目撃談も気になるところです。

 いずれにせよ都心の学校は同じ塾で異性と接点ができたり、今はSNSで連絡を取ることができるので、そこまで浮世離れする人はいなさそうです。

女子は現実で暴走、男子は妄想へ走る

 異性と縁がない地方の男子校の話を聞くこともできました。九州の男子校出身のYさんは「女の子に対して、美化してしまう部分があると思います」と話します。「雑な行動に対して幻滅してしまいます。例えば(わき)()()り残しとか。付き合ってても隣でオナラされたら嫌だとか」

 昔、男子校出身の人が、女子のすね毛を見て恋が()めた、という話を聞いたことがあります。女性側も、男子校出身者と交流する時はがさつな行動をしないように気を付けた方が良いかもしれません。私も卒業後、しばらく男性のすね毛に対して抵抗感がありました。

 「アイドルは、トイレの大きい方はしない、みたいな理想化に近いものがあったと思います。一方で妄想もしていました。高3で塾に行った時は、かわいい子がいると勝手に脳内でセクシー女優と合成したり……」と、Yさん。

 最初に例に出した男性教師への恋心のように、女子が暴走すると現実的な行動に出てしまったりしますが、逆に男子は夢見がちで妄想がエスカレートするのかもしれません。

 妄想や理想化で異性が雲の上のように感じられてしまうのか、Yさんは大学に入学したばかりの時は、女子が視界に入るだけで緊張したそうです。

 「黒板の端を見ないといけないのに、視界に女子が入ると緊張してあまり見られなかったです」と、ピュアなエピソードが。

 それを聞くと、女子校出身と男子校出身、お互い気を付ければ相性は良いような気がします。お互い幻滅のポイントやナイーブさの感覚を共有しているので、品位を保つことで関係性も長続きするかもしれません。気を使って疲れたら同性の前で素をさらけ出せば良いのです。共学出身者の異性と交際すると、許容量が大きそうなのでどこまでもガサツになってしまう危険が。異性とはお互いリスペクトを持って、夢を壊さないように気を付けたいです。

プロフィル
辛酸 なめ子( しんさん・なめこ
 漫画家・コラムニスト。東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は「大人のコミュニケーション術」(光文社新書)、「おしゃ修行」(双葉社)、「魂活道場」(学研プラス)など。

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1877214 0 マナビレンジャー 合格への道 2021/03/03 05:01:00 2021/03/03 10:19:10 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210226-OYT8I50035-T.jpg?type=thumbnail

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