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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    美しく強く安全なドアを

    LIXIL(リクシル) 平岡華子さん 26

    設計1つに図面200枚

    • 「長く安全に使ってもらえる商品を、チームで開発していくのが楽しい」と話す平岡さん(東京都江東区で)=吉川綾美撮影
      「長く安全に使ってもらえる商品を、チームで開発していくのが楽しい」と話す平岡さん(東京都江東区で)=吉川綾美撮影

     住宅用の室内ドアの設計を担当する。おしゃれな外観も求められるが、安全基準を満たすのが大前提。複雑なデザインの場合、枠など部分ごとに担当者を決め、全体の強度を保つ調整をしながら設計を進める。「一つのドアの設計に約1年半かかり、自分が担当する部分だけで200枚は図面を描きます」と話す。設計したドアの生産が始まったら工場を訪れ、職人らに素材やデザインについて意見を聞くようにしている。

     2015年に入社。様々な仕事を一人で任され始めた2年目に大失敗をした。ドアの溝や穴の位置を決める数式を間違えて設定し、製造段階で不具合が生じてしまった。

     工場に駆けつけると、「図面どうなってんだ」と叱られた。「初めての仕事も多い中、納期に間に合わせようと必死で、確認が不十分でした」と反省する。

     安全性の要ともいえる蝶番ちょうつがいの設計を任されたのもこの頃。強度を保ちながら、軸が細く目立たないものを作るよう指示された。

     完成後、「違いに気付く人なんているのか」と半信半疑だったが、新築を検討する女性客への営業担当者の商品説明に同行したところ、「細かい点こそ、こだわりたい。ぜひ使いたい」と言われ、喜びで胸がいっぱいになった。

    「チームワーク」重視

     大学ではオフィスの内装デザインなどを学んだ。チームで議論をし解決する課題が楽しかったため、就職活動では業界を絞らず、家具や靴下のメーカーなど「チームで物づくりができる」会社を重視した。面接官との会話で、「この会社ならなじみやすい」と思ったLIXILに入社を決めた。

     この春から、高級なドアの設計を任されている。インテリア雑誌などで海外の流行を確認するほか、素材ごとの強度の勉強なども欠かさない。全国に散らばる同期の話を聞いたり、耐久性や強度をテストする担当者に過去の事例を聞いたり。「必死だね、と笑われますが、必死になって、美しさも強度も備えたドアを作りたい」と目を輝かせた。(新美舞)

    ■内定までの軌跡
     2013年5月 大学の課題を通じ、インテリア業界やオフィス業界に興味を持つ
         12月 業界、業種を絞らず合同説明会に参加。自己分析を始める
       14年1月 志望業界を少し絞り、メーカーを中心に企業説明会に参加
         ~3月 6社にエントリー
          5月 LIXILから内定を得て就活を終える

    LIXIL
     水回り設備や建材製品の開発・販売を行う。トステムやINAXなど5社が統合し2011年に現在の体制に。本社は東京都千代田区。売上高8877億円(2018年3月期)。従業員数1万6638人(18年3月)。誠実で公正な行動をとれる人を求める。今春の新卒採用者は440人。

    2018年09月04日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun