[就活ON SPECIAL]自己PRは自撮りで…野沢比日樹 動画面接サービス会社社長

[読者会員限定]
無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

オフィスが入居するビルには新興企業などが集まる。共有スペースで打ち合わせをする野沢さん(中央、東京・大手町で)=岩佐譲撮影
オフィスが入居するビルには新興企業などが集まる。共有スペースで打ち合わせをする野沢さん(中央、東京・大手町で)=岩佐譲撮影

 就職活動中の学生らが、遠方にいても動画で選考を受けられるシステムを企業に提供する会社を経営しています。スマホで撮影した自己PRの動画を送ったり、ライブ面接を受けたり。企業にとっても採用活動の人員や経費を減らせるメリットがあり、今は約80社と契約しています。

 元々は、IT大手のソフトバンクやサイバーエージェントに勤める会社員でした。孫正義さん、藤田晋さんという経営者の近くで働き、将来は自分も起業して「社会を変えたい」と思っていました。

 サイバーエージェントでは採用の面接官を務めたことがあり、約3000人の学生と直接会って話を聞くのに膨大な時間がかかりました。そこで面接の一部を動画にすれば、採用活動が効率的になるのではないかと考えたのです。

 実際、国土が広く移動に時間がかかる米国では動画面接は一般的です。もちろん、最終的に採用を決めるには直接対面する面接も必要ですが、日本でも当たり前のサービスにできないか。そう考えて2年前に知人と2人で起業しました。

 若者の自撮りへの抵抗感のなさは驚くほどで、履歴書では分からない人柄が伝わってきます。ある企業は、約1000人のうち9割を動画面接で採用したそうです。全国に店舗を展開するため地方出身者の採用が多く、人事担当者が各地を回っていた出張費がゼロになったといいます。

 一方、このシステムで地方学生の機会の不平等も解消できます。大手企業の大半が東京に集中し、「半日がかりで上京して面接は15分だった」など学生の切実な声を聞いていました。

 昨年11月には、地方の学生の就活を応援する企画「上京しなくてもいい就活」を始めました。動画面接を行う企業を紹介するサイトをつくり、今後は大学での説明会も行っていく予定です。さらに、採用に人手が割けない中小企業や地方の企業の支援もしていきたいと考えています。

 サイバーエージェントの藤田さんからは、「伸びている業界を選べ」とよく言われました。私は今、オフィスビル内の一室を借りて、13人の社員と一緒に仕事をしています。小さな会社ですが、「伸びている業界」を選んだと確信しています。

 聞き手・青木佐知子

 

のざわ・ひびき 1975年、埼玉県生まれ。独協大経済学部卒。人材紹介大手インテリジェンス(現パーソルキャリア)、サイバーエージェント、ソフトバンクを経て2017年、動画面接サービスなどを運営するZENKIGEN(ゼンキゲン)を創業。

      ◆     ◆     ◆

AIで感情見える化

 人的資源を意味するヒューマンリソース(HR)と、技術(テクノロジー)を組み合わせた「HRテック」という造語が注目されている。

 最先端の技術を生かした採用活動や人材育成、人事評価などを指し、スマホを使った動画面接もその一つで、効率化に役立つ。鶏卵大手アキタ(広島県)は昨年、1次選考でAI(人工知能)による面接を本格導入した。

 野沢さんの会社は音声から感情をとらえるAIの共同研究を東京大と進めている。音声で感情の変化やストレスの度合いを可視化できれば社員の適材適所の人材配置につながるという。

 

[業界の常識]新作チョコ 試食100種類

明治 杉本紘基さん 28

 チョコレートの新商品の開発をしています。最近では、冬期限定発売の「メルティーキッス 初摘み濃抹茶」の刷新を担当。渋みを抑えて抹茶のうまみを出そうと、原料を見直し、配合の異なるチョコ100種類ほどを試作し、味を調整しました。

 入社して驚いたのは、仕事でチョコを食べる量の多さです。毎日、板チョコ1枚分以上は食べています。味覚の感度は朝のほうが良いので、大事なサンプルは朝に食べます。繊細な味の違いをみるため、一つを食べた後にお湯で口をゆすいで1分休憩してから、別のサンプルを食べます。

 担当した商品が店頭に並ぶと、そわそわしながら売り場を見に行きます。買い物客が、商品を手に取る姿を見かけると本当にうれしいです。(聞き手・青木佐知子)

■菓子業界のいま

 市場規模は漸増傾向だが、人口減が進む国内では売上高の大きな伸びは見込みにくい。各社は大人向け菓子商品の強化を進め、カカオの含量が多いチョコなど健康志向の菓子が人気を集める。

 

[DATA]採用費用 1人当たり50万

 就職情報会社マイナビが今春卒業予定の大学生らの採用を行った企業3013社から回答を得た調査では、採用にかかった費用の総額は1社平均558万円で、入社予定の学生1人当たりにかけた費用の平均は48万円だった。

 同社リサーチ&マーケティング部の小林裕貴さんによると、入社予定の学生1人当たりの費用は最近、50万円前後で推移しているが、インターンシップ(就業体験)を取り入れる企業が急増し、その予算を増やすことが多いという。

 企業はネットでの「ウェブ説明会」を増やすなど採用活動の効率化を進める一方、インターンシップのほかにOB・OG訪問など、学生との個人的な接点作りの機会も増やしている。「予算もマンパワーも限りがある中、採用活動の選択と集中が進んでいる」と小林さんは指摘する。(新)

 

[ゴロク]こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて死なむと思ふ――石川啄木

 啄木は小説家になりたかった。妻子を残し、22歳で単身上京するも作品は没の連続。生活のため、東京朝日新聞で文字の誤りを正す校正係をしていたときに詠んだ歌だ。

 啄木はそれまで職を求め、北海道に渡って小学校や新聞社などに勤めたが、どれも長続きしなかった。石川啄木記念館の森義真よしまさ館長は「職業でも文学でも、とにかく命をかけるに足る仕事をしたいと熱望していた」とこの歌を詠んだ背景を話す。啄木は天職を求めながら26歳で世を去った。

 何が自分の天職なのか。見極めるのは難しい。即断せず、情熱を傾けられるかどうか、時間をかけて見極めよう。(恒)

 

[社会人のマナー]名刺は相手そのもの

名刺の渡し方の例
名刺の渡し方の例

 名刺交換は第一印象に関わる重要な場面だ。企業の人材育成研修などを支援するリクルートマネジメントソリューションズの松本あずみさんにマナーを聞いた。

 〈1〉名刺は名刺入れに保管し内ポケットやバッグに入れておく〈2〉渡すときは机ごしでなく脇に出る〈3〉相手が読める向きで社名や名前が隠れないように持ち、胸元の高さに差し出す〈4〉渡す際は相手の目を見て「はじめまして」などと自己紹介し、受け取るときは「ちょうだいいたします」と言って両手で受け取る――などが基本だ。

 互いに名刺を出すと片手で受け取ることになるが、受け取った後は両手で持とう。相手の名刺より低い位置で渡すマナーも広まるが、「どちらが低いか考えるより、相手が取りやすい位置に差し出すほうが大事」と松本さん。互いの名刺が左右に並ぶように渡せばいいそうだ=写真=。

 互いに複数人いるときは、まずは上司にあたる人同士が交換し、次に担当者が相手の上司と交換する。担当者同士の交換は最後にすべきだという。1対1のときは、目下の者や訪問した側が先に渡す。

 名刺は「忘れないこと」が原則だが、それでも忘れたら「切らしております」と伝え帰社後に郵送するなどの対応をとる。

 名刺交換の後に着座したら、机の上に名刺入れを置き、その上などに交換した名刺を置く。相手の着座順に並べておくと、会話中に名前や役職を確認できる。

 持ち帰ったら名刺ホルダーなどに整理して保管する。その際、日付や会話内容などをメモしておくと後で役立つ。処分する際は個人情報なので扱いに気をつけたい。

 就職活動中の学生の場合、自分は名刺を持っていなくても、OB・OG訪問の相手などから名刺を受け取ることがある。きちんと両手で受け取り、口頭で自己紹介をしよう。話をする間、ずっと両手で持っていると誠実さが伝わりやすい。松本さんは「名刺を相手そのものと思い大切に取り扱って」と呼びかける。(横山航)

 

[ソレアル?]OB訪問で得た情報 ESに書いてもいいか

 OB・OG訪問など社員から得た情報について、エントリーシート(ES)にどう盛り込むか迷う学生が多いようです。

 社員との接触は、企業の実態に迫る貴重な機会です。千葉商科大専任講師の常見陽平さん(労働社会学)は、「会社の理念や特長に触れながら、会った社員から感じた組織風土や仕事内容を具体的にESに書くと、志望動機や将来展望の説得力が増します」と話します。

 さらに、その社員の働く姿勢や考えから、「自分も○○を大事にしてきた」などの共通点に触れると、企業側が「我が社とのミスマッチはなさそうだ」と判断する材料になる可能性があります。

 ただ、一人の社員から聞いた話は一例にすぎないという点を忘れてはいけません。

 常見さんは「志望度が高い企業については、部署や役職、年次の異なる複数の社員から話を聞くと、情報の幅が広くなり、より深みも増します」とアドバイスします。

 また、就活生と会うことを社員に禁止している企業もあります。訪問した社員には、聞いた話をESに書いても差し支えないか、確認するといいでしょう。(の)

 

SNSで情報発信中

 「就活ON!」のツイッター(@shukatsuon1)、フェイスブック(読売新聞 就活ON!)で情報発信しています。ぜひご登録ください。読売教育ネットワークのホームページでブログも開設中です。ご意見、ご質問は「就活取材班」(shu-on@yomiuri.com)へ。

423802 1 就活スペシャル 2019/02/05 05:00:00 2019/02/06 12:26:01 2019/02/06 12:26:01 就活ON・「ゼンキゲン」の野沢比日樹社長(1月16日、東京都千代田区で)=岩佐譲撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190205-OYT8I50004-T.jpg?type=thumbnail

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ