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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    看護学生 他分野と交流

    筑波大4年 藤原 怜峰 ときたか さん 24

    • 「医療は、医師、看護師、薬剤師らがチーム全体で関わることが大切」と話す藤原さん(東京都新宿区で)=吉川綾美撮影
      「医療は、医師、看護師、薬剤師らがチーム全体で関わることが大切」と話す藤原さん(東京都新宿区で)=吉川綾美撮影

    最初は薬学部志望

     全国の大学や専門学校の看護学生で作る団体「ION」の関東支部代表を務める。団体名は「看護の養成」を意味する英語の略で、全国4支部から成る。IT企業の社員など異業種で活躍する人の講演会や、薬学や理学療法など他分野の医療系学生の団体などと交流会を開き、広い視野で自分のキャリアを考える活動に力を入れる。

     高校時代になりたかったのは薬剤師だった。ドラッグストアでのアルバイトを通じ、忙しくて病院に行けない人が頼る街の薬局で、様々な相談に乗る薬剤師こそが「健康管理の最前線にある仕事」と感じていた。

     だが大学受験では薬学部に落ち、看護学部に進学。「興味を持てず自分のキャリアを描けずにいました」。勉強に身が入らず2回目の留年が決まった後、IONに加入した。業種、職種を超えて交流する団体なら看護に関心を持てるかもしれないと思ったからだ。

    患者の気持ち伝える

     様々な分野の学生らとの交流を通じ、「自分は、看護の専門性を理解していないことに気付きました」と話す。看護師は「医師の指示通りに患者の世話をする係」程度の認識だったが、患者と接する機会が多い分、患者の気持ちを知り、医師や薬剤師などに伝えることが求められていると思うようになった。

     「患者さんの目標が、自宅で階段を上りトイレに行くことなのか、趣味の散歩を毎日1時間は楽しむことなのかなどで、医療チームの対処法や接し方も変わってくることもわかりました」

     来年4月には神奈川県内の病院の看護師として働き始める予定だ。将来は大学院で、病気の予防や医療政策などを広く学びたいと考えている。看護師として働く間も、医療分野でも活用が増えそうなAI(人工知能)など、専門外の勉強会にも参加するつもりだ。

     「看護の奥深さを知った今は勉強したいことが増え、何でも経験したいですね」と力強く語った。(新美舞)

    「ミスマッチ」防ぐ

     日本看護協会の調査によると、2016年度に新卒で看護師として就職した人の1年目の離職率は7.6%だが、99床以下の小規模な医療機関では12.4%に上る。大都市の小規模病院ほど、仕事の予想外の忙しさなどから早期の離職者が多い傾向にあるという。

     こうした「ミスマッチ」を防ぐため、医療機関の採用担当者らが13年、「看護職の採用と定着を考える会」を設立。看護学生が求める情報を積極的に提供するほか、学生の声を聞いて採用に生かしたり、若手看護師と直接話す機会を設けたりする取り組みを進める。

    2018年12月04日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun