12年間女子校育ちの華麗なスクールライフ…辛酸なめ子<42>

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小学5年生で慶応BOYとの出会いが

 同じ「女子校育ち」と言っても6年間と12年間では重みが違います。東京女学館小学校から学習院女子中・高等科に進学という、お嬢様街道を歩んでこられた女性のお話を伺うことができました。

ベルギーからお嬢様女子校へ……。羨望のプロフィール…辛酸なめ子<47>

 現在20代後半で広報PRのお仕事をしているShizukaさんは、高校時代、与謝野晶子短歌文学賞の最優秀賞「文部科学大臣賞」を受賞されたり、Amebaブログで高校時代に月間100万pvを達成したり、読モの経歴があったりと、才色兼備感がすごいです。表現活動に没頭できたのは、異性の存在を意識しなくていい女子校だったからかもしれません。

 Shizukaさんに、まず進学の遍歴について伺うと……。

 「オープンに話すと母が学習院女子短大卒なんです。両親は私を学習院に入れたかったんですが、受けたら補欠合格で順番が回ってこなくて。2歳下の弟は受かったんですが、父が大手金融の会社で出世したのが良かったのかな、って。私は併願していた東京女学館の小学校に進んで、学習院は中学受験しました」

 「勉強は嫌い」と言いながら、通学電車内で中学受験の勉強に励み、日能研に通って合格をつかんだそうです。通学の電車で寝ていた自分の中学時代が悔やまれます。

 「国語のテストで、たまたま別の学校の過去問でやったのと同じ文章が出たんです。奇跡でした。本当は慶応も受けたかったんですけど……」

イラスト・辛酸なめ子
イラスト・辛酸なめ子

 そんなShizukaさんは、東京女学館小学校の学校生活も満喫していて、当時慶応BOYとの出会いがあったそうです。

 「中学受験で慶応に行きたかった理由の一つです。恵比寿から女学館に行くバスに乗ると、途中に慶応幼稚舎があって、通学路が一緒だったんです。すごいかっこいい男の子がいて。今井翼に似てたんです。初恋でした。女子校ってとにかく異性との交流がなかなかないじゃないですか。1年くらいずっと彼のことを見ているだけだったんですけど、小5のとき、勇気を出して話しかけました。『お友達になってください』って」

 おそらく当時も美少女で超絶かわいい女学館のセーラー服姿のShizukaさんに声をかけられたら、断れる男子はいないのでは? と思ったら……。

 「彼女がいるんで、と断られてしまいました。しかも年齢を聞いたら1個下、小4だったんです! 私も逆ナンしてて何ですが、ませてんな、と思って。衝撃を受けました。プチ失恋みたいなものです」

 小4で彼女!! 東京怖いです……。その小4の彼女はやはり彼の将来性を見込んだのでしょうか。

 「彼はイケメンなうえ、医者の息子で、イケイケな雰囲気出てましたね。小学校の時は仲良くなれないと思ってあきらめたんですが、中学の時になんと引っ越した先が同じマンションで。運命感じちゃうじゃないですか。1回くらい一緒に出かけました。私も初恋の時ほどときめきもなく……」

 こんなドラマのような展開があるとは。Shizukaさんの引き寄せ力にも驚かされます。共学育ちの人にも十分負けないエピソードでした。その慶応幼稚舎の彼は、親と同じ医者になることを小学校時代から意識していたとか。私の地元の公立の小学生男子なんてスカートめくりしてくる幼さで……育ちが違うと意識も違うことに気付かされます。

厳しめの女子高なのになぜかパーマとカラーOK

 「東京女学館小学校では、色気ある子が小6で大学生と付き合っていたというのを聞きました」

 それは犯罪の香りが……。でも、ほとんどの生徒さんは発信先が制限された携帯を使っていて、まじめなスクールライフだったそうです。やはりお嬢様は多かったのでしょうか?

 「そうですね。学習院や慶応と違って、誰でも聞いたことある企業の令嬢は少なかったですが、裕福な家庭の人が多かったです。経営者の娘さんや芸能人の娘さんなど。あと女学館はお母様が美人の人がすごい多いんです。お金持ちの旦那さんと美しい妻、という組み合わせでしょうか。CAさんも多かったですね」

 女学館には「シンデレラ階段」と呼ばれる大理石の階段やおしゃれなカフェテリアもあったそうで、美しい思い出になりそうです。

 そのあと中学から進学された学習院女子ではどのような青春時代を送っていたのでしょう?

 「女学館みたいなキラキラした階段やカフェテリアはなかったです。校舎は趣きある感じですが年季が入っていたので……。学習院はすごいいい学校なんですが校則が厳しくて。当時佳子様や眞子様もいらっしゃったのでしょうがないのかもしれませんが……。私は中3まで優等生っぽいキャラをやってたんですけど、校則が苦しくなり道を外れていきました」

 一度校内を見学したとき、学習院女子もクラシカルな校舎で ()(てき) でしたが、10代の女子にとってはキラキラ感が足りないのかもしれません。ただ、校則が厳しめとはいえ、高校に入るとパーマとカラーがOKになるそうです。

 「それは昔の歴史的に、良いお家同士で 許嫁(いいなずけ) がいる場合があるので、そういう方と会う時に見た目を (あか) 抜けさせるためパーマしても良いことになっていたそうです。お見合いするために見た目を整える場合も。私の時でもすでに許嫁がいるという同級生がいて驚きました」

 上流階級の名残でしょうか。最高峰の家柄である眞子様、佳子様に許嫁がいなかったのが不思議なくらいです……。

 「一個下に佳子様が、二個上に眞子様がいらしたんですが、お2人のクラスメイトは生粋のちゃんとした家柄の子が集められている感じがしました。でも、2人ともあんまり私皇族よ、みたいな感じを出さずに、皆に溶け込んで休み時間バレーボールやったりしていました。お付きの方は離れたところから見守っていましたね。学習院は皇族の方がいらっしゃるからか試験の順位を出さなくて、それは良かったですね」

 話を聞く限り、学習院は皇族の方々が過ごしやすい環境が整っているようです。厳しい校則でも、それをかいくぐるスリル感があったそうで……。

 「漫画とかお菓子とか学業に関係ないものは持って行っちゃダメだったんです。携帯もダメで、何回も見つかって反省文書かされました。女子校っぽい空気を感じたのは、授業中誰かが隠していた携帯の着信音が鳴るじゃないですか。そうすると皆一斉に (せき) 払いし始めるんです。その団結力がいいですね」

 女子高生の咳払いはトーンが高いので着信音をまぎらせることができるのでしょうか……。

先生の校閲が入ってブログ力が上がる?

 ストイックな女子校生活を送りながら、アメブロで高校生部門のアクセス数1位になったり、短歌で賞をとったり、文化的な活躍もされていたShizukaさん。

 「高校1年の終わり頃、ある時校長室に呼び出され、行ったら私のブログのプリントアウトが積み重なっていたんです。なんですかこれって言われて。写真を載せていたので、これは良くない、とか、個人情報はダメとか、細かく言われましたね。例えばここのラーメン 美味(おい) しかったって書いたら、女子高生が1人でラーメン屋に行ってはいけません、って。そこなのって思いました。その後は、担任の先生が校閲をしてくれるように……。もっとまじめに書いた作品でコンクールに出した方が良いんじゃないのって先生にアドバイスされて、短歌コンクールに出したら奇跡的に最優秀賞になりました。ブログで書いてる力がつながったのかもしれないよって言われました。理解ある先生で良かったです」

 女子校は自分のポテンシャルに気付き、才能を伸ばせる場所だと改めて実感させられるエピソードです。ちなみに短歌の題材は恋愛だったとか。Shizukaさんのこれまでの経験が込められた 渾身(こんしん) の一句です。多感な女子高生にとっては、どんな体験も成長の糧になるのです。

 Shizukaさんのめくるめく青春のストーリーは次回、後編として (つづ) らせていただきます。

プロフィル
辛酸 なめ子( しんさん・なめこ
 漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。人間関係、恋愛からアイドル観察、皇室、海外セレブまで幅広いテーマで執筆。著書に「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」「スピリチュアル系のトリセツ」「愛すべき音大生の生態」「無心セラピー」「電車のおじさん」「新・人間関係のルール」ほか多数。この連載をまとめた「女子校礼賛」も。

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