文字サイズ
    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    性の多様性認める社会に

    大阪府立大3年 花岡奈央さん 21

    • 「おかしいと思う一つ一つは小さなことだけれど、ベースにある認識を変えたい」と話す花岡さん(堺市の大阪府立大で)=守屋由子撮影
      「おかしいと思う一つ一つは小さなことだけれど、ベースにある認識を変えたい」と話す花岡さん(堺市の大阪府立大で)=守屋由子撮影

    着たい服を着る自由

     大学公認のサークル「フダイバーシティプロジェクト(フダイバ)」で、SOGIと呼ばれる全ての人が持つ性の多様性を、誰もが認め合える環境づくりを目指す。「LGBT(同性愛者などの性的少数者)は人ごとだと感じる人が多いけど、SOGIはどんな人にも関わることです」と強調する。

     大阪府立大は昨春、「SOGIの多様性と学生生活に関わるガイドライン」を発表し、SOGIに関連した困難を抱える学生の意思を尊重する方針を打ち出した。興味を持つ学生らが「フダイ(府大)」の「ダイバーシティ(多様性)」を推進しようと設立したのがフダイバだ。

     中学、高校は大阪市内の私立女子校で、性別をあまり意識せずにいた。社会学を学びたいと大学に進学したが、古着や鮮やかな色のワンピースなど自分が好きな服装で通学すると、男性の先輩らから「男にもてないよ」などと言われ違和感を感じた。大学がSOGIについて考えてもらおうと学内に掲示した「自分が着たい服を着る」というポスターをきっかけに活動を知り、今春から参加した。

    学内外で啓発活動

     フダイバでは、多様性を尊重するため、性的指向などを明らかにするかは、14人のメンバーそれぞれの自由だ。大学祭に出展するほか、学外のイベントで活動について発表することもある。学内の意識啓発のパンフレットを作成するため週1回、メンバーで議論を重ねている。記名式のアンケートに性別の記入欄があるなど、「変なのに誰も言わないことが意外と多いと気付きました」と語る。

     おかしいと声を上げ、考え方を訴えても、人の意識を変えるのは難しいと実感する。それでも「誰もが、『そういう人もいるかもね』と受け入れられる環境が理想」と思い描き、人と接する仕事に就いて自ら実践しようと考えている。(新井清美)

    SOGI
     ソジ、ソギ。どの性別を好きになるかという性的指向(Sexual Orientation=セクシュアルオリエンテーション)と、自分の性別をどのように認識するかという性自認(Gender Identity=ジェンダーアイデンティティー)を指す。性的少数者に限らず、全ての人が持つ性の多様性の意味で使われる。

    ★働きやすい環境目指す企業も

     性的少数者の人権を守る意識は、国内外で高まっている。国連人権理事会は2011年、性的少数者への暴力や差別に「重大な懸念」を表明する決議、16年には「SOGIに基づく差別や暴力からの保護」を明記した決議をそれぞれ採択した。

     就職活動の場では、エントリーシートの性別欄を廃止したり、LGBTの学生を対象にした会社説明会を開いたりする企業が出始めている。社員が戸籍上の名前ではなく心の性に基づく名前を使うことを認めるなど、働きやすい環境をPRする例もある。

    2018年09月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun