2022年関西圏中学入試の動向と注目校…森永直樹<13>

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 関西圏私立中学の統一入試開始日まであと2か月となりました。今回は2022年関西圏入試の注目ポイントと注目校を紹介します。

新型コロナウイルスの影響で受験者数は減少

登録有形文化財指定の灘校本館。灘中はコロナの影響もあり、関西圏以外からの受験生が減少した
登録有形文化財指定の灘校本館。灘中はコロナの影響もあり、関西圏以外からの受験生が減少した

 21年入試に続き、新型コロナウイルス感染症の影響が注目されています。昨年のコロナ発生時には、22年入試の受験生の多くが受験のための塾通いを始めていたため、大きな影響はないと見られていました。ところが、実際は5年生から始めようとしていた生徒の進路変更などで、ここにきて想定よりも受験生が減少する気配となっています。

 現に学校を会場にして実施されている模擬試験の受験者数は減少しているところが多いと聞きます。21年入試の受験者数が1万7079人に対して、22年入試では1万6900~1万7000人あたりまで減少するのではないかと予想しています。

 学校としては、10月に入って感染者数が急速に減少したこともあって、プレテストや最終の入試説明会などは制限なく予定通りに実施しています。しかし、一部の報道では、新型コロナの「第6波」の感染拡大が12月から1月にかけて想定されていることから、多くの学校は21年入試と同様の対応を考えているようです。

 入試そのものの変更については、今年同様に「面接」が中止になっています。これは接触機会を減らすという感染予防対策なので、今後コロナが終息すれば復活すると思われます。

 中学入試の多様化が進むなか、近年は「新タイプの入試」が注目されてきましたが、次年度に向けては目立った動きはありません。あえて挙げるとすれば、英語入試(英検加味を含む)が増加傾向であることと、1教科入試が増加していることです。入試の多様化の動きについては少し落ち着いてきています。

2022年入試で注目のトップ校

 全国から受験生が集まる灘中(神戸市)の21年入試は、コロナの影響もあり、関西圏以外からの受験生が減少しました。この傾向が22年入試まで続くのかが注目されています。21年の中学入試が問題なく実施できたことに加え、全国の感染状況が落ち着いている現状から、コロナ前の状況に近づくところまで回復してくると予想しています。

 女子の難関進学校では四天王寺(大阪市)に注目しています。従来からの最上位コースの「医志」と21年入試からの新コース「英数S」(医志と同レベル設定)の志望状況がどうなるかという点です。コース改編の初年度となった21年入試では、「医志」を第1志望に選ぶケースが多かったのですが、しっかり告知ができたうえに、入学した1期生の状況も伝えることができる2年目の入試では「英数S」と人気が分かれ、難度がそろう結果となりそうです。

 共学の難関進学校では、大学合格実績で大躍進した西大和学園(奈良県河合町)の男子に注目しています。2日目に各府県のトップ校を受験し、3日目に東大寺学園(奈良市)を受験するパターンが多いのですが、2日目の午後に入試が行われるので、第1志望や第2志望とする受験生が増えてくるのではないかと見ています。

難化傾向の人気校と新コース開設校

常翔学園は近年、大学進学実績を伸ばしている
常翔学園は近年、大学進学実績を伸ばしている

 その他の共学校では人気の高槻(大阪府高槻市)、須磨学園(神戸市)の難化傾向が続くかどうかという点です。学校で開催されているイベントは、予約を取ること自体が困難な状態になっており、実際の参加者数が昨年を大きく上回っていることから、21年入試と同程度かそれ以上の受験者数になることは確実です。

 また、21年入試で最も受験者数が増加した夙川中学校(神戸市)の急激な難化に対して受験生がどう反応するかが注目されています。難化したことによって、同じ共学進学校の三田学園(兵庫県三田市)や滝川第二(神戸市)に志望校を変更するケースが見られますが、その一方で他の上位校を目指していた層の目にとまり、新たな受験生獲得にもつながる動きが見られ、昨年と同規模以上の受験者数になる可能性が出てきています。

 大学付属校では「関関同立」の付属校・系列校に人気が集中しそうです。傾向としては21年入試に続き、立命館の付属校・系列校が目立っています。

 立命館(京都府長岡京市)は受験者数が増加した翌年は減少するというような隔年現象がこれまでは見られましたが、22年入試も変わらず多くの受験生を集めそうです。付属校の持つ魅力に加えて、先進性のある教育の中身が期待されています。ほかでは、立命館宇治(京都府宇治市)や立命館守山(滋賀県守山市)、初芝立命館(堺市)も併願日程では注目されています。

 立命館以外では、兵庫の関西学院(西宮市)と啓明学院(神戸市)の受験生が増えそうな気配です。安定した人気の両校ですが、コロナ禍で大阪や京都方面までの遠距離通学を避ける動きも影響しているかもしれません。

 安定した人気の同志社の付属校では同志社女子(京都市)に注目しています。京都以外からの受験生が増加傾向にあり、21年入試と同様に多くの受験生が集まりそうですが、難度については難化した今年と同程度と予測しています。

 最後に22年から新コース制をとる3校を紹介します。従来からのコース制を再編する滝川(神戸市)の「医進選抜コース」が注目されています。本気で医学部医学科を目指す6年間のカリキュラムが期待されています。

 近年大学進学実績を伸ばしてきた常翔学園(大阪市)と東洋大姫路(兵庫県姫路市)の新コースも人気を集めそうです。両校とも手厚い面倒見が評判で、じわじわと人気が上昇してきたタイミングでの新コース制だけに期待感が高まっています。新設の「上位コース」の併願日程については想定以上に難化する可能性があります。

 いずれにしても新設の「上位コース」は予測が難しいので、確実な併願プランを取ることをお勧めいたします。

プロフィル
森永 直樹( もりなが・なおき
 株式会社日能研関西 取締役。教室長、進学情報室室長、教室統括部長などを歴任。現在は教室と広報セクションを統括しながら、学校・教育情報を発信している。私学教育の魅力を伝える講演など中学受験イベントに多数出演。

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2526553 0 マナビレンジャー 合格への道 2021/11/18 08:00:00 2021/11/18 08:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211116-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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