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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    世界一周 考え方が柔軟に

    拓殖大4年 石川駿介さん 22

    • 「快く旅に送り出してくれた両親にも感謝しています」と語る石川さん(東京都内で)=萩本朋子撮影
      「快く旅に送り出してくれた両親にも感謝しています」と語る石川さん(東京都内で)=萩本朋子撮影

    35の国や地域巡る

     大学3年だった昨年2月から1年間、2か月の語学留学を含めてアジア、アフリカ、欧州、北米の約35の国や地域を巡り世界を一周した。「訪れた様々な場所で異なった価値観の人と出会い、現地の暮らしや文化を学ぶことができました」と振り返る。

     2週間ほど滞在したウズベキスタンでは、地元の学生らに日本語を教える機会があり、日本への留学を考える学生のアルバイトの面接練習にも付き合った。帰国後、日本語を教えた学生の1人に偶然出会い、「『あなたのおかげで日本で生活できている』と感謝され、うれしかったですね」と話す。

     高校2年のときに大学生の兄が世界一周をした。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に送信される世界各国の写真を見て心が躍り、「自分もいろいろな世界を見てみたいと思うようになりました」。大学3年までに卒業に必要な単位をほぼ取得し、1年休学し、旅をした。費用の120万~130万円はアルバイトで稼いだという。

    出遅れ感じ焦りも

     就職活動を始めたのは帰国後の今年2月下旬。周囲の学生はすでに業界や企業の分析を行い、インターンシップ(就業体験)にも参加していた。出遅れを感じ、焦りもあったが、「世界中の人と関わり、多くの人の生活を支えたい」と、商社や物流、航空業界を中心に20~30社に応募した。

     面接で「休学までしてなぜ世界一周をしたのか」「得られたことは何か」と聞かれ、旅を始めたきっかけやそのための努力、旅先での体験を具体的に話した。自分の目で確かめたり人と話したりすることで思い込みを解消し、物事を柔軟に考えられるようになったこともアピール。複数の内定を得て、専門商社への入社を決めた。

     「いろいろな出会いがあり、人生を変えるほどの経験が得られました。将来、様々な困難に直面しても、精神的にも体力的にも乗り切れそうです」と力強い自信を見せた。(佐藤寛之)

    長期留学・旅行の学生支援

     海外に長期の留学や旅行をすると、帰国後の学業や就活の遅れが心配になる学生もいる。石川さんは「事前に最低限必要な単位を取得したことで学業との両立をこなせた。国際貿易や国際関係・国際政治などの授業を履修し、実地でも学んで知識を深めたことが就活でのアピール点になりやすかった」と話す。

     人材紹介会社「アプリ」と旅行関連イベントなどを手がける「TABIPPO(タビッポ)」が3月、海外に長期間滞在した学生らに特化した就職支援サービス「旅人採用」を始めるなど、支援の動きも出ている。

    2018年10月23日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun